昨年の3月21日の春分の日、筆者は熊本を訪ねるべく、羽田空港へと向かった。午前7時10分過ぎに羽田空港に到着した後、真っ直ぐANAプレミアムチェックインカウンターに併設された保安検査場へ向かった。チェクインカウンターにはプレミアムクラス(機内弁当、フリードリンク、広いシート、出発空港でのANAラウンジ利用などのサービスが提供される)へのアップグレードを求めて長い行列が出来ていたが、保安検査場には行列は皆無で、筆者はスムーズにここを通過した後ANAラウンジに入った。ラウンジでは珍しくオレンジジュースを二杯飲み、その後全国紙数紙に目を通した。羽田空港国内線第二ターミナルには二か所のANAラウンジがあるが、ラウンジを利用出来る客は、プレミアムクラスの搭乗券を持つ人(その同伴者は1名まで無料で利用可)、ブロンズ以上の上級会員(ブロンズは有料だが、プラチナとダイアは無料)、SFC会員、ANAプラチナプレミアムカード所持者、ミリオンマイラーでラウンジカードを有する人及び、羽田空港のみだが、ANA My chioceで事前に予約をした客(利用には3100円が必要)だけである。従ってこのラウンジは、繁忙期閑散期を問わず常に空いていてゆったりしており、つくづく金の威力は凄いなと思う。つまり、エコノミー席のチケットしか持たない者は、いくら金を積んでも規定の資格や予約が無ければ、当日ANAラウンジは利用できないと言う訳なのだ。各種クレジットカード会社のゴールドカード所持者だけが利用出来るカードラウンジ(誰でも立ち入れる非制限エリアや搭乗客だけが利用出来る制限エリアに設置されている)もしかりで、普通クレジットカード所持者はいくら金を積んだとしてもそのラウンジを利用できないのと同じである。日本の国内空港に、海外空港によくあるような、金さえ払えば誰でも利用可能なラウンジはあるもののその数は少ない。
筆者はラウンジで30分ほど休憩した後、午前8時丁度に65番ゲートに到着した。羽田発午前8時25分のNH641便はプレミアムクラス及びエコノミークラス共に満席の盛況で、8時05分から子供連れ、身障者、妊婦客などに対する事前改札を開始した。2分後にダイヤモンド会員の優先搭乗が開始となり、例の如く筆者はいの一番でゲートを通過し搭乗口へと向かった。恒例のCPさん撮影をした後に、1K席に着席し、担当CAさんにログ帳の記入をお願いした。搭乗機材はボーイング787の新型機で、座席は革張りだがPC電源の無い旧式のタイプだった。12席あるプレミアムクラスは瞬く間に満席となり、経済席へも続々と客が乗り込んで行く。3月は連休と言えどもプレミアムの旅割り設定があるため、出発の一ヶ月前には座席は満席近くにまで埋まっていた。
貯めたマイルを使えば、有償で購入した国内線のエコノミー席をプレミアムクラスにアップグレード出来ると誤解している人が多いようだが、繰り返しになるが、国際線ならばマイルの使用でエコノミー席をビジネスクラスにアップグレード出来る(欧州路線ならば28000マイル必要)が、国内線ではマイルを使用してのエコノミー席からプレミアムクラスへのアップグレードは出来ない。それが可能なのは当該便の出発当日で、かつ空席がある場合に限られ、しかも空港以外(ウエブ上など)でのアップグレード手続きは出来ない仕組みで、アップグレードに必要な追加料金の支払いは現金かカードに限られる。その代わり、アップグレード料金は9000円(税込み)と割安な設定になっている。あるブログの試算によれば、プレミアムクラスとエコノミークラスとの差額分よりも遥かに安い9000円の支払いで、9000円以上相当のサービスが受けられると言うのだから、当日アップグレードを狙う客は多い。だが、確実にワンランク上のプレミアムクラスでのフライトを楽しむためには最低でも22,000円也を支払う必要がある。
一般の人々が1年間に溜め込める最大マイル数はおおよそ1万マイルである。このペースで貯め続ければ3年間で30,000マイルを貯められる計算だが、もし、3年かけて貯めたマイル数がアップグレード可能な28,000マイルに満たなければマイルの有効期限は3年間のため、使い道のなかったマイルは順次失効してしまう。そうした小口ユーザーの救済策としてANAは、「マイルをスカイコインに変え(1マイル=1スカイコイン=1円)、それを航空券購入に充当しようとする際、従来なら10000マイル単位からしか交換出来なかったのを1マイル単位から交換可能」とするように変更した。無論、マイルを楽天ポイント(1マイル=1ポイント)に変換し楽天市場での買い物に利用する手もあるが、その種の使い方は本来のマイルの趣旨からは外れる。スカイコインで購入した航空券で搭乗した場合は、区間マイルが加算されるため、蓄積したマイルを無料航空券に変えずに、スカイコイン経由で航空券購入に充てる人は多い。3年かけて28,000マイルを貯め、エコノミーからビジネスクラスにアップグレードした海外旅行を企てる人も多く、ゆえに3年に一度の海外旅行が彼らのペースなのだ。
ラウンジでのオレンジジュース
椅子
ラウンジ内の様子、連休だと言うのにこんなに空いている。
65番ゲート
搭乗予定の飛行機
筆者は勿論左手へ向かった
出迎えのCPさん、ピンボケ写真で申し訳ございません。
筆者の座席
担当CAさん
経済席の乗客達の搭乗開始
隣の64番ゲート
足元はこんなに広い
飛行経路
熊本までの飛行時間は約1時間半だ!