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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋問題集20190616

2019-06-16 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

これで指しやすくなっていきます。

A 24歩  B 34歩  C 45歩

 

第2問

 

これが現代感覚でした。

A 98香  B 87玉  C 98玉

 

第3問

 

あとはここの受け方だけです。

A 88金  B 88金打  C 59香

 

 


大山将棋研究(1283);中飛車に引き角棒銀(大内延介)

2019-06-16 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190616

昭和42年9月、大内延介先生と第8期王位戦第4局です。

大内先生はまたも中飛車です。

大山先生は急戦のようです。

引き角でした。

棒銀にして3筋の歩を交換します。

36銀型を作れば居飛車は満足です。

35歩を打たされても構いません。

矢倉が完成しました。

34歩と伸ばせて

銀が前に出て攻めやすくなりました。

大山先生は穴熊に組み替えました。

そういえば名人戦で升田先生の居飛車穴熊はいつだったかと調べたら、この翌年春のことでした。大昔の観戦記で「大山先生が矢倉から穴熊に組み替える構想を見せた」とあったのを覚えているのですが、この将棋だったのですね。最初に居飛車穴熊を指したのはだれだかわかりませんが、大山先生のほうが早かったと。

大内先生は攻めないといけないのですが13桂~25桂。

大山先生は香を取ってくれと13歩成。17桂不成同桂~25桂~33歩成が実現しれば良いですが、32香22と34香31と35香という勝負もあったでしょう。

金をぶつけたのですが

45歩と取る味が良いので居飛車有利でしょう。

47銀も重いです。大山先生は34飛でも良さそうですが

と金で飛を追い、ぶつけさせました。

攻めるほうは と金2枚を使っていけばよいので簡単です。

矢倉の形は銀で崩されるのですが

金をかわしておけばとりあえずは大丈夫です。

大内先生は桂香を取って

87香同金78銀、金取り詰めろで勝負です。

大山先生は88金打で打ち換えてただの詰めろにして

59香を打てば大丈夫です。

ここまで。

 

この将棋も大山先生の完勝です。序盤感覚に差がありました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/09/06
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:大内延介6段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 5四歩(53)
11 7八玉(68)
12 5二飛(82)
13 5六歩(57)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5八金(49)
18 7二玉(62)
19 6八銀(79)
20 6二銀(71)
21 3六歩(37)
22 4三銀(42)
23 1六歩(17)
24 8二玉(72)
25 7七銀(68)
26 7二金(61)
27 7九角(88)
28 2二飛(52)
29 3七銀(48)
30 6四歩(63)
31 3五歩(36)
32 同 歩(34)
33 同 角(79)
34 6三銀(62)
35 3六銀(37)
36 5一角(33)
37 6八角(35)
38 7四歩(73)
39 6六歩(67)
40 1四歩(13)
41 6七金(58)
42 3二飛(22)
43 3五歩打
44 5二金(41)
45 8八玉(78)
46 3一飛(32)
47 7八金(69)
48 3二飛(31)
49 8六歩(87)
50 8四歩(83)
51 3八飛(28)
52 5三金(52)
53 4六歩(47)
54 5二銀(43)
55 4八飛(38)
56 7三角(51)
57 1七香(19)
58 4二飛(32)
59 3四歩(35)
60 4三金(53)
61 3五銀(36)
62 3二飛(42)
63 3八飛(48)
64 3一飛(32)
65 3六飛(38)
66 6二角(73)
67 9八香(99)
68 5三角(62)
69 9九玉(88)
70 1三桂(21)
71 1五歩(16)
72 2五桂(13)
73 1四歩(15)
74 4五歩(44)
75 1三歩成(14)
76 4四金(43)
77 同 銀(35)
78 同 角(53)
79 4五歩(46)
80 6二角(44)
81 3三歩成(34)
82 4七銀打
83 2二と(13)
84 4一飛(31)
85 3二と(22)
86 4五飛(41)
87 4六歩打
88 3五飛(45)
89 同 飛(36)
90 同 角(62)
91 4二と(32)
92 4九飛打
93 5二と(42)
94 5八銀(47)
95 5七金(67)
96 6九銀(58)
97 8八金(78)
98 2九飛成(49)
99 4三と(33)
100 1七角成(35)
101 5三と(52)
102 8七香打
103 同 金(88)
104 7八銀(69)
105 8八金打
106 8七銀成(78)
107 同 金(88)
108 7八金打
109 5九香打
110 3九馬(17)
111 6三と(53)
112 5七馬(39)
113 7二と(63)
114 投了
まで113手で先手の勝ち

 

 


20190616今日の一手(その891);棒銀の攻め

2019-06-16 | 今日の一手

20190616今日の一手

 

5月1日の名南将棋大会から、NさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。後手の81飛も守備駒と思えばあまり差はないです。

先手の攻め駒は24銀は良いとして、28飛は使えそうですがまだ数えられません。1枚。

後手の攻め駒は53角が17に利いているけれど攻め駒ではないでしょう。0枚。

 

総合すれば互角か先手もちか。

 

☆ 大局観として

後手が14歩と突いたところなのですがあまり意味のなさそうな手です。先手は24銀まで進んでいるので攻めを継続できそうなのですが。攻めがあれば14歩が緩手でしたね、ということになります。

左翼のほうはこれ以上固めることを考えなくてもいいでしょう。(穴熊組換えも有効ではないです。)

 

 

△ 後手のねらいを見てみましょう。16歩と応じたら65歩

65同歩同桂66銀64歩15歩44角

14歩66角同金57銀

という攻め筋があります。(これが怖ければ先手の1筋攻めを中断して受ければ良いのです。)後手が64歩を打っていないと65金68銀成同飛でだめです。ここでは67金引68銀成同金寄

これは駒の損得なしです。27歩同飛38角から馬を作られても

65桂を取れるから先手が悪くはないです。玉の囲いが乱れて嫌だと思えば避けます。

 

後手としては66角の前に75歩を突き捨てて

75同歩77歩同桂86歩同歩66角同金86飛

十字飛車を決めれば優勢です。

 

ただ75歩に55歩

55同歩35銀53角75銀

玉頭の歩ですから後手が指しすぎでしょう。

つまり何もしなくても先手が悪いということではありません。

 

 

× 攻めるならば自然な手から考えるべきですが、23銀成では

27歩同飛26歩37飛23金

飛車を成りこめなくて銀損ではひどいです。

 

 

○ でも23銀不成ならば

27歩同飛26歩の時に32銀不成27歩成43銀成とできます。

二枚換えの駒得です。ただ後手は右玉だということは考慮しなくてはならないのですが、26角24角

42角成から攻められるので優勢です。

 

ということは後手は23銀不成に42金くらいです。

ここでもいろいろな手があって悩みますが、22銀不成33桂24歩27歩38飛

と金つくりをねらうのが良さそうです。

 

 

○か△ 37桂と跳ねれば

攻め駒が増えます。36歩45桂というのは角当たりで歓迎なのです。33桂は同銀成同金45桂ですから、後手の受けとしては34銀(44銀は23銀不成などがある)、これに35歩36歩34歩37歩成25飛

とするのも悪くありませんし、

 

35歩ではなく36歩と打っておくのも

落ち着いた手です。23歩ならば35銀同銀45桂

44角35角同角同歩

というのは右桂を使えているので先手十分です。

 

45桂の時に44銀と引いて

53桂成同銀で二枚換えの駒損、というほうが難しくて互角くらいです。

 

 

△ 22歩を打てば

22同金は利かしです。でも33銀成では同金22飛成58銀

矢倉の嫌味を突かれて難局です。

 

銀を捨てずに今度こそ37桂とすれば

34銀には35銀がきれいに決まります。

後手としては37桂に27歩

飛車先を止めるのですが、27同飛26歩29飛37桂35歩36歩

ここでは飛の位置が違うので37歩成が甘いです。34歩37歩成33歩成

33同金同銀成同桂でも単に33同桂でも34歩から駒得をねらう指し方ができます。

 

また33歩成ではなく35角

さばいてしまうのでもよさそうです。

 

後手としては22歩同金の前に27歩を打って

27同飛26歩28飛(29飛とできない)22金37桂34銀36歩

これで互角の戦いです。

 

 

○ 23歩と垂らすと

65歩同歩同桂66銀64歩35銀34歩22歩成

銀を引いてから22歩成というのが先手のねらいです。

 

後手は23歩に26歩

35銀34歩26銀33桂37銀

駒組のやり直しみたいになるのですが、21飛36銀44銀37桂

先手のほうが形が良くなります。これならば少々の無理が利くもので、35歩には45銀同桂同桂同銀22歩成同金33桂

銀を捨てても駒を取り返すことができます。

 

 

△ 33歩は

33同桂同銀成同金22飛成32金

竜を引いて少し駒得かもしれませんが、29桂が残っているので形勢互角です。

 

 

△か× 35銀と引く方が筋が良さそうですが

34歩26銀33桂

先ほどと似ているようでも少し形が違います。後手の持ち歩が先手の23歩になっていました。この図は後手ペースです。

 

△ 35歩を打てば

互いの角筋が止まることになります。44角23銀不成42金22歩13桂14銀不成25歩

これくらいで互角です。

 

後手から65歩と攻められると

65同歩同桂66銀64歩23銀不成44角32銀不成同銀

これも難しいです。

 

 

× 46歩は

46同歩同角47歩

4筋の歩が切れると後手のほうに手段が多くなります。

 

 

△ 35角とさばくと

35同角同銀で

角を交換したのは互角、24銀を引けたのは少し先手の得、でも後手番です。おとなしく23歩か、27歩同飛38角28飛47角成44歩52銀23角

という攻防もありそうです。

 

 

△ 実戦は25飛

後手からの27歩~26歩を避けました。でもこの位置はすぐに当たりになります。34銀28飛46歩同歩26歩

38飛35歩28飛までは互角ですが、25銀だったので37桂

桂を使えて先手が指しやすくなったと思ったのですが、36銀(疑問手で、27歩成同飛36銀が正しい)に45歩としなかったのが失敗です。44角26飛と進めば

後手が歩切れですから十分でした。

 

45桂を跳ねずに26飛37銀成

桂を取られてちょっと失敗です。その後玉頭に手を付けられて

悪くなりました。この図に至る途中で、飛を引いたり角を逃げたりするのが甘い手でした。

 

☆ まとめ

問題図はいろいろな手が見えて悩ましいかもしれません。基本的には自然な手を心がける(読む)べきです。

棒銀(か早繰り銀)で攻めたのですから、23銀成から。これがだめでも、23銀不成から二枚換えならば先手有利になります。

棒銀(や早繰り銀)では攻め駒が3枚のままなので、右桂か右香も攻め駒にしたいです。37桂と使えないかと考えるのも良い手です。

あとは利かしとして22歩、23歩、33歩が有効であるかどうかを確かめれば満点です。