68玉には別の問題もあります。33角と打たれたときに

受け方が悩ましいのです。77桂74歩78銀82銀86歩73銀87銀64銀78金72飛

桂頭をねらわれて先手不満とされていて、評価値は-104です。
AIに聞くと、

77桂74歩78銀82銀58金右72飛66歩

1歩捨てて受けるのだと。66同角67金33角26飛

これで評価値は+17の互角です。でも先手としてはつまりません。
また戻って

ならば角を合わせるのですが、77角には55歩78銀62銀48銀74歩58金右53銀66歩64銀67金75歩

7筋を攻められます。常用の受け方は75同歩72飛86歩75銀87銀76歩

88角42玉78金32玉77歩

これで7筋を受けて銀冠を再構築するのですが、

これくらいで一局とされていて、この図の評価値は-60です。
AIに聞くと、

75同歩72飛36歩75銀37銀

7筋の守りよりも、右銀を繰り出して3筋をねらう方が良いようです。76歩88角74飛46銀73桂56歩同歩58飛

74飛の横利きで守られたら5筋から反撃です。この図の評価値は+81
また

77角には同角成同桂74歩88銀72飛78金33銀

後手が振り飛車にこだわらなければ、こんな指し方もあります。この図の評価値は0付近の互角です。
また戻って

第3の受けは88角で、所司先生は55歩48銀31銀78玉42銀36歩53銀

後手は銀を繰り替えて中央位取りに移行し、先手は不満だと書いているのですが、ここは24歩同歩56歩があります。

56同歩は33角成同桂24飛ですし、44銀55歩同銀37桂

こういうのは先手に都合が良すぎます。
戻って

88角には32金 (42角とかわす準備) 33角成同銀78銀

これくらいが相場のようで、評価値は+128
33角には88角で対抗できるようです。
これで先手から角を交換する形は終わりです。「丸山ワクチン」が一番良さそうですが、ちょっと新しい指し方を覚えておきましょう。1手損するので、先手が指しやすくなるには時間がかかりますが。
後手としては中飛車のままだと32金を強いられて2筋の歩交換を許すのが不満です。向かい飛車に転じるのは53の空間が負担です。全般に先手玉のほうが堅くなりやすいのですが、居飛車穴熊を相手にするよりは気が楽だということはあるでしょう。