今日の棋譜20201127
昭和29年4月、升田幸三先生と第13期名人戦第1局です。
大山先生の先手で矢倉です。
5筋を突き合う(今では)普通の駒組で
大山先生のほうが雀刺しを採用します。
でも53銀に対して46歩ではおとなしいです。(4筋の位を取らせたくなかったということなのでしょう。)
升田先生は銀で7筋の歩を交換します。
互いに矢倉に入ってどうするか。後手としては73銀~74銀~64角~73桂というのが理想形ですが、この当時には広まってはいません。(多分84角の形で64歩~65歩が理想形というほうは知られていた。)今風ならば73桂~85桂86銀75歩同歩同銀を考えるか。これは灘蓮照先生が得意にしていたのですが、まだ先の話でしょう。
94歩96歩85歩
37桂に75歩同歩同銀76歩84銀。矢倉に対しての棒銀戦法も升田先生が考えたのでしょうか。銀を繰り替える手筋がこの時期にあったとは驚きです。これで95歩同歩同銀と攻めれば続くでしょうから
大山先生が先攻します。香を交換するのは先手の得ですから普通は13歩の受けですが、慎重に12歩もあったのではないかと。
45歩を突かれて取れず、24銀の先受けでは、ちょっと後手が失敗している感じがします。
46角に73歩というのもつまらない感じです。端を攻めるつもりなので92飛とするか、角をぶつけるつもりで73銀と受けるか。
大山先生は4筋の位を取り
55歩は同歩同角となれば先手よしです。升田先生は15香を取ります。
54歩同銀56銀は、55銀のぶつけを見ているので51香の受け。駒得なので自陣に打っても悪くないです。
大山先生は5筋6筋にも位を取りました。さて升田先生はどうするか。端攻めは44や54に渡した駒を打たれそうなので指しにくいか。
26銀(27銀不成~36銀成ねらい)16飛15銀、1歩かすめ取って
18飛のところで24銀とか43金寄とか、有効そうな手があるのですが、そのあとを攻めにくいと見たのでしょう。ここから26銀16飛15銀18飛を繰り返して千日手に終わりました。
端攻めをねらう矢倉が登場して、端歩を受けるかどうかだけでも悩ましい時代がやって来つつあります。それは多分に升田先生の功績です。
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# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/04/12
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 7八金(69)
10 3二金(41)
11 2六歩(27)
12 4一玉(51)
13 6九玉(59)
14 5二金(61)
15 5八金(49)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 4四歩(43)
19 1六歩(17)
20 1四歩(13)
21 7九角(88)
22 4三金(52)
23 3六歩(37)
24 3三銀(42)
25 1七香(19)
26 3一角(22)
27 1八飛(28)
28 5三銀(62)
29 4六歩(47)
30 7四歩(73)
31 6六歩(67)
32 6四銀(53)
33 6七金(58)
34 7五歩(74)
35 同 歩(76)
36 同 銀(64)
37 7六歩打
38 6四銀(75)
39 4七銀(48)
40 4二角(31)
41 6八角(79)
42 3一玉(41)
43 7九玉(69)
44 2二玉(31)
45 8八玉(79)
46 9四歩(93)
47 9六歩(97)
48 8五歩(84)
49 3七桂(29)
50 7五歩打
51 同 歩(76)
52 同 銀(64)
53 7六歩打
54 8四銀(75)
55 1五歩(16)
56 同 歩(14)
57 同 香(17)
58 1三歩打
59 4五歩(46)
60 2四銀(33)
61 4六角(68)
62 7三歩打
63 4四歩(45)
64 同 金(43)
65 4五歩打
66 4三金(44)
67 5五歩(56)
68 1五銀(24)
69 5四歩(55)
70 同 金(43)
71 5六銀(47)
72 5一香打
73 5五歩打
74 5三金(54)
75 6五歩(66)
76 2六銀(15)
77 1六飛(18)
78 1五銀(26)
79 1八飛(16)
80 2六銀(15)
81 1六飛(18)
82 1五銀(26)
83 1八飛(16)
84 2六銀(15)
85 1六飛(18)
86 1五銀(26)
87 1八飛(16)
88 千日手
まで87手で千日手
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