名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(165); 石田流穴熊に位取り

2016-05-25 | 大山将棋研究
昭和49年7月、中原先生と第24期棋聖戦、多分挑戦者決定戦です。


珍しく中原先生の石田流です。

相振り飛車にはならないので、大山先生は4筋の位取りに。

位取りの圧力を避けるために中原先生は穴熊に。でもこの戦型、位取りのほうが玉が堅いと思うのです。名南将棋大会の級位者のほうでもよく振り飛車穴熊を見ますが、居飛車をもって対策がわからなければ、是非ご参考に。

74歩の交換を恐れないのが大山流です。交換して来れば6,7筋に金銀を盛り上げるのです。ここまで組めればまずまず。

中原先生は左銀を繰り出しますが、この歩が取れませんでした。取れば63銀とぶつけて67銀のねらいがあります。つまり48金左との組み合わせが悪かったわけですね。

結局銀は引き上げることになりました。

銀冠に組み替え。後は25歩を突いて玉頭の戦いに持ち込めれば。ちなみに後手が73桂と跳ねるのは危険です。1歩持っているだけでも大きいのです。

中原先生の4筋の歩交換に、金を上がるのが好手です。3,4筋での戦いは大山先生の勢力圏です。

中原先生が4筋に歩を合わせるのはやりたい手ではないのです。我慢しても先行きが見えないので仕方ないのでしょう。

大山先生は金交換で金を置いておきます。

57に行くのはそっぽですが、78銀と引くしかないならいいでしょう。

ここがハイライト。58同金は56飛から角を取ってさばこうということですね。

その前に36歩を突き捨てます。取れば47歩成56歩38歩49金28角成で寄ってしまいます。

で、36歩は取れず、57角に角を取らず3筋から穴熊をみだします。

取れば45桂がお代わりで利きます。

46歩を払ったので王手飛車

飛車がただ取りできるわけではないのですが、35銀(あるいは34桂)で取るのは手筋ですね。

急所に桂馬が打てて寄り筋に入りました。

歩打ちがピッタリです。玉を下段に落として歩で攻めれば効率が良いですね。

66角は攻防ですが、銀を捨てて歩を成り

もう一回歩を打ちます。清算するよりも厳しいです。

投了図。

うまく穴熊を退治しました。ぜひ後手のほうから見て、大山先生の指し回しを学んでください。
中原先生は反対のほうをもってうまく穴熊を攻略していたのですが、なぜか逆をもって指してみたくなったんですね、不思議です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原名人
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 5四歩(53)
7 7八飛(28)
8 6二銀(71)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 6八銀(79)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 4三銀(42)
17 6六歩(67)
18 4五歩(44)
19 6七銀(68)
20 5二金(61)
21 5八金(69)
22 1四歩(13)
23 1八香(19)
24 3五歩(34)
25 1九玉(28)
26 4四角(22)
27 2八銀(39)
28 3三桂(21)
29 3九金(49)
30 2二玉(32)
31 7六飛(78)
32 3二金(41)
33 7七桂(89)
34 8四歩(83)
35 9七角(88)
36 9四歩(93)
37 4八金(58)
38 1五歩(14)
39 5六銀(67)
40 8五歩(84)
41 6五銀(56)
42 6四歩(63)
43 5六銀(65)
44 8四飛(82)
45 3八金(48)
46 6三銀(62)
47 9八香(99)
48 2四歩(23)
49 6七銀(56)
50 7四歩(73)
51 同 歩(75)
52 同 銀(63)
53 7五歩打
54 6三銀(74)
55 5六歩(57)
56 3四銀(43)
57 7九角(97)
58 4三金(52)
59 5七角(79)
60 2三銀(34)
61 4六歩(47)
62 同 歩(45)
63 同 角(57)
64 3四金(43)
65 6五歩(66)
66 4五金(34)
67 5七角(46)
68 4六歩打
69 4七歩打
70 同 歩成(46)
71 同 金(38)
72 4六歩打
73 同 金(47)
74 同 金(45)
75 同 角(57)
76 4七金打
77 7九角(46)
78 4五桂(33)
79 4八歩打
80 5七金(47)
81 7八銀(67)
82 4六歩打
83 5五歩(56)
84 同 角(44)
85 5八歩打
86 3六歩(35)
87 5七角(79)
88 3七歩成(36)
89 同 桂(29)
90 3八歩打
91 2九金(39)
92 3七桂成(45)
93 4六角(57)
94 2八成桂(37)
95 同 玉(19)
96 4六角(55)
97 同 飛(76)
98 5五角打
99 5六金打
100 3五銀打
101 5五金(56)
102 4六銀(35)
103 4五金(55)
104 3六桂打
105 3八玉(28)
106 3七飛打
107 4九玉(38)
108 4七歩打
109 6六角打
110 5五銀(46)
111 同 金(45)
112 4八歩成(47)
113 同 角(66)
114 2七飛成(37)
115 3八金(29)
116 4七歩打
117 6六角(48)
118 5五歩(54)
119 同 角(66)
120 3三歩打
121 投了
まで120手で後手の勝ち






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大山将棋研究(164); 四間... | トップ | 20160526今日の一手<その331... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

大山将棋研究」カテゴリの最新記事