これは新しい、とは言っても昭和の終わりごろの話ですが、加藤一二三先生が考案した戦法です。
65歩急戦のような序盤で、後手が94歩を突きます。まずは先手が96歩と受けた場合です。53銀左47金75歩
これは途中で先手が47金とした場合に出現します。75歩のところを73桂88飛とすれば、昨日までに調べてきた65歩急戦に戻るところでした。だから47金とする意味はあるのです。さて仕掛けは75歩からで、75同歩95歩同歩86歩
3つの歩を突き捨てるのですが、その順番でも変化が変わります。この図で86角は明日検討しましょう。86同歩に95香同香76歩
この図の評価値は-252の後手良しです。角が逃げるのは後で。98飛77歩成同銀はすっきりした指し方ですが、67角の打ち込みがあります。
ここに角を打ちたいので、先手が47金とした場合にのみ出現します。青野先生の定跡本では99飛には78角成が良いとされているのですが、AIによると36香を打たれて
ちょっと面倒なようです。77馬34香42玉77桂86飛91香成33歩
この図の評価値は-345の後手有利ですが、はっきりしているとは言いにくいところです。
なので正しくは78角成ではなくて65歩だと。
92香成84飛81成香に94飛とぶつけます。
この図の評価値は-704のはっきりとした後手有利、すっきりと駒得しています。
というのがこの3歩突き捨て急戦のねらいです。
変化を後ろのほうから見ていくと
この図ではすでに後手有利ですが、92香成と88飛の変化があります。92香成には89角成が利いて、95飛83飛
81成香同飛(67馬でも良い)92飛成51飛
角と歩3の交換では先手の駒損がひどいです。後手有利で評価値は-543
戻って
88飛のほうは65歩がぴったりで、65同歩には76角成や72飛や89角成同飛77角成があります。69香には66歩
後手は角を取られても銀を取り返せるでしょう。角を取らずに57金には87歩で決まります。
もっと戻って
あっさり98飛と指していたところを、99角と逃げてみましょうか。86飛に88飛とぶつけます。
同飛成同角87飛79銀77歩成
77同桂に76歩と打てば自然な攻めが続きます。評価値では-600ほどの後手有利。
AIによると
この局面の最善手は88角のほうですが、86飛79銀87飛成65歩77歩成と進みます。
77同桂には76歩なので、同飛か同角か。77同飛同角成同角44銀
と進めば評価値は-278の後手良しです。
戻って
77同角のほうは、同角成同桂67角48飛76歩
この図の評価値は-307の後手有利です。
今日はここまでにしましょうか。後手にとって有力そうな攻め方だと確認できました。
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