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ALWF「地域セミナー」を開催しました!

2018-03-06 | 県労福協

2月2日、9日、16日の3日間、東部(沼津)・西部(浜松)・中部(静岡)でALWF地域セミナーを開催しました。このセミナーは、労組役員で就任3年程度の経験という将来を担う活動家を育成するために、「経済・労働・福祉及び労働者自主福祉運動の現状と歴史を学ぶ」講座を中心に、分散会での意見交換などを実施しています。

 春闘時期の忙しい時期でしたが、多くの若手労組役員に参加していただき感謝いたします。また、今回は「労働者福祉運動小史」の講義を、全労済の支所長に努めていただきました。歴史を踏まえて現状の全労済や労金そして労福協活動があることを、丁寧にまた実例も交えて説明していただきました。準備も大変であったと思いますが、参加者の評判もすこぶる良く、お願いして良かったと思っています。

 そのセミナーの冒頭、次のあいさつをさせていただきました。

 このセミナーは、労働運動における福祉の活動、労働者が自らの資金と組織により生活の諸問題を解決して、生活の底上げを図る活動、つまり「労働者自主福祉運動」を、歴史からそして現状の姿から学ぶものです。

今年度の労福協のスローガンは、「連帯・協同で、安心・共生の福祉社会をつくろう」です。その意味するところをこのセミナーで学んでいただきたいと思います。特に、今年は、チラシを入れさせていただきましたが、昨年11月から先月1月末まで展開してきました「生活底上げ・共助拡大キャンペーン」が終了した後のセミナーとなります。

このキャンペーンは、現状の勤労者層を取り巻く環境から捉えて、「格差社会への警鐘」と「可処分所得の向上に資する運動の展開」の2つを主要テーマとして取り組んで来ました。

残念ながら、社会的に格差は存在し拡大しています。相対的貧困(平均賃金の半分以下で生活している)層が15%。6人か7人に一人は貧困層。そして、子供の貧困率が13%。30人学級では4人ぐらいは貧困家庭で暮らす子供がいます。生活に困窮している人は、様々な場面で置き去りにされ、チラシにグラフも掲載しましたが、特に教育格差は、貧困の連鎖を生じさせる原因にも。1月の日経新聞では、健康格差・生活習慣病リスクの問題を取り上げている特集記事もありました。いろいろな場面で困窮者は置き去りにされている実態があります。1月末に札幌で残念な事件がありました。生活困窮者の住居施設が全焼して11人もが亡くなるという悲しい事件でした。今日のこの後の福祉に関するテーマにも関連しますが、この困窮者は、「公助」も十分に受けらず、自らの「自助」もままならず、「共助」に助けを求めています。支援される側も支援する側もギリギリのところで生活しています。そこに問題があるという事をもっと取り上げてほしい。静岡新聞は、「民間の善意に限界」という見出しを使っていました。その通りであると思います。

経済思想に「トリクルダウンセオリー」というのがあります。「経済成長の恩恵が自然と貧困層に及ぶという」考えで、シャンパンタワーのイメージで、上から下に滴り落ちるという考えです。しかし、実態としては、その様なことは起きていない。経済優先、株価上昇が優先され、格差は置き去りにされていることはないでしょうか。先日のALWFトップセミナーでも改めて学んだところです。そういう格差の実態を多くの方に知ってもらう活動をまずはこのキャンペーンで展開しました。

また、可処分所得の問題です。キャンペーンでも紹介しましたが、勤労者は、所得が伸び悩み減少したとしても社会保障費などは減額されず、国の制度による所得の再分配機能も不十分な中、日常生活費を節約しても自動車や通信などの費用は増し、さらに消費生活においては、金融や保険の取引では、金利や掛金・手数料などの出費が重なり、可処分所得(自由に使えるお金)は増々減少している傾向にあります。労福協としては、その可処分所得の向上のために、労金・全労済の機能を活用して生活改善を図ることを進めています。今日の労金・全労済の講義でも確認していただければと思います。

このように、キャンペーンなどで掲げてきましたこれらの活動が、今日の講義にある労働者自主福祉運動から生まれたものであることを改めて認識していただければ、よりこの間取組んでいる活動の意味が深まると思います。なお、キャンペーンで掲げましたテーマ、そして取組みはこの期間だけでは終わりません。引き続きの取組みへの主体的な参画をお願いします。今日は労働者福祉の歴史と現状の取組みを学びますが、労働者自主福祉運動は、地域や地区において、また会員労組内において、一人一人が自ら日常の活動に参加し、取組みを実感することから拡大・発展していくものです。周りの仲間に今日の講義で感じたことを話してみる、労金・全労済をもっと今まで以上に利用する、フードドライブ時に必ず食品を寄贈する、など、是非、身近な活動から初めてみてください。本日のセミナーが、皆様方の熱心な意見交換などにより、実り多き「研修の場」となりますことをご祈念申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。

 

セミナーにおいては、最後に各分散会グループごとに話し合ったことを披露していただいています。労働者自主福祉運動を新鮮にまた改めて自分たちの運動としての位置付けを理解していただいた発表がありました。一方、労福協の活動で説明させていただいたフードバンクの活動を「初めて知った!」、また労金ではATM利用の手数料が0円であることを「今まで知らなかった!!」という声も多くありました。まだまだ、多くの方に我々の運動を今後も伝える必要性も痛感した次第です。

歴史と現状の取組みを正確にかつ多くの方に伝える活動を今後も進めていきます。(大)

『フードバンクふじのくに』からのお願い    

 

                        

 

 浜松市労福協(労金浜北支店)から食品をいただきました。たくさんのご支援、誠にありがとうございます。

 


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