名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(44);ダイレクト向い飛車のプロトタイプ

2016-01-24 | 大山将棋研究
昭和47年7月、内藤先生との第20回王座戦です。


内藤先生が手損で角を換えるのは、大山先生の振り飛車を避ける意味ですが

ダイレクト向い飛車です。現代のダイレクト向い飛車は後手から角を換えるので比べれば2手得です。ここで65角には74角43角成52金右のときに75歩は47角成で困ります。

内藤先生の36歩が早いので大山先生はとがめにいきます。でもこれはやらないほうがよかった。

軽く飛車を浮くのが好手で、35歩と打つしかないのでは失敗です。内藤先生の軽快な気風がうまく出ました。

2枚金で手堅くですが、71銀の働きが悪いので金美濃を目指すほうがよいと思います。

さらに43金で守りますが、後手玉が大分薄くなりました。

歩を取るよ、という75銀に45歩で開戦ですが、ここは我慢するしかなかったかと思います。

さらに24歩と頑張った攻め方ですが

36歩に23歩成がカウンターで決まりました。

飛車交換はできず、馬も作られます。

62角で26歩を睨まれますが、22歩が入り、先手で馬を逃げられます。

桂馬も軽くさばかれました。内藤先生の攻めは好調です。

飛車角交換の後、2枚の歩を飛車で払います。

端に手を付けてこれは内藤先生の完勝かと思いましたが、ここで63金は思いつきません。

玉の懐を広げて馬を引いて、大分盛り返しました。

でもこの桂馬が痛い。

大山先生から攻め手がなく、寄せてくれの75歩に74香です。

これで投了図。


序盤のダイレクト向い飛車に(今だから)驚きます。後手から交換しても成立するというのが佐藤康光先生の発見です。
そのあとはさすがに大山先生でも角交換振り飛車の経験は少なく、うまい指し方ではありませんでした。内藤先生の軽い動きが印象的です。先手陣は最後まで金銀バラバラですがうまく働いていました。
終盤の端攻めに対する大山先生の63金には感心しました。馬を引くのも大山先生らしい指し方です。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:内藤8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2二角成(88)
4 同 銀(31)
5 8八銀(79)
6 3三銀(22)
7 2六歩(27)
8 2二飛(82)
9 3八銀(39)
10 5二金(41)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 3六歩(37)
16 4四銀(33)
17 2五歩(26)
18 3五歩(34)
19 2六飛(28)
20 3六歩(35)
21 同 飛(26)
22 3五歩打
23 2六飛(36)
24 3三銀(44)
25 6八金(69)
26 4四歩(43)
27 7七銀(88)
28 3四銀(33)
29 6六銀(77)
30 6二金(61)
31 1六歩(17)
32 9四歩(93)
33 9六歩(97)
34 3三桂(21)
35 3七桂(29)
36 4三金(52)
37 1五歩(16)
38 8二玉(72)
39 4六歩(47)
40 6四歩(63)
41 4七銀(38)
42 7二金(62)
43 7五銀(66)
44 4五歩(44)
45 7七桂(89)
46 2四歩(23)
47 同 歩(25)
48 4六歩(45)
49 5六銀(47)
50 3六歩(35)
51 2三歩成(24)
52 同 銀(34)
53 4四歩打
54 同 金(43)
55 3一角打
56 2一飛(22)
57 5三角成(31)
58 6二角打
59 2二歩打
60 同 飛(21)
61 3一馬(53)
62 2一歩打
63 2五桂(37)
64 3二銀(23)
65 2二馬(31)
66 同 歩(21)
67 3三桂成(25)
68 同 銀(32)
69 3六飛(26)
70 3二歩打
71 4六飛(36)
72 2八角打
73 1六飛(46)
74 3七角成(28)
75 9五歩(96)
76 6三金(72)
77 3一飛打
78 2七馬(37)
79 4六飛(16)
80 7四歩(73)
81 8六銀(75)
82 5四馬(27)
83 9四歩(95)
84 9二歩打
85 6六桂打
86 4三馬(54)
87 8五銀(86)
88 7二玉(82)
89 1一飛成(31)
90 7五歩(74)
91 7四香打
92 7三桂打
93 同 香成(74)
94 同 金(63)
95 5五桂打
96 5三馬(43)
97 7五歩(76)
98 投了
まで97手で先手の勝ち

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