STARLIGHT NIGHTS

信州・塩尻から発信・・・   星空と美しい風景、そして美しい音楽とともに!

星空を守る会総会

2010年07月11日 | 星仲間
星空を守る会総会のため、東京の国立科学博物館新宿別館に行ってきました。
古在会長、大友事務局長、内田さんら10人ほどが集まりました。

参加者の自己紹介と活動報告のあと、いくつか提案・事例発表がありました。
そのうちひとつが、塩尻星の会が行っている「光害調査におけるスカイクオリティメーターの実用性について」です。
そのほか、光害対策として、JIS改正にについての要望書について(内田さん)、日本天文協議会の構成員として星空を守る会の参加について(大川さん)の話がありました。
また事務局の大友さんから、全国星空継続観察への要望書について、東京スカイツリーのライトアップについての要望書について、それぞれ提案がありました。

(続き)
特に話題となったのは…
民主党の事業仕分けの対象となった全国星空継続観察の裏話。
主管の日本環境協会が毎年行っているのは経費の面でどうかという点。実際は日本環境協会との随意契約をしていたのではなく、入札をしていたとのこと。しかし今年度は、ほかの団体が落札した模様。
これとは別に、全国星空継続観察に関する要望書を出そうという提案。
①観察の趣旨に「大気環境保全の重要性を知ってもらうため」としているが、「光害の防止、啓発のため」と改めてもらうこと。
②双眼鏡による観察を取りやめ、写真撮影のよる報告を主にしてもらうこと
③地球温暖化防止という観点から推進すること
この3点です。
①や③については異論がありませんでしたが、②については、観察を通して星空を体験してもらう手段として行っているもの。この観察に参加するきっかけとして残したほうが良いということでした。
でも双眼鏡による観察。報告される数値の重要性は低いこと、天頂付近の星(夏期はこと座の三角形、冬期はすばる)を観察することで、双眼鏡では観察しずらいことも異論があった理由でしょう。
既に20年も続いている取り組みで、海外に紹介しても遜色ないと思われます。
もうひとつ。
写真による観察は、近年参加団体全員ではなく、定点観察する団体のみと変更されています。それは、フィルムの測定に多くの手間があるためで、それはある程度仕方がないことなのですが、その測定方法も変更されたことも問題視されています。すなわち、以前はデンシトメーターによる測定をしていたのですが、測定を請け負っていた国立天文台所有のデンシトメーターが使えなくなり、写真が復活した平成16年度以降は、スキャナーによる測定に手段を切り替えたところ、以前のとの測定数値とつながりがなくなってしまった。すなわち、夜空の暗い場所の測定値はより暗く測定される傾向が出て、過去より夜空が暗くなってきたというギャップが生まれているそうです。これをぜひデンシトメーターによる測定に戻すか、スキャナー測定のデータを何らかの補正を加える必要があるとの指摘がなされました。
奥の深い話で、このくらいにしておきます。

もうひとつ、昨年の世界天文年の取り組みで、その成果を受け継いでいこうという理念から、日本天文協議会の設立が準備されています。その中で、星空を守る(星空を取り戻す)活動として、星空を守る会にこの協議会の構成団体として加わってほしいとの要請があったことから、この総会に諮られました。そのことには異存なく承認されました。
協議会の構成団体との連携により、より一層の光害啓発への取り組みが進むことを期待しています。

さて前述した、塩尻星の会が取り組んでいるSQMによる光害調査に対しても、参加者から激励や助言を多くいただきました。
そのうち1~2点。
写真による測定と同じ、1平方秒あたりの等級といっても、写真では星と星が写っていない場所との部分的な測定、SQMでは80度もの範囲をスキャンしての測定。差があってもおかしくないし、どちらも正しい数値。SQMはスキャンするので、むしろ星の明るさを拾わないよう曇った時に測定した方が、本当は良いのだろうか?と思うようになりました。
もうひとつ、SQMは測定値に経年変化が起こる可能性があるとのことです。輝度計を使って測定値のチャックをし、誤差が大きければメーカーでメンテナンスもしてくれるようです。
いろいろとアドバイスありがとうございました。