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ALWF「地域セミナー」に学んで

2018-11-22 | ライサポ友の会

ALWF「地域セミナー」に学んで 

日本経済新聞の「大自在」欄に、静岡市内で開かれた大学の将来像を探るシンポに出席した筑波大学長の話が以下のように紹介されていました。

経済協力開発機構(OECD)が示した、AIやロボットといった自動化技術が人間の仕事の1割を奪う可能性があるとの分析に対して、ラダイト運動(※1)のその後を振り返れば分かるように、機械を壊すくらいでは社会の変化は止められない。「本当に人がやるべき仕事は何か。人でしかできないことを見つけることが求められる」。という内容です。

 ラダイト運動という言葉を聞いて私の頭に浮かんだのが、労働者福祉基金協会が毎年開催しているALWF「地域セミナー」で学んだ労働者福祉運動の歴史のひとコマです。

 ラダイト運動のその後を自分なりに解釈すると、ラダイト運動も大きな犠牲をもたらすだけで、実生活の改善にはならないことを悟った人達は、環境の変化と産業における自分たちの地位を向上させるために、「ロッジデール公正開拓者組合」を設立します。そして、この「ロッジデール公正開拓者組合の9原則」が後の国際協同組合(ICA)運営の憲法というべき「協同組合原則」として定式化され、更にこの協同組合が2016年11月30日ユネスコの「無形文化遺産」に登録されるという、今般の偉大な功績に繋がりました。

この登録に際しユネスコは、協同組合は「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行うことができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化や再生可能エネルギープロジェクトまで、様々な社会問題への創意工夫あふれる解決策を編み出していると」説明しています。

現在、Society5.0(※2)の実現に向けた取り組みがすさまじいスピードで加速しています。その状況は、様々なメディアを通じて報じられていますが、「アルファ碁が囲碁のトッププロに勝ちこした」。という報道に驚いたのはもはや昔の事のようです。
 近い将来、あらゆるものがAIやIOTに繋がることによって、幼いころに見た未来の世界が現実化するのではないかという大きな期待を抱く反面、相当の数の人の仕事がAIなどに奪われるのではないかという議論、ネットやスマホ依存症の拡大に対する懸念等が並行して語られています。

 生産性の向上により社会経済が発展し、我々の生活が便利になり、住みやすい社会になることに異を唱えるものではありませんが、その一方で勤労者の生活が汲々として、行き過ぎた個人主義の進展や、貧富の格差・地域格差が拡大するような世の中になるようでは困ります

そうした点では、共同組合の無形文化遺産への登録は、激変する世の中に対するユネスコからの逸早い警鐘ではないかとも思えてきます。

我々は、人間中心の社会を継続するために、AIに対してきわめてアナログ的な運動ではありますが、労働者とその家族の生活向上と安定をはかり、真の平和で豊かな暮らしを保障する社会を創る労働者の自主的な共同事業である労働者福祉運動を大きな広がりを持って継続することが今こそ大切ではないかと思います。

また、そのためには、我々一人一人が主役になって活動していくことが重要だということも確認したいと思います。

 ※1 業革命後のイングランドで「自分たちの生活を苦しめたのは機械のせいだとして」19世紀の初期から十数年にわたって起こった機械打ちこわし  の暴動

※2 AI(人工知能)やビッグデータ、IOT(モノのインターネット)などの先進IT(情報技術)

を活用してイノベーションを創設し、様々な社会課題を解決することを目指した取組み

<ヤスベー>

          

  


 

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