ぶらっと散歩

訪れた町や集落を再度訪ね歩いています。

下松市笠戸島の深浦は島南端にある集落 

2021年04月10日 | 山口県下松市

                        
                      この地図は、国土地理院の2万5千分1地形図を複製・加工したものである。
         瀬戸内海西方、笠戸湾南方に位置する笠戸島。地名の由来は、厳島明神が当地に笠を捨
        て置いたという伝説にちなむという。古来、海運上の要地であり、地内に笠戸本浦、尾郷、
        江ノ浦、深浦があり、深浦は県道笠戸島線の終点にある集落である。(歩行約2.1kmだが
        高壺山までの距離は除く)
 

        
         JR下松駅(10:00)から防長バス深浦行き35分、終点の深浦バス停で下車する。

        
         防波堤には多くの太公望たち。

        
         バス路線を戻ると左手に深浦八幡宮。

        
         参道を上がって行くと海岸部に家並み、山手側は耕作地のようである。

        
         由緒によると、平安期の857(天安元)年宇佐八幡宮より勧請されたとあるが、それ以後
        は文字が擦れて
判読できない。

        
         龍と富士山と思える山が描かれた鏝絵。

        
        
         道路を挟んで八幡宮の向い側に稲荷神社。

        
         集落道に入ると左手に笠戸八十八ヶ所第43番札所。八十八ヶ所は1925(大正14)年
        勧請されたそうだ。

        
        
         平入りの民家。

        
         四差路を左折すると、正面に深浦公民館(旧深浦小学校跡地)

        
         深浦小学校は、2014(平成26)年に廃校となり、地区住民の交流の場となっている。

        
         子持ち地蔵と観音像。

        
         周慶寺の阿弥陀堂。周慶寺は下松市西豊井にある浄土宗の寺である。

        
         山手側に棚田が設けられていたようだが、担い手不足によるものか耕作放棄が進行して
        いる

        
         集落道に戻って西進すると空家が目立つ

        
        
         急に道幅が広くなるが、この付近も空家が続く。

        
         地元の方が高壺山周辺に旧軍の軍事施設が残されていると、地図で案内をしていただく。
        バスの乗車時間が
気になったが、この地より大浦道を上がることにする

        
         大浦道は小屋の所で左手に上がる道が分かりづらいが、あとはスカイ4号道を進めば高
        壺山である。

        
         貯水槽と思われるが戦争遺跡に関する知識がないのでよくわからない。

        
         開戦直後に防空を目的に探照灯と聴音機を備えた深浦見張所が設置され、戦争末期には
        は防空砲台も設置されたという。(兵舎跡?)

        
         換気口だろうか桝が5つぐらい現存する。

        
         高角砲台への塹壕。

        
         反対側からの塹壕。

        
        
         赤煉瓦造にモルタルで上塗りされているが、関連施設の指揮所と思われる。

        
         深浦から唯一の展望地。(火振岬)

        
         大浦道は水害で一部寸断されていたが、総じて歩きやすい道であった。

        
         西端から見る深浦漁港。

        
         県道は地元の方の駐車場のようだ。

        
         長く住民の生活に欠かせなかった井戸水も、1970(昭和45)年11月笠戸大橋の完成
        に伴い、1年後に島内全域へ上水道が完備されて役目を終えた。

        
         再び県道に出ると深浦バス停。13時30分下松駅行きに乗車して江の浦へ向かう。


下松市笠戸島の江ノ浦はドックの片隅に集落 

2021年04月10日 | 山口県下松市

        
                この地図は、
国土地理院の2万5千分1地形図を複製・加工したものである。
         江ノ浦は笠戸湾南方の笠戸島の中央部に位置する。島名の由来は厳島明神が当地に笠を
        捨て置いたという伝説にちなむという。(歩行約2.6km)

        
         深浦バス停(13:30)から防長バス約9分、笠戸ドック前バス停で下車する。

        
         車窓から見たドックを見るためバス路線を引き返す。

        
         1918(大正7)年笠戸島船渠㈱が江ノ浦に創設され、この建設工事の人やその生活を支
        える人々が多く移住してきたと云われている。

        
         県道を挟んで右手に本社事務所、山手側に寮・アパート群が並ぶ。

        
         稲荷大明神。

        
         工場入口より集落に入ると、右手に笠戸霊場八十八ヶ所第73番札所がある。阿波国・
        平等寺、讃岐国・出釈迦寺と金倉寺などの座石があるが、その上に石仏があったのであろ
        う。

        
         札所から高台への急坂を上がると、集落全体を見渡せないが狭い平地に民家等が軒を寄
        せ合う。

        
         どの路地からも大型クレーンを見ることができる。

        
         門構えのある家。

        
         集落内に2本の道が山手にのびる。架橋される前は船渠従業員は社用船を利用していた
        が、島民は食料・雑貨の調達は運搬船もしくは漁船に頼っていた。

        
         三角地にある建物。

        
         海からわずかで山が迫るという狭い空間の地も、架橋によって利便性は増したが、同時
        に他の地域から通勤可能な地となる。人口流失が始まると商店などが打撃を受けてひっそ
        りとした集落へと変貌する。

        
         笠戸島船渠㈱は、1988(昭和63)年3月長引く造船不況により解散し、全員解雇とい
        う憂き目に遭う。のちに修繕船を主体とする新笠戸ドックが設立されて今日に至る。

        
         かっての海岸線と思われる堤防が残されている。

        
         江の浦バス停より下松駅に戻る。