午後3時55分、旅装を解いた筆者はザッハトルテを食べるために、カフェザッハへと向かった。ホテルのスイートルームの宿泊者以外の人がこのカフェへ入るためには、道路に面した入り口で行列に並ばねばならぬが、スイートルームの宿泊者は、カフェザッハへと通じるホテル内の秘密通路を通ってカフェに到達出来る。スイートルーム宿泊者専用フロントで、スタッフに頼めばカフェまでエスコートして貰える。筆者は支配人氏に依頼してカフェまで案内して貰った。カフェの入り口で支配人氏は女性スタッフに「このヤングマンがザッハトルテをお召し上がりになりたいと言っているのでよろしく頼む」と耳打ちした。筆者は行列を作りながら待っている日本人観光客達を尻目に、カフェの最上等席へと案内された。この種の厚遇を受けるのは誠に気分がいい。日本人観光客達は「あ、あの人芸能人かしら?」とでも言いたげな表情で、待たずにカフェへ入れる特別待遇を受けた人物を羨望の眼差しで眺めていた。
お部屋を出た
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エレベーターで下へ降りた
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支配人氏を呼んだ
コンシェルジュデスク
ここが秘密の入り口
一般客はここでチェックインをする
バーの入り口の待合室
カフェザッハに到着