ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

発想の転換

2009年02月02日 | ROSE POSYのひとりごと

日々のなにげない小さな発見から、いろいろと気づかされることがあります。今日は『広告』のお話を・・・・。

◆ あたらしい広告のかたち

今日、表参道の駅でエスカレーターに載ったら、ハンドレール(手すり)の、ベルト部分一面に、SONYの新しいミニPCの広告がプリントされていました。ベルト部分はエンドレスに連続しているので、エスカレータにのった人すべてがこの広告を目にすることになります。
このアイデアを最初に考えついた人、かなりエライ!

エスカレータを登り切り、地下鉄・銀座線に乗りました。今度は社内のつり広告と壁広告が、JR東海の広告のみで埋め尽くされていました。”いわゆる広告ジャック”です。JRが他社の電車の広告ジャック、これもある意味、かなりセンセーションです。(しかも銀座線は、JRへの相互乗り入れをしていない。)

東京都内では、バスや電車、タクシーの車両全体がまるごと広告ラップされるようになりました。また、デパートなどのビルディングの壁面が全面、広告がプリントされたシートで被われた例も見たことがあります。上り階段の1つ1つすべてに横長の帯状の広告がはってある駅がありました。地下鉄駅構内の柱も広告が巻き付いています。今時の印刷技術の進歩はすごいと思います。

身近なところではスーパーのレシートの裏に取り扱っている商品の広告なんてのもあります。森永牛乳のパックに森永ココアの広告があったり、さらには女性雑誌に、化粧品のサンプルが付録についていたり、自社内・企業間のco-brandingがすでに始まっています。

アイデア次第で、屋外・屋内のありとあらゆる場所が広告スペースになりそうです。

私も、あったらつい見ちゃいそうな場所をみつけてみました。
こんなところに、広告はどうでしょうか?(笑)

-お菓子(せんべいやクッキー、ガムなど)の個別包装紙。
-アイスキャンデーの棒
-コンビニの割り箸袋の裏面
-コンビニ弁当の器(たべおわると広告が見える。)
-スーパーのレジ袋の裏面
-駅のトイレの個室の壁面 
-飲食店で出るおしぼりの袋とおしぼり本体。


◆従来型広告の危機

新しい広告形態が登場する一方で、従来型の広告はどうなっているでしょうか。

不景気になると、企業は営業費用のうち真っ先に広告費から削ります。広告費が高い順から、つまりTV、新聞、雑誌、・・・の順に縮小されていきます。今流れているCMや広告はかなり前から予定が組まれていたものですが、リーマンショック以後、この暮れあたりから、主要広告主である企業が軒並み経営不振に陥り始めたため、これからさらに広告需要が激減していくと思われ、メディアは他社の不幸をネタにしている場合じゃなくなっています。(なぜか、テレビ局も新聞も自社の赤字転落を報道しないですが。)

テレビは、スポットCM枠が空いてしまい、皆さんもお気づきかと思いますが、ゴールデンタイムなのに埋め草にAC(広告機構)のCMが頻繁に流れたり、深夜の時間帯だと、同じCMが連続で何回も繰り返されるという異様な状況となっています。深夜にしつこいくらい流れてた、あのゴージャスな『じゅわいよくちゅーるマキ』のCMも見られなくなりました。(- _-;)

先に述べた電車についても、社内広告、とくに壁広告はすさまじく歯抜け状態になっています。、電車の広告をつぶさに眺めて”独りツッコミ”するのが大好きな私は、最近は広告がめっきり少なくなって通勤の楽しみも半減です。

広告主が大変だと、メディアも広告業界も大変な状況です。
しかし、だからといって売れない広告枠を空けたままにしておくというのはもったいないことです。今までの構造や体制のままでは、日本のTV局や新聞社は、潰れないまでも、外国の企業に身売りするなんてことにもなりかねません。

ほとんどの産業が冷え込む中でも、急成長中の企業があります。
メディアは、景気回復までの期間限定で、空いた広告枠を将来性のある有望・優良な中小企業向けにう~んと安く開放してみてはどうだろうかと思います。たとえば、環境をテーマにした番組のスポットCMには、環境保護関連のベンチャー企業ばかりを集めてみるとか。

見る方にとっても知らない会社の広告を見るのは新鮮だし、CM枠自体にエンターテイメント性が出てきます。たった1発の広告で、その小さな会社は顧客の心を捉えて飛躍的に成長するかもしれません。メディアにとってもメリットがあります。そうした会社が大きくなれば将来広告クライアントになる可能性がありますしね。

電車の車内広告や線路広告もしかりで、スカスカにしたまま放置おくくらいなら、今はうんと値下げして、とにかく枠を埋めてほしいと思います。車内の荒涼としたイメージが、通勤する人々の気分をさらに暗くさせます。

その他に、複数の企業がコラボして1つの広告を作るというアイデアもメディアの広告収入を減らさず、かつ広告主のコスト負担を減らせる方法ですね。アパレル+ジュエリー+デパートとか、ビール+珍味、とか、カレー+漬け物、etcetc・・・。(笑)


◆構造の見直しが必要?

広告制作会社で働く知人がいるのですが、広告費ってそう簡単には安くできないらしいんですね。

広告代理店→(制作子会社)→下請け制作会社→孫請け制作会社

・・と、1つの制作に何社もの会社が絡んでいるので、全体のコストを下げることが難しい。(それでも、下請け会社は極限まで叩かれまくっている)しかも、主要メディアにおいては、大手の代理店の寡占状態で、価格競争がほとんどないといいます。

でも、地方局の番組では、どうでしょうか。広告費が安いせいか、街中の小売り商店レベルの広告を見ることができます。
地方に旅行をして宿泊先での楽しみの1つは、地方色の強い広告が見られること。また、これがお金かけてないから、ストレートかつシュールで実に印象深い。(笑)東京は、全国放送とほぼイコールなので、そういうCMをみることが難しいですから・・・。

広告業界の中ことはよくわからないのですが、これまでの業界の構造や体制そのもののあり方が問われており、今まさに変化の時期にきているのではないかと思います。

世界経済がこんな脆弱な土台の上に成り立っているものだとは誰も想像できなかったと思います。しかし、アメリカのせいばかりにもしておられず、この機に際して多くの産業では、『今までのやり方でよかったのか?』という反省や見直しが起こっています。
人というのは本当にすごい動物で、転ぶたびに強く賢くなるんですね。

ジュエリー業界はどんな方向に『チェンジ』していくでしょうか・・・。



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