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年金減法案強行へ 安倍政権の国会審議こそプロレス・茶番
物価が上がって賃金が下がっても年金が減額される――。高齢者イジメの“年金カット法案”が25日、衆院厚生労働委員会で「強行採決」される。しかし、これほどヒドイ法案を強行採決するとはとんでもない話だ。NHKの世論調査によると、この法案に「反対」するのが49%なのに対し、「賛成」はたった10%。国会での審議時間も短い。2004年に成立した年金抑制策「マクロ経済スライド」を導入する関連法は約33時間だったのに、今回はたった15時間程度だ。民進党の試算では、法成立で国民年金は年間約4万円、厚生年金は同14万円も減額するという。苦しい生活を送る高齢者にとっては死活問題だ。しかも、最近の安倍自民党は、年金法案に限らず、強行採決を事前に“予告”する始末だ。山本有二農相の「強行採決発言」だけでなく、“年金カット法案”の所管大臣である塩崎恭久厚労相も佐藤勉衆院議運委員長のパーティーで、「強行採決だなんて、野党はいろいろと“演出”してくる」と放言。さらに、萩生田光一官房副長官は23日の会合で、TPP関連法案の採決に反対した野党の対応を「田舎のプロレス、茶番だ」と言い放った。圧倒的多数の国民が反対する重要法案の審議を「プロレス」「茶番」「演出」とは――あまりにも国民をなめている。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。「与党は『最後は数の力で押し切れる』と考えているから、緊張感がなくなっているのです。野党を軽んじるような発言も、全て本音でしょう。気が緩んでいるから、口が軽くなる。メディアも厳しい報道を控えがちなので、内閣支持率が下落することはないとタカをくくっているのでしょう。緊張感なき国会が、政治の劣化を招いています」
野党は“乱闘”してでも抗戦すべきだ。