木屋太二さんの「超阪田流角命戦法」は阪田流向い飛車の発展形です。古い本 (1999年出版) なので、もう誰も指さないだろうと思っていたら、昨年愛岐会最終日に行ったら、使い手に出会ったので紹介します。私も昔指したことはあります。なので今になって逆を持つとは思いませんでした。
後手は阪田流向い飛車を明示してから、玉を囲います。
2筋には目を向けず、43銀型を作り
金を引いて桂を跳ねます。なんだただの1手損で力戦振り飛車か、ということになるのですが。37桂21飛58金右
ここで作戦が岐れるのですが、74歩66歩82角
これが急戦編として解説されています。29飛54銀68金上62金67金直 (これは解説用の甘い手) 41飛(これで2手損)
24歩同歩同飛23歩29飛45歩、取ればまずそうなので35歩
46歩38銀47歩成
47同金に37角成同金48飛成 (王手になるから、前の67金直が悪い手になる) 68金45桂
ここまで来れば評価値は-326の後手有利です。
AIに対応策を聞いてみましょう。途中67金直とするところでは48金が正しいです。
桂にひもを付ける方が自然でしょう。41飛ならば24歩同歩同飛23歩34飛
これは後手が動きにくく、先手からは25桂や24歩がありますね。とすれば後手は23歩を打てず、45歩と攻めるのですが、
45同桂同桂34飛33歩24飛
この図の評価値は+227の先手ペースです。
ならば後手の飛は21のまま攻めたらどうか。
この図から45歩同桂同桂同歩同銀46歩
平凡に受けて、46同銀同銀同角65角
54銀74角41飛47歩55角56角
この図の評価値は+161の先手ペース。
さらに戻って
74歩には65角が良い手だそうです。
AIは筋違い角で1歩取るのは好まないのですが、そのあとの攻めがあれば別です。ツノ銀の形はこの筋の角打ちが好手になることも多いです。とりあえず43角成同金32銀の筋がありますね。54銀74角64角
後手はカウンターで反撃できれば良いのですが。でも先手は1歩の使いみちがあります。35歩同歩34歩
45桂にはあわてず、38飛37桂成同飛
この図の評価値は+361の先手有利です。
さて、私の実戦を紹介しましょうか。
後手は美濃囲いに囲ってから攻めるという工夫を見せました。これには29飛と待って、41飛24歩同歩同飛23歩29飛45歩同歩同桂49飛が良かったようです。私は47金41飛66銀
後手の64角をけん制した銀です。45歩同歩同桂と攻められたときに
46歩37桂成同金ならば問題なし。それを45同桂としたら46歩
この歩が取れないので不利になりました。以下は後手優勢になり、安全策はいろいろあったのですが、最終盤はこの図です。
74同歩55角に後手は73角の合わせが見えていなかったようで、桂を取らずに93玉75角
合駒を使うと53角成くらいで先手の勝ち筋。よって84歩でしたが、同角83玉82金
82同金同桂成同玉71銀83玉82金まで。私にしては珍しい、とん死で勝ちという将棋でした。
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