第44弾をお届けします。
先日、書店の英語実用書コーナーで、ある本の帯の宣伝コピーが目にとまりました。
X My job is an English teacher.(私の仕事は英語教師です)
→ ○ I teach English.(私は英語を教えています)
「英語は3語で伝わります」(中山裕木子 ダイヤモンド社)がそれで、通読して、なるほど!がいっぱいでした。後ほど、クイズ形式で、そのエッセンスを楽しんでいただくことにします。私なりに感じたこの本の優れた点は、次の2つです。
・まず第一に、「3語にこだわらない」ということです。
この種の本の中には、3語を絶対のシバリのようにして、素っ気なかったり、不自然だったり、子供っぽかったり、の例文が混在しているものも見かけます。本書は、コア(核)となる情報を「基本的に3語」で、コンパクトに伝える、のを主眼としていますので、最低限必要な冠詞、代名詞、形容詞、付加情報などが入って、3語で収まらない例文もあります。でも、本当の意味で、実用的かつ役立つ表現が身につく工夫です。
・第二に、「3語で語るための発想、コツをしっかり教えてくれる」ということです。
対応する英単語を探し、語順を整えて・・・という日本人的「英作文」をやっていると、3語「英会話」になりません。いかに英語的発想に切り替えるかのコツが、例文と合わせて、具体的に紹介されます。丸暗記ではなく、応用力がつく仕掛けです。
それでは、4つのコツをキーに、クイズ付きでお楽しみください。
<コツ その1>be動詞を使わない工夫
冒頭の宣伝コピーが格好の例です。be動詞を使わず、この例のように、「何をしているか」を表現すれば、その人が行っていることがダイナミックに、かつ、コンパクトに伝わります。
「I am a student of ○〇University .」(〇〇大学の学生です)ではなく、
「I study linguistics(言語学)at ○〇University.』と専攻分野も含めて表現すれば、学生の本分たる勉強に打ち込んでいる(らしい?)ことが、しっかり伝わります。それではクイズです。
「He is a leader of the project.」(彼はプロジェクトのリーダーだ)を3語英語にしてください。
→ 「He leads the project. 」と出来ましたか?力強くプロジェクトをリードしているのが目に見えるようですね。
<コツ その2>短く力強い能動態を使う
受動態(受身形)は主語が明確でない上、文が長くなりがちです。能動態を使いましょう。
「This product can be used for many applications.」(この製品は、多くの用途で使うことが可能です)→「This product has many applications.」のように。こういうhaveの使い方も身に付けたいですね。それではクイズです。
「Tax is included in the price.」(税金は、価格に含まれています)を、能動態にしてください。
→ 「The price includes tax.」な~んだ、「含まれる」という受身の日本語にとらわれなければ思いつく表現でした。
<コツ その3>条件節は、省略、または後ろに置く
「もし~なら」とか「~する時は」のような条件節は、日本語でも英語でも当然の前提として省略する手があります。英語だとコンパクトにするこんな工夫もあります。
「When you watch TV, I get irritated.』(あなたがTVを見ていると、私はイライラする」を、
「Your watching TV irritates me.」(君がTVを見ることが、私をイラつかせる)とするのです。
「Your watching TV」を主語にするというのがいかにも英語的。ここで、クイズです。
「If you have questions, you can ask now.」(もし質問があれば、訊いてください)をコンパクトにしてください。
→ 「You can ask questions now」
訊きたいことがある人にとっては、これだけで十分ですよね。
<コツ その4>notを使わず否定する
notを使うと文が長くなります。それを使わない工夫として、反対語を使うテクニックがあります。「I don't like English.」⇨「I dislike English.」(英語が嫌い)
「no +名詞」を使う手もあります。「I don't have any idea.」⇨「I have no idea.」(考えが浮かばない)のように。ここで最後のクイズです。「今朝は朝食を食べなかった」を「not」を使わず表現してください。
→ 「I skipped breakfast this morning.」朝食を抜いた、でよかったんですね。
いかがでしたか?ほんのサワリだけのご紹介でしたが、おススメの一冊です。関心をお持ちの方は、是非ご一読ください。それでは次回をお楽しみに。