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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

フフフの歩

2015-11-18 | 将棋本 断捨離
フフフの歩 (講談社文庫)
単行本は1997年出版、さらに付け加えて2001年に文庫になった先崎先生の本です。

将棋世界の連載なので、一般向けで無い分だけ面白さが増えています。日記風のエッセイと切れ負け将棋で各地を回った企画が載っています。

メモ

甘いなら甘いまま天下を取ればいい。過去を悔やんでも進歩はない。これから頑張ればいいのだ。

攻めても勝ち、受けても勝ちの局面では方針を決めるのがいい。両方やらない。

小池重明の将棋について;接近戦に強い。駒が密着するのが好き。全局的な構想はお構いなしに部分部分を一つずつ片付けていく。終盤に悪手があるが、相手も魅入られたように悪手を返してしまう。勝つコツの認識が違う。

追いついたほうが追い抜く。逆転勝ちのコツは勢いとか流れとかの存在を信じて疑わない。

10秒将棋は集中力と反射神経だけの勝負になる。反射神経は棋士になったときが最高で、どんどん衰えていく。

芹沢先生は「感覚」という言葉をよく使った。僕らの世代は何より読みを重視した。

菊田裕司さんの将棋;相手の嫌がるところを攻めるという将棋のコツをよく知っている。勝負所で相手に手を渡すことができる。それも相手がいかにも悪手を指しそうな局面を作って手を渡すのである。

先崎学の浮いたり沈んだり

2015-11-17 | 将棋本 断捨離
先崎学の浮いたり沈んだり (文春文庫)
単行本は2002年出版、文庫は2004年出版、先崎先生の本です。

週刊文春に連載のコラムをまとめたものです。こういうエッセイを毎週かけるところがすごいです。プロ将棋の世界を知らない人のほうが面白く読めると思います。

メモ

奨励会で少し腐っていたころの先崎少年が森雞二先生の棋譜を並べることでよみがえった、という記事。河口先生の本にもありました。
終盤の魔術師とも呼ばれた森さんの悪力ともいうべき力強さにノックアウトされたのだ。
終盤は力強く、華麗で、なにより執念に満ち溢れていた。
存外ていねいに受ける将棋だということに驚かされた。あの逆転勝ちの裏側にある根本を私は理解した。

(時間攻めで逆転して)五分の難しい終盤なのだから、きっちり読み切ればよかったのだ。

勝負事を争うには余裕が大事である。90の力があって、85を出せれば勝てると思うのがよいので、そうすると時に95の力が出たりするのである。

大山先生は勝ち将棋になると慎重だった。盤をなめまわすように読んでしっかりと勝った。



先崎学の実況番外戦

2015-11-16 | 将棋本 断捨離
先崎学の実況! 盤外戦 (講談社文庫)
2006年出版、先崎先生の本です。

第一部は書下ろし、第2部はパズル雑誌連載のコラム、第3部は森博嗣さんとの対談です。

森博嗣さんは推理小説作家もやっていた元大学助教授です。今アニメで「すべてがFになる」をやっていますね。少し前はドラマでも。この方は模型が趣味で、昔の日経パソコンに連載されていたので名前は存じておりますが、小説は読んだことがなく、ドラマは避けて、アニメは見ています。

先崎先生のエッセイはどれも面白く、いつも感心します。面白すぎてあまり棋力向上にはつながらないのですが、対談からのメモです。この対談も面白いです。

精神状態がおかしくなると必ず指し手がおかしくなる。悪手が出やすくなる。それが勝ち負けにつながる。

前例ばかり調べていても強くならない。基礎体力が付かない。

盤の前に向かうのになれている人はネットではあまり思考できない。小さいころからネットでしかやっていない人はネット将棋で強くなる。

将棋やっているときも実は論理的なことはほとんど考えていない。
相手の着手を否定するもの、攻撃するものを探している。何か隙はないか、相手の見落としはないかを常に考えている。自分の見落としも。


歩を金にする法

2015-11-15 | 将棋本 断捨離

歩を金にする法 (小学館文庫)
1963年に単行本、2002年に文庫本が出版されました。升田先生の本です。

ライター、というか聞き手がうまいので、いろいろなテーマについて升田先生の意見がきけます。

メモ

ぼくなどは中盤戦が実に短い。序盤に中盤を越えた考え方をする。中盤を長引かせることがいいとは思っていないからだ。中盤が長引くのをちっとも苦にしないのはたいしたヤツだと思う。こういう人には地力がある。

練習の力量が本番で出ないのは勝負にとらわれ過ぎるからだ。本番で力が出ないのは弱いのである。

若手は早く結論を出したがるのが共通点。そこがいいところでもあるが、あわてすぎる欠点ともなる。ここはひとつ相手にやらせてみようというところがない。むしろ相手にやらせまいとする。若い人は読み派一本深く通っているが、幅がない。だからそこをとがめられて崩れ去ることがある。

未熟な世界ほど我が強くなるのだから面白い。アマチュアに天狗が多いのもその一つの表れかもしれない。賀の強いものは独創手にないい手を発見することが多い。我があり、負けず嫌いがあり、そのうえに道理に目を開かなければいけない。

得意のためにおぼれて負けることが玄人素人を問わず多い。しかも得意の手に入った瞬間にやられることが多い。しめたと思った瞬間に気が緩み、冷静を欠くのであろうか。
また、自分の得意の態勢に完全に持ち込んでしまうとかえって手が出にくい場合がある。この態勢を壊すまいとして気がひるむのである。だから万事、完全体勢に持ち込む一歩前がいいと知るべきかもしれない。

強い時には気も強い。いきおい気が勝って理詰めを忘れがちになる。そこに逆転の気配が生まれ、勝局変じてたちまち敗者となる。

アマとプロの違いの一番のかなめは根性の有無だと思う。

大丈夫と思っても発車する前に一応よく点検しておく必要がある。負けるはずがないのに結果として負けているのは第一歩が間違っていたのだ。こういうことはたくさんある。そういう間違いを見破り、見分ける人は実力者である。力のある人でないと気づかない。

苦労しないと体で知るようにはならない。楽をしていたのではだめだ。不可能と思うような段階を何べんもくぐらないと体で知るようにはならない。苦労を積んでいるといざというときぱっとでるようになる。

いつでも勝敗というものは自分にある。自分の心にあるとかんじている。

(自分が)有利な条件ばかり判断していった場合必ず失敗する。だから最悪状態を見て一番悪い方からもいった方が確実性がある。

臆病だから常に警戒する。手を入れて点検する。過ちが少ない。


升田幸三物語

2015-11-14 | 将棋本 断捨離
升田幸三物語 (角川文庫)
2003年出版、東公平さん(観戦記者)の本です。

物語というより、升田先生の伝記です。棋譜も51局載っているのですが、全局集があればいらないですか。エピソードは面白いのですが、まあ伝記です。興味のある方だけ。

メモ

心を集中する習慣が身につくといっぺんに2つの仕事ができるようになる。(雑用しながら将棋を考えられた)

将棋の勉強には、まず自分の指した将棋を入念に調べることだと思う。今までのやり方を調べて、自分の良いところはあくまで助長させる、進展させる。悪いところは惜しみなく捨て去ってしまう。

かつては升田が幽鬼のごとき形相で大山に迫っていった対局もあったが、意外なほど堅さがほぐれている。勝負師というものは年齢を重ねてくると、こういう心境に行きつくのかもしれない。毛筋ほどの心の動きが勝敗を左右する分かれ目になることを幾度か知らされて自分に勝つこと制すること、迷わぬことができるようになる。神技に対して限界を知ったとき、勝負師は運命論者になる。(金子先生の観戦記)




王手

2015-11-13 | 将棋本 断捨離
王手 (中公文庫)
単行本は1975年出版、文庫は2003年出版、升田先生の本です。

昨日の勝負と同じで、これも面白いです。かぶる話は少ないし、両方読みましょう。

メモ

子供のころからすべてに優れているというのは駄目、一つだけに打ち込むほうがいい。

基本を徹底的に学び、そして基本を出て、最後はその人の心になる。

過ぎたるは猶及ばざるが如し、常に二の矢を継げるようにしておく。

欠点の多い駒をその目的に沿わせて働かせる、総合利益に参加させる。チームワーク。

体力が無くなったので攻め将棋、急戦を好むようになった。

受けというのは攻めを含んだ受けで無いといけない。

大山将棋は遊び駒を作らない。粘る。

相手が息を吐くときは隙ができる。

勝負

2015-11-12 | 将棋本 断捨離
勝負 (1970年)
1970年出版、升田先生の本です。

大阪新聞という地方紙に連載されていた、升田先生の話(を記者がまとめたもの)です。2002年には文庫になっていますし、古本屋で見つけたら読んでみてください。
升田先生の話は面白いです。エピソードが豊富ですし、交際範囲も広いので話題に事欠きません。文章は書いていないと思うのですが(あればライターによるもの)、話がうまいです。

メモ

ひらめきには蓄積が必要

若い時は得意な形を研究しておく。一つだけでいい。

自然体ですすめる。全体構成は修正しながら臨機応変で。

臆病は注意心や謙虚さにつなげられる。自分を過信しないからいいのだろう。

腹を立てたら負ける。大ばら(大墳)はたててよい。

スランプには負けてもいいから地味な四つ相撲。体当たり。

ポカは健康でないときにやる

謙虚になる。わからないから努力する。発見する。進歩がある。





集中力

2015-11-11 | 将棋本 断捨離
集中力 (角川oneテーマ21 (C-3))
2000年出版、谷川先生の本です。

まあどれか1冊読めばいいです。

メモ

集中力は持って生まれた才能とは違う。好きなことに夢中になれるという誰もが子供のころから持っているものなのである。

努力によって自分の力を最大限にまで高め、その限界を乗り越えようとするときにはじめて才能が必要になる。

最初の気持ちをずっと持ち続けられることと一つのことを努力し続けることを苦にしないことが最も大事な才能である。


タイトルの集中力、そういう特別なものはありません。自分の得意な能力を使うことは楽しいのです。充実感があるでしょう。できることは
①得意な能力を知ること。それは楽しいかどうかでわかります。
②楽しいという気持ちの継続。結果を目標にすると逃げたくなりますから、楽しく続けることを目標にします。
③もっと能力を向上させること。どうしたらいいかは自問すれば見えてきます。

楽しくないことを継続することができるという集中力というものはありません。幻想です。嫌なことに思えても、なにか工夫することで楽しくなるかもしれません。報酬や他者評価で決まることでもありません。自分のある能力を活用できているか、つまりそれが楽しいかどうかで決まることだと思っています。

四十歳までに何を学び、どう生かすか

2015-11-10 | 将棋本 断捨離
四十歳までに何を学び、どう生かすか
2003年出版、谷川先生の本です。

40歳で王位を取った、と当時は話題だったのですが、今の羽生世代は当たり前のように取ってしまって驚きませんね。
羽生先生なら、対談でも人生訓みたいな本でも、将棋の言葉で語るので逆に普遍性が出てくるのですが、谷川先生は自分の専門ではないことにも言及してしまうので、少しいやです。パソコンのたとえがずれているし、ビジネスのところもニュースとかからの推測ばかりで書いてしまうのです。これが米長先生のレベルまで行くと、将棋以外のことでもすっきりとした将棋の比喩で答えてしまうので面白いのですが。
谷川先生のビジネス本は1冊読めばあとは読まなくてもいいです。ごめんなさい。自分の得意分野(将棋)で勝負してください。将棋の言葉で語ってください。ビジネスに応用するなんて、読んでいれば読者が考えます。ビジネスのある分野でのプロなんですから。

メモしておくことは

研究は必要だけれど、自分の足で歩くための下準備に過ぎない。


勝負運の法則/ツキと実力の法則

2015-11-09 | 将棋本 断捨離
勝負運の法則―「ツキ」と「実力」の関係
「ツキ」と「実力」の法則 (PHP文庫)
単行本は2002年、文庫は2005年出版、谷川先生と谷岡一郎先生(犯罪学 ギャンブル社会学 社会調査論の教授)の対談です。単行本を買って、読んでいるのに文庫本も買ってしまい、積読になっていて気が付きませんでした。どうでもいいですが、文庫の表紙のイラスト人物は誰でしょうか?

谷岡先生はギャンブルを学問的に研究されていて、この本も買いました。
ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)
ギャンブルが好きな方はぜひお読みください。

いくつかメモしておきます。

若い人は運に恵まれているという考え方が一般的なのか? これは記憶の美化、印象記憶のせい。

負けたら敗因分析をすれば未来につながっていく。

本当のギャンブラーはラッキーが起こっても確率的にあることだからと思い、過信しない。

今の棋士は優勢な将棋を勝ち切る技術はあるが、苦しい将棋を粘って逆転する技術が上がっていない。

昔は個性があれば弱点はカバーできるという考えが通用していたが、今は長所は必要だが弱点はできるだけカバーできないといけない。技術水準と情報量による。

将棋のようなゲーム(完全情報)ではツキとは実力を発揮できる状態にまでもっていくこと。努力と気持ちの持ちよう。

カンとは突き詰めればどこかに論理的な必然性がある。蓄積された経験すべてが瞬時に生かされている。本を読んだり、疑問をすぐに解決する努力を重ねている人に身につく。

攻めるなら、相手が攻めてくる1手前に攻める。受けるには相手が攻めてくる一歩手前で受ける。その状態で攻めさせるように持っていく。

光速の寄せは詰将棋創作と同じ逆算。


谷川先生の本ではこの対談が一番面白いです。