湯の坪街道沿いには、俗っぽい土産物屋や飲食店が林立しており、その様を、「まるで田舎の原宿、それも昔の」と評した人がいたが、確かに的を射た表現であろう。何故にかくも由布院は、これほどまでに俗化したのだろうか?本来ならば静かで鄙びた田舎の山里にある温泉保養地なのに。。土日祝日ともなると、この街道は大勢の観光客で溢れかえり、すれ違うのもやっとというほどの混みようになり、原宿の竹下通り顔負けの混雑ぶりである。この通りに大挙して押しかける観光客の半分ほどは中韓からの訪日客であり、食べ歩きをしながら汚れた手で店の商品を触ったり、自撮棒片手に歩き回るので他の観光客と接触したりと、マナーの悪さが目立った。特に韓国は九州に近いと言う地の利を活かし、韓国人が大挙して由布院に押し寄せる。大声でハングル語を話しながら、この街道周辺で傍若無人に振舞う姿には思わず眉を顰めてしまった。由布院日記と言うブログをお書きの管理人さんが、「こうした光景は国内からの観光客には見せたくない」とおっしゃっておられたが、無理からぬ話である。
静かな温泉保養地だった由布院が、何故急速に俗化したのか?答えは簡単である、地元以外の観光業者が、乗り込んで来て、由布院とは無関係な俗っぽいお店を次次にオープンさせたからだ。マスメデイアの「由布院は九州の軽井沢」などと持て囃すのに乗せられて、観光情報満載の女性誌を見た女性達が「由布院ってお洒落!癒される」などと勘違いしてこの地に押し寄せるのだから、彼らは笑いが止まるまい。
筆者は、事前にウエブで、由布院の俗化現象を把握はしていたが、まさかこれほどまでだとは思わなかった。由布院駅前から金鱗湖へと至る湯の坪街道は、完全に観光利権に群がる観光業者達に寄って毒され、由布院から由布院らしさを奪ってしまっていた。俗化した観光地でもいから原宿気分を味わいたいと言う軽薄な人々が、休日ともなると九州各地から車で押し寄せるため、金鱗湖周辺の道路は大渋滞となる。彼らは駐車場探しで半日を潰してしまうのだから、何しに由布院までやって来たのか分からないまま帰宅する羽目になる。
そんな俗化の象徴が、2014年4月にオープンした、世界初の和カフェと銘打った「スヌーピー茶屋」である。スヌーピーも由布院も「癒し」と言う点に於いて共通するから、この地にスヌーピー茶屋をオープンさせたのだとこじつけた。こじつけもここまでやるとやり過ぎの感は否めず、「由布院は鄙びた温泉町」だと思ってやって来た人々を落胆させる以外の何物でもなかった。
スヌーピー茶屋
由布院が英国のコッツウォルヅ地方に良く似ているからと言うこじつけで、湖水地方の建物を模したちゃちな建物が並ぶフローラルヴイレッジ。俗化の最たるものである。「何故、由布院に英国の建物がなければならないのか?」と、疑問に思うのは筆者だけではなかろう。
由布院ガラスの森
オルゴールの森
由布院昭和館、だから昭和石油なのか