『我ら日本の宝飾はいま本当に終りかけている!』というタイトルで震撼させた、あの”とうきょうジュエラーズ”の柏書店松原さんが、なかなか素敵な本を出版されました。
新刊案内を見て気になってしょうがなかったのですが、先日表参道の書店で実物を見つけて惚れ込んでしまい、即買いしました。
『帝政ドイツのジュエリーデザイン図案集2000』復刻版
”19世紀ウィーンで出版されたDIE PERLEと題する、金銀細工師のためのデザイン見本帳と思われる原本を、現代に復刻印刷したもの。”
だそうで、まったく何の前置きも説明もなく、1ページ目からひたすらモノクロのデザイン画が150ページ以上にわたって繰り広げられます。
精巧な手描きのデザイン
2000種の図案にちなんでか、お値段2000円(税抜)、というのがこれまたニクイなぁ。柏書店さんのギャグか冗談かわからないような、ビミョウなセンスが好きです。それにしても、よく復刻してくださったなぁ、出版を企画した方に心から敬意を表したいです。
原本は1800年代後半に作られたらしいですが、その時代といえば、イギリスではヴィクトリア時代後期、フランスではベル・エポック様式の盛隆期を迎えていますが、この画集はその時代に流行したスタイルだけではなく、古くはアングロサクソン時代やルネッサンス時代に用いられた様式も見られます。
図案を描いたデザイナーによるオリジナルの図案もあるでしょうが、その時代からみて”アンティーク”として存在したジュエリーの模写もあったのでしょうか。ヨーロッパ近代宝飾デザインの礎となった古今東西の意匠のエッセンスがぎゅっと凝縮されているようです。
神聖ローマ帝国皇帝ルドルフII世の王冠など、すでに存在したジュエリーを模写した図もあります。また、ジュエリーだけではなく、リアリティにあふれた虫類のスケッチもあり、ちょっと気持ち悪いのですが、虫はその当時からジュエリーによく用いられたモチーフだったことがうかがわれます。
その当時はまだジュエリーデザイナーという職業がまだ確立していなくて、画家や芸術家が余技でジュエリーのデザイン図案も描いたといわれているそうです。こうした図案集を工房の親方さんが購入して、自分の好きな部分だけを使って、作品を作っていたともいわれているそうです。
モノクロの正面図のみで正確な指示書もない、こうしたネタ帳だけを頼りに、こんな複雑な意匠のジュエリーを手作りで作った当時の職人さんたちの腕前は本当に凄いと思います。少ない情報から芸術的な作品を生み出すためには、技術だけでなくセンスも相当必要ですよね。
モノクロの世界というのは実に想像力をかきたてられます。
何も語らない、しかしそこにある図画が雄弁に語っている。この画集にゾクゾクするほど魅了されました。ジュエリーの歴史の変遷に思いを馳せながら、精緻な図案を眺めていると時間が経つのを忘れてしまいます。
原本は1800年代後半に作られたらしいですが、その時代といえば、イギリスではヴィクトリア時代後期、フランスではベル・エポック様式の盛隆期を迎えていますが、この画集はその時代に流行したスタイルだけではなく、古くはアングロサクソン時代やルネッサンス時代に用いられた様式も見られます。
図案を描いたデザイナーによるオリジナルの図案もあるでしょうが、その時代からみて”アンティーク”として存在したジュエリーの模写もあったのでしょうか。ヨーロッパ近代宝飾デザインの礎となった古今東西の意匠のエッセンスがぎゅっと凝縮されているようです。
神聖ローマ帝国皇帝ルドルフII世の王冠など、すでに存在したジュエリーを模写した図もあります。また、ジュエリーだけではなく、リアリティにあふれた虫類のスケッチもあり、ちょっと気持ち悪いのですが、虫はその当時からジュエリーによく用いられたモチーフだったことがうかがわれます。
その当時はまだジュエリーデザイナーという職業がまだ確立していなくて、画家や芸術家が余技でジュエリーのデザイン図案も描いたといわれているそうです。こうした図案集を工房の親方さんが購入して、自分の好きな部分だけを使って、作品を作っていたともいわれているそうです。
モノクロの正面図のみで正確な指示書もない、こうしたネタ帳だけを頼りに、こんな複雑な意匠のジュエリーを手作りで作った当時の職人さんたちの腕前は本当に凄いと思います。少ない情報から芸術的な作品を生み出すためには、技術だけでなくセンスも相当必要ですよね。
モノクロの世界というのは実に想像力をかきたてられます。
何も語らない、しかしそこにある図画が雄弁に語っている。この画集にゾクゾクするほど魅了されました。ジュエリーの歴史の変遷に思いを馳せながら、精緻な図案を眺めていると時間が経つのを忘れてしまいます。
気になりますね~。
私も柏書店さんからのDM見て、気にはなってたのですが
中を見てみないと・・・と、躊躇してたのです。
そんなに、いいんですか・・・絶対欲しくなりました。
でも、送料もったいないし、IJKかKJFまで待とうかな。。。
いつもながら、素敵な情報ありがとうございました。
私も中身を見なかったら買わなかった本です。(^^;
しかも、滅多に足を運ばない本屋さんに、たまたま違う目的で行って見つけました。表参道/青山あたりはアパレル・ファッション関係の企業が多く、デザイン関係の本に力をいれているので、こうしたニッチな本も置いてあったのでしょう。
ずっと気になっていた本なので、偶然、神様が引き合わせてくれたのだと思います。
デザインの参考になるだけでなく、貴重な歴史的資料だと思います。おそらく、数は沢山売れるものではないでしょうから、増版・増刷はないと思いますので即ゲットした次第です。
これらの復刻されたエグイ(笑)ヒストリカルなジュエリーデザインをさらにCADで”3D復刻”してみようと目論んでいます。
ただ、せっかく良い素質やセンスを持っていても、就職すると、先輩職人さんに一からたたき直されちゃうそうですね。「就職して3年になるけど、バフ掛けしかやらせてもらえない」と言って転職し、またそこでも下働きばかりで転職し、3度目は親方に苛められて、結局宝飾をやめてしまった知り合いがいました・・・。
職人さんは忍耐のいる仕事ですね。
全然関係ない話になっちゃいました・・・