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第401回 トリヴィアな知識を楽しむ-2

2020-12-18 | エッセイ

 前回(第389回ー文末にリンクを貼っています)に引き続き、「超辞苑」(B.ハートストン/J.ドーソン 訳:本田成親/吉岡昌起 新曜社)をネタ元に、トリヴィアな話題の第2弾をお届けします。

<不思議な難破>
 1897年、アメリカの作家モーガン・ロバートソンは、短編小説「空虚」を出版しました。
イギリス船籍の豪華客船「タイタン号」が処女航海で、氷山に衝突し、沈没するという筋書きです。その15年後、「タイタニック号」の遭難、沈没事件が起きました。船名、事故の状況など符合する部分が多いことから、今でも、話題になります。

 1664年12月5日、北ウェールズのメナイ海峡で連絡船が沈没しました。81人の乗客のうち、助かったのは、「ヒュー・ウィリアムズ」という男ひとりだけです。
 1785年12月5日、同じ場所で、連絡船が沈没。60人の乗客のうち、助かったのは、またしても「ヒュー・ウィリアムズ」という男ひとりだけ。
 1860年12月5日、第3の沈没事故。助かったのは、またしても「ヒュー・ウィリアムズ」という男ひとりだけ。ただし、乗客は20人でした。
 海難事故に強い名前ってのがありそうです。

<珍発明>
  1781年、英国のジョージ1世は、マシンガン製造業者ジェームズ・パックルの特許申請を認可しました。トルコ人を撃つ時は四角の銃弾が出て、キリスト教徒の敵には、まるい銃弾がでるというもの。キリスト教徒への苦痛を少しでも減らす「配慮」のようですが・・・
 1860年は珍なる発明の当たり年だったようで、腕の短い人用に、円弧状に鍵盤を配置したピアノ、そしてヌーディスト用のポケット付きブーツが特許を取得しています。当時から、ヌーディストっていたんですね。
 1943年には、半透明の底を持つハンドバッグが中身の確認が容易とのことで、そして、1952年には、スパゲッティー用回転式フォークが特許を取っています。誰しも考えることは同じようで・・・・

<奇なる文学>
 1939年、アーネスト・ヴィンセント・ライトは、5万8000語からなる小説「ギャツビー」を出版したが、この小説には、アルファベットの " e "という文字が使われていない。
 1824年に出版されたホランド卿「イヴの伝説」では、母音(a,e.i,o,u)の中で、 " e "しか使われていない。
 これで、おあいこといったところでしょうか。

<辞世の言葉>
 有名人となると、辞世の言葉も(ホントかどうかは別にして)人柄を表すものが残されています。まずは、短く、適切なのが喜ばれる(?)ようです。
 「おやすみ」(バイロン)
 「これが死だとしたら、たいしたことではない」(リットン・ストレイチー)
 「ああ、神よ、死にます」(カトリーヌ・ド・メディチ)
 「ああ、本当に生きることに飽き飽きした」(ウィンストン・チャーチル)
 「白鳥の衣裳を用意して」(アンナ・パブロワ)

 往生際の悪いのも残されています。
 「あっちへ行ってろ。大丈夫だから」(H・G・ウェルズ)
 「死ぬのはたまらなく気の重いことだ。死とはいっさいかかわりを持たないように皆さんにはおすすめしたい」(サマーセット・モーム)
 
 中には、辞世を二つ残して、後世に議論させるオスカー・ワイルドのような例もあります。
 「生きていた時のように死んでいく・・・自らはなんらなすすべもないままに」
 「この壁紙がなくなるか、私のほうがいなくなるかのどちらかだ」

<壮大なる詐欺>
 アーサー・ファーガソンという男は、だますのが容易な旅行者相手に、歴史的記念物を売りつけるのを得意にしていました。こちらの人物です。


 1924年には、ビッグベンを1000ポンドで売りつけ、ネルソン提督の自筆手稿を6000ポンドで買いたいとの話を仲介し、果ては、バッキンガム宮殿を現金で売買する取り引きまで持ち出しています。まっ、だまされるほうも、だまされるほうですが。

 時代はうんとさかのぼって10世紀末。エリック・ザ・レッドと名乗るノルウェー人がいました。彼は、北極圏にある広大な不毛の地を「グリーン・ランド」(緑の大地)と名付け、スカンジナビア人の移住を仕掛けました。積み荷を満載した25隻の船を向かわせるのに成功し、かの島に人間の居住地を作った最初のヨーロッパ人となりました。本書のごとく「詐欺」といえるかは微妙ですね。

 前回(第389回)へのリンクは<こちら>です。もう少しネタがありますので、いずれ第3弾をお届けするつもりです。それでは次回をお楽しみに。

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