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第288回 「定食屋」経営の夢

2018-10-05 | エッセイ

 俗にいう「定食屋」という商売に関心があります。

 あくまで私のイメージですけど、家庭料理風のおかず、そうですねぇ、目玉焼き、コロッケ、煮付け、納豆、冷奴、しらす和え、サラダのような一品ものが、台の上にずらっと並んでいたり、メニューに掲げてあったりします。お客は、その中から何品かを選び、それにご飯を付けて、手軽に「食事」を済ませます。夜だったら、缶ビールか缶チューハイを1本くらいつけてもいいんですけど、あくまで「食事」が中心です。

 大阪だと、この手の店がわりとあって、私も大阪に単身赴任していた時は、よくお世話になりました(居酒屋にもお世話にはなりましたけど)。東京でも時折見かけます。
 大きな規模でやる商売じゃないと思うんですが、やり方次第では、結構儲かるのではないかと考えています。店内はこんな感じでしょうか。



 ビジネス街での立地が前提になりますが、昼と夜の二毛作が可能、というのが有利です。昼のターゲットは、お勤めの方々です。昼食を何にするかは、けっこう悩みの種のようです。行きつけの店を順繰りに回ってたり、コンビニで済ませたりとかの工夫も聞きます。
 定食屋なら、おかずの品揃えにもよりますが、かなりバラエティを付けることが出来るので、毎日は無理にしても、リピーターとして定期的に通ってもらうことが期待できます。

 さて、夜です。酒場へ足を向ける人が多いと思うんですが、食事中心の店もそれなりに利用が見込めると考えています。

 あまり酒が好きでない独身者とか、酒は好きだけど、飲みが続いたので、今日は軽く食事プラス缶ビール程度で、とか、共働きなので、食事をして帰らねばならないが酒はどうも・・・などなど、人それぞれの事情、好みがありますから。高い回転率が期待できるのも経営的にはプラス要素。
 
 そんな程度のマーケティングですが、もし仮に、私が「定食屋」をやるとしたら、こじんまりと、効率よく経営したいので、参考にしたいシステムがあります。

 サラリーマン時代、昼食でよく通っていた店がありました。夜は、普通の居酒屋ですが、昼は食事を提供する典型的な二毛作のお店です。「昼食」のシステムが、なかなかユニークで、いつも感心してました。

 おかず2品を選んで、それに、ご飯とみそ汁がつきます。おかずなんですが、AグループとBグループがあります。
 Aグループは、ハンバーグや焼き魚のようにややヘビーで、値段も高めのラインナップで、10品ほどありましたかねぇ。
 Bグループは、目玉焼き、ミニサラダ、煮物のような軽めで、値段も安めのおかずが、やはり10品ほどです。魚の種類だけは日替わりでした。

 注文ですけど、Aから2つ選んでよし、AとBからひとつずつ選んでよし、Bから2つもオッケーです。Aから二つが800円、A+Bで700円、Bから二つで600円くらいとシンプルな料金体系でした。お客も、フトコロ具合と相談しながら、組み合わせを考えられるのが、便利です。

 おかずの組み合わせが決まったら、テーブルの伝票に、AのメニューとBのメニューがあらかじめ印刷されてますから、チェックを入れて、「じゃ、これで」と店の人に渡すだけです。シンプルで、注文も確実に通るやり方です。3種類しか料金はありませんから、誰でもレジができるというメリットもあります、

 組み合わせのバラエティですけど、AA、AB、BBのパターンがありますから、200近くの注文が(計算上は)可能です。
 毎日通っても、半年は違うメニューを(その気なら)試せます。これだけのバラエティを背景に、「とりあえず店へ入ってから何にするか考えよか」というお客も呼び込めるのが何よりの強みになる(はず)。

 まあ、夜はさすがに2品というわけにいかないでしょうから、がっつり系のグループをもうひとつ作って、これは自由選択性ですかね。

 おかず作りとか、レジ打ちとかのお店側の作業の軽減ができ、お客へはバラエティに富んだメニューを提供できる、といういいことずくめのシステムのように見えるんですが・・・・

 若い頃、会社をリストラでもされて、路頭に迷ってたら、やってたかもしれないなぁ、と思ったりします。

 いかがでしたか?それでは、次回をお楽しみに。