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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

将棋の上達法則(4)

2015-04-30 | 将棋上達法則
さて、ベイビーステップに戻って、主人公は高校1年男子でテニスを体力づくりのためにはじめ、遅く始めたハンディを克服し、プロを目指します。
彼の強みは動体視力の良さ。子供のころから父の帰りを待つのに動いている電車をみて鍛えたという話、「頑張れ元気」を思い出しますね(子供のころに見たボクシングアニメです)。
学校では優等生で、特にノートを克明にわかりやすくとるのを習慣としていて、テニスでもしっかりボールや相手の動きを見て、毎試合の一打一打を休憩の合間にノートにつけるのです。
テニスはコート使用料とかコーチ代とかお金がかかることもあり、両親を説得するためにも具体的な目標と期日を示して了解を得るあたり、ビジネスマンとしても成功しそうですが。
彼の行動というか作者の設定の良さが将棋の上達法を考えるうえでもとても勉強になります。

まずはあなたの目標を決めましょう。主人公は全くの素人で無料体験から初めて、ヒロインの姿を見てプロを考えます。途中で(できれば上に)変更してもかまいません。ですが、目標は具体的で、さらに期日が決まっているほうがしっかりイメージできますね。

あなたは60の手習いでもないけれど時間とお金に余裕のある方で、たまには強いところを見せて勝ちたいなあと思っています。さあ、もっと具体的に。勝ちたい相手はどれくらい強いですか?初段くらいの棋力があればいいのでしょうか?いつまでに勝てるようになりたいですか?今すぐ?1年後?

あなたは大学で将棋部に入っていて、レギュラーになりたい。ではどれくらいのレベルのチームですか?目標とする人は個人戦上位に入るみたい、2,3段だからあなたも3段を目標にしますか?それは1年後とすれば、次の大会までに初段くらいの力があればメンバーに選抜されますか?


あるいは、自分の子供に将棋を教えていて、息子をプロにして稼がせようともくろんでいるかもしれませんが、この場合はしっかり息子さんの希望を聞いてください。直接聞いても言外に圧力を与えて高い目標など引き出さないでください。あくまでもやりたいことがなにか聞くだけです。うまくいかなくても息子さんのせいではないこと、サッカー選手になりたいならできるだけ応援するし、やりたくないことをやる必要はないけれど、得意なことを見つけてほしくて、それを生かしてほしいだけだよ。と言ってあげてください。親は立場が強いので強制してしまいがちですが、ほとんどは悪いほうに進みます。あとでお前は頭が悪いからと文句を言ってもお互いにつまらない人生ですよ。
(勝手な妄想ですみません。でもコントロールできるのは自分の行動だけです。)

さて、目標ができたら次です。

将棋の上達法則(3)

2015-04-29 | 将棋上達法則
昨日の記事で、米長先生の本に
*勉強法は自分で考える。そのやり方で精進する。
というのがありました。これに関連して考えます。

NHKのアニメでベイビーステップというものがあります。見ている方いらっしゃいますか? 日曜17;30 Eテレです。テニスのアニメですが、上達方法を考えるのにヒントがいっぱいあります。つい興味深くて複数回見て考えています。

私はマンガが苦手です。多分思い込みのせいですが、子供のころ友人にマンガを借りて読むと頭が痛くなったので、マンガは片手で数えるほどしか買ったことがありません。小説は好きですが、すぐに別のことを考えるので読むのが遅く、飛ばし読みには意味がないので多くは読みません。映画やアニメは時々見ますがほぼ何かしながらです。というように、単純な楽しみでも好き嫌い得手不得手に個性があります。
小説、ライトノベル、マンガ、アニメ(このほかに物語、戯曲、演劇、実写映画ドラマ、ノベライズ、オーディオ本などを入れなければいけないかも)の順で想像力が必要でなくなるので多くの人に楽しまれるのだと思いますが、逆に想像力を鍛えるなら小説のほうがいいでしょう。でも苦手なことは続けにくいです。アニメを多く見て自分なりに考えれば想像力が鍛えられるかもしれません。反面嫌いな本でも続けて読むことで得意になり好きになっていくかもしれません。あるいは自分で書いてみることで別の世界が見えるかもしれません。

類推すれば、万人がどんどん向上する将棋の勉強法はない。自分の個性にあったものを探せばいいし、それを続けて上達すればよい、といえます。人に押し付けられたら嫌いになるという方も多いでしょうし、自分で選んだということで、よりひいき目で見るものなので続けやすいかもしれません。

まあそんなこと言われたらこれで結論がでて終了、になってしまうのですが、「自分の個性に合ったもの」とは何か、考えていきたいと思います。詰将棋や棋譜並べでも、自分の個性を知り、それを意識すると別の勉強方法になります。新しい方法改善を思いつくかもしれませんね。

将棋の上達法則(2)

2015-04-28 | 将棋上達法則
ブログ記事を書いたら人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ (ノン・ポシェット)が見つかりました。本当に偶然出てきてびっくりしました。セレンディピティというか引き寄せというか。文庫本もあって、こっちはまだ新品が入手できるようですね。私のは昔の新書の方です。とても良い本ですので一度読んでみてください。
昭和57年初版で、私が買ったのは58年のはず。実家の火事でなくしてしまい、平成7年発行を買いなおしていますが、ないものだと思い込んでいました。読むと10000時間の法則という言葉は出てきませんでした。偶然に10000時間の法則にのっとっていたということですか。勉強時間の数字が挙げられたのは、棋士米長邦雄名言集 人生に勝つためにからです。
まあそんな経緯はどうでもいいのですが、せっかく出てきたので勉強法に関する記述を箇条書きにしてみます。(そのままの引用ではありません)

*本当にしたいことは必死になって始めてしまう。
*勉強法は自分で考える。そのやり方で精進する。
*詰将棋と次の一手(新聞の将棋欄から)を必死に考える。
*仲間内で少額の「真剣」を指した。(かけ将棋の事)
*局面を覚えこんで集中して考えた。
*高校からは内弟子をやめて時間ができたので棋譜並べをした。
*自分で考える。定跡も疑ってかかり自分のものにする。
*長編詰将棋を解く。充足感が得られる。
*集中する。集中できる時間を伸ばしていく。
*早指し能力が才能のバロメーター
*早く指して内容を分析する。ミスを反省する。
*第一感を磨いた後で、それが正しいかどうかを時間をかけて検証する。
*つらくても苦労しないと成長しない。
*プロの場合、苦手や弱点をなくす。


新聞の次の一手だけでも1年続けて考えれば角1枚強くなると書かれていますので、ブログの今日の一手をぜひ考えてみてください。新聞より詳しい解説をしたいと思います。解けたよ、との書き込みも歓迎です。間違いがあればぜひご指摘ください。頑張って毎日更新します。

将棋の上達法則(1)

2015-04-27 | 将棋上達法則
将棋の上達方法について考察します。若いころは具体的に考えなかったのですが、この頃気が付いたことが多く、連載で考えたいと思います。昔の自分に教えてあげたい!


プロになるためには

私が高校生になったころ、米長先生の本(人間における勝負の研究)を読みました。大人になってビジネス書を読んで、これは10000時間の法則を言っていたのかと気が付きました(書いてあったかもしれませんが今手元にありません)。トッププロになるために必要な訓練時間の経験則です。

米長先生いわく、「兄は頭が悪いから東大に行った。」これはのちに芹沢先生が言った言葉とも聞きますが。
兄の泰氏は、高校3年間、昼は眠って夜中に勉強しました。そして東京大学に進みます。
2.5年×365日/年×7時間/日=6387.5時間
弟の邦雄氏は奨励会6年で主に難解な長編詰将棋を考え続けて読む力をつけてプロ棋士になりました。苦しい訓練は5時間が限界とも。
6年×365日/年×5時間/日=10950時間

今の奨励会は競争が厳しくて、この10000時間をかけないと四段にはなれないくらいです。将棋が好きで奨励会に入るくらいの才能があっても、努力しないと先には進めません。同じくらいの才能を持つライバルと競争し、その中で8割近く勝てないと昇級昇段しないのですから厳しすぎます。負け出すと努力が続かなくて脱落していくのでしょうね。

さて私はといえば、棋歴38年毎日1時間やっていれば10000時間に届くのですが、遊びで指した時間を計算しても意味がありません。しっかり訓練した時間がどれだけあるかが問題です。でも10年前の棋譜を取り出して並べると、今より弱いことがよくわかるので、何歳になっても訓練すれば向上するのだと思っています。

自分のやってきた努力を確認できれば自信になります。