名南将棋大会ブログ 名古屋

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20181110今日の一手(その782);手堅く受ける

2018-11-10 | 今日の一手

20181110今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、NさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と角の交換で先手が少し駒得です。
玉の堅さは(相手の駒を考慮しないで)先手のほうが少し堅いですが、78銀成同銀を想定すれば同程度。
先手の攻め駒は53角と持ち駒飛角桂で4枚。
後手の攻め駒は58飛67銀で2枚。56金は数えるかどうか。

総合すれば先手有利か優勢です。

☆ 大局観として
先手がすべての要素で上回っていますが、玉の堅さだけは同じくらいかも。寄せ合い勝ちならば良いですが、そうでなければ受けておくほうが無難です。駒得なので長くなっても構いません。


△ 攻める手としては41飛で、51歩と守られるでしょう。

この交換を入れたほうが得かもしれませんが(後手が歩を使って攻めにくくなるとか)、後手玉を寄せるにはもう少し駒が必要です。


△ 21飛は31歩かもしれないので(51歩の後で打たれるかもしれないし)

41飛よりは劣ります。


△か○ 実戦は64角成で

56金が移動して角取りになるのを防いでいます。後手玉はまだ詰めろではないのですが、もう一枚もらえれば。78銀成同銀(ここで詰めろになった)63金37馬

後手の攻め駒が減りました。47桂成26馬67金69銀打78金同銀67歩59歩

6筋の歩を取ったので△67歩が生じましたが、竜を追って、56竜35角57成桂41飛51歩71金62銀

後手玉も粘りが利きますね。長い終盤は後手Mさんが制しました。

さて64角成78銀成同銀63金の時に同馬と取ることができます。

63同銀に41角が両取り。52銀32角成67金

53角は金2枚と交換できたという計算で、駒得が広がりました。ただ後手の32金は守備駒でもなかったので、この取引はそんなに得ではないです。
しかし受けを考えれば金2枚を持ち駒にしたというのが心強いのです。69金78金同金67銀68金打

千日手を許さずに受けることができます。これならば形勢有利を保ちやすいはず。金銀を自玉まわりに打って守ります。


○ 35角成はしっかりした受けの手で

後手の4枚目の攻め駒候補35桂を取り払い、馬が自玉の守りに利いています。78銀成同銀67金69銀78金同銀67銀68金

金銀の打ち替えで金を手持ちにした時に、飛車取りに受ければ千日手を回避できます。馬を使えば3枚の攻めは受けやすいでしょう。


○ 59歩は受けの手筋で

59同飛成は78銀成の攻めが甘くなります。38飛成だと後の67金が角取りではありませんし、58桂など先手は5筋に駒を打って受けることができます。
後手は勢いで78銀成同銀同飛成同玉67銀88玉78金

98玉77金同桂76銀成41飛

受けにくい形なのですが、駒をもらったので51歩には71銀があります。71銀と使わせて、88銀66金78歩95歩64角成

74桂を見て端攻めは無効にできるので先手優勢です。


△ 68金は

受けとしてはちょっと手薄いのです。駒を打ったほうが手堅い原則に外れます。68同銀成同銀引67金

やはり角取りになるのですが、64角成が詰めろ。63金46馬

後手に金を使わせたのでどうにか受かります。47桂成と捨てられて、同馬68金

58馬同金でも良いですが、69銀同金58馬

後手の大駒を残さないほうが受けやすいです。


× 68銀上だと

78銀成同玉67金打

でつぶれます。


× 68銀引78銀成同玉67金打

でも同じです。


△ 68桂は

飛車の利きを小さな駒で遮断しているのですが、78銀成同銀67金

これが角取りになるのが嫌です。35角成78金同玉59飛成79金(69金よりも少し優る)

67銀同玉79竜78銀19竜

先手有利ではありますが、先手玉が堅くなったという感じがしません。68桂だと駒の連携が悪いのでしょう。


△か× 68角だと

銀で取られると駒得は消えますが、玉の堅さがはっきり上回ります。47桂成64角成78銀成同銀63金

というくらいでしょうか。馬を逃げて成桂を使われたら駒損になりそう、まだ先手よしだとは思いますが。


○ 68飛ならば

後手の飛車当たりですから強い受け方です。68同銀成同銀引47桂成35角打

2枚角で攻めてみると、後手は持ち駒飛は受けに使いにくくて、先手優勢です。


☆ まとめ
問題図の3手前に指した53角がうまく使えれば先手が勝ちやすいです。一般的に前に指した手が生きれば形勢が良くなるのです。攻めを考えて64角成か、受けも考えて駒得の35角成は悩むところ。
64角成は後手玉がすぐに詰めろになるから魅力的なのですが、78銀成同銀63金という局面でまた悩みます。金を使わせて馬を引いておくか、馬を切って駒得にするか。馬を引く方は難しくて、筋悪のような駒得が正解でした。振り飛車の粘りに悩まされます。
35角成のほうは長期戦歓迎です。いざというときの詰み筋(71角や71銀)も確保しているので、実戦的に選びやすい気がするのです。

53角を使わない受けとしては、一本は59歩を考えてみたいです。78銀成以下の攻めを読んでからですが。
68に駒を埋めるのが普通の受けで、通常は小さい駒の桂を打つのですが、これが不正解。68角でもなくて68飛が正解というのは珍しいケースでした。





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