怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

ビュレックの作り方を披露しながら長男の寮生活を語るトルコ人難民

2018年09月19日 | 交友関係
ここ数ヶ月で急に親しくしているトルコ人難民C子さん。
先月、滞在許可に繋がるドイツ語試験を受け、就業のための職業訓練を受けたり、大学へ通う手続きをしたりなど私より数倍忙しい生活をしているはずなのに、暇を見つけては周囲の人々と交流を怠らない。
彼女の朝食に招かれた。
半手作りビュレックをごちそうになった。
   
皮が市販品なので、大幅に手間が省ける。フィリングはチーズのみ。
油で揚げて出来上がり。

難民たちは当面の生活支援を受けられるが、就業の義務を負っている。
朝食準備を手伝っている旦那さんはもちろん求職中。

ビュレックがメインで、パンも添えられた。

食後のデザート。ヒヨコマメのスナック。

トルココーヒー。

料理しながら、食べながら彼女はべらべらと話していた。
在独二年、まだ拙いドイツ語だけれど、話したくてたまらない様子。

三人いる息子さんの一番上の子は、この九月から数百キロ離れた街にある中等学校で勉強しているのだとか。
寮生活で、週末に帰ってくる。まだ12歳で親元を離れて生活。
この一家、イスタンブール在住時は子供たちを私立学校に入れていたのだそうだ。
食事などの面倒も学校がしてくれるので、子供たちが帰宅したら、就寝させるだけでよかったのだとか。
母国では安定したいい仕事を持っていたこの夫婦。育児も共働きの経済力を利用してちょいと楽ができていたらしい。
そういう経験があるので、長男を寮生活させるのもあまり抵抗が無かったのかもしれない。
両親とも高学歴のこの家庭だ。息子さんもそうなるためにはドイツ語力が必須だ。寮生活でドイツ語漬けの毎日は将来のためだ、頑張れ。

教育費に糸目をつけない姿勢は素晴らしいとは思うが、難民として生活していて子供が親元を離れていると、一緒にいるよりさらにお金がかかるのは明白だ。
いったい難民たちの経済力ってどんななのだろう、と興味が湧く。
この夫婦は親が金持ちだったわけではない。C子さんなど、お母さんに「経済的に自立できるようにたくさん勉強しなさい」と内職のじゅうたん作りを一緒にしながら諭されたそう。
そのお母さんの助言どおり、大学を出て教師になり、友人の紹介でこれまた安定した職業を持つ旦那さんとであって今後の人生安泰、ってところだったのにねぇ・・・
「トルコには将来がありません」
と逢うたびに言われるものだから困ってしまう。どこの国に住んでいてもそんな不安は付きまとうものだ。

今まで出会った難民の中で、一番努力しているこの一家。ただ稼ぐだけでなく、ここの人々ときちんと付き合って生きたい、という意欲もある。
研修仕事現場の小学校では食事の前にお祈りをするのだそう。もちろん、ここではキリストの神様。
「抵抗はないですか」
との私の問いに「全然平気。ただ、十字を切るのはできないかな」
とさらっと答えていた。
ドイツでよい将来がありますように。














2 コメント

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Unknown (yasu)
2018-09-19 12:21:42
いつも大変興味深く拝見しています。ケーキネタ、義母食事ネタも、りすさんは飽きてるかもしれないけど私は毎回大好きです(笑)。ところで、以前から度々思っていたことなのですが、ドイツでは「朝食に招く」って普通よくあることなのですか?それともりすさんが、「朝食なら出かけやすい」とかいう理由で、お招きされることが多いのでしょうか。日本だと、ランチやディナーはあっても、朝食に招かれるって聞いたことないので。もしよかったら、一般的なドイツ人ではなくて、りすさん周囲の事情でもちろん良いので、記事内で教えてもらえると嬉しいです。
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朝食に招待する理由 (もも)
2018-09-20 15:30:04
ドイツ在住です。
おそらく、朝食だと準備が簡単だから呼びやすい(手作りゼロでもOK)、それと主婦だと子供や夫を見送った後で、ゆっくりできる時間だからではないでしょうか。
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