車の認証試験を巡る不正が、トヨタ自動車など大手5社に拡大した。国土交通省は生産中の6車種の出荷停止を各社に指示し、業界トップのトヨタ本社を立ち入り検査した。ルール軽視の体質が業界全体に広がっていることが明らかになり、日本車への信頼が失われかねない事態だ。各社は不正の原因を徹底して明らかにし、信頼回復を急がなければならない。トヨタの他に不正が発覚したのはホンダ、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の4社。2022年以降にトヨタグループのダイハツ工業など3社で不正が相次いだことを受け、国交省がメーカー各社に調査を求めていた。トヨタの不正は6件。エンジンの出力試験で狙った数値が出るように制御ソフトを書き換えた悪質な事例もあった。国基準よりも厳しい条件で実施した試験データを使っていた例が多いとして、違反があった車種に使用上の安全性の問題はないとするが、ユーザーの不信は容易には払拭されまい。認証試験は、車の大量生産に必要な型式指定を受けるための制度だ。1台ずつ国の検査を受ける代わりに、自動車メーカーがブレーキ性能や衝突安全性などをテストして国のお墨付きを得ており、メーカーは不正をしないだろうという「性善説」に立っている。定められたルールを独自に解釈して違反すれば、制度そのものへの信頼が崩れてしまう。不正の背景には、短い開発日程の中で最終段階の認証試験がしわ寄せを受けている実態もある。トヨタの豊田章男会長は、制度の複雑さを指摘して「制度自体をどうするのかという議論になっていくといい」と述べたが、ルールを順守した上でなければルールを変える議論は成り立たない。真摯(しんし)な反省と不正の原因究明が最優先だ。グループ企業の不正に関し、豊田会長が「各社トップの相談役になる」と再発防止を誓ったのは、まだ1月のこと。その時点では既に、トヨタ本体の現場では不正の認識があったのではないか。それが一切トップに届かず、「知る限り不正は他にない」という会長の発言になったのだとすれば、社内の風通しの悪さは深刻だ。内部通報制度も機能しなかった。トヨタ以外の各社も含め、社内から「ものを言いづらい」空気を一掃しない限り、再発防止は難しいだろう。
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