怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

学歴コンプレックスは一生続く可能性が高いのを義父の言葉で確認

2019年01月08日 | 家族
高齢なのが原因とも思われる。義父との会話がなかなか難しくなってきた。
認知症が始まったとか、そういうわけではなく、私との話題を見つけにくい様子が伺われるのだ。
ときどき思い出したように「携帯電話の練習をする」と私に協力を求めるのだが、彼のやり方はまず、取扱説明書を熟読することなのでなかなか先に進まない。

私の助言など絶対に聞き入れない。「電源をずっと入れっぱなしにして、こちらから電話したり、相手からの通話を待ちましょう」
説明書を片手に、電話機を操作練習、終わるときちんと電源を切る義父。
ごくたまに、私を相手に通話の練習をするだけだ。外出時に携帯電話を持って行くことなどしない。
私も勧めない。万一、運転中に携帯電話が鳴ったら、義父は出ないにしてもひどく慌てて事故に繋がるのではないかと想像できるからだ。(電源を入れておく可能性は低いだろうが!)
このまま何もできないまま人生を終わっても大丈夫ではないか。義両親たちは携帯電話がなくても全く差しさわりがなく生活できている。
夫は携帯電話嫌いで、日本で言うLINEに相当する無料通話サービスを使っていなかった。事務所の仲間がその不便さに根を上げ、やっと1年ほど前に夫は頻繁に携帯電話を使い始めた。
使わなくては生活が成り立たない現役世代と義両親たちの年代の差だな。

何か家の備品が壊れたりしたときには義父は大活躍だ。
嬉しそうに問題解決に励む。そうした機会を与えるために、私もあちこち見回して問題点を探すのだけれど、そうしばしば壊れるものがあるわけではない。

他に、何か義父と会話できる物事は・・・と探しているうちにあっという間に数日が過ぎ、数日ろくに会話をしない状態が続いてしまう。
おしゃべりな義父の勝手なおしゃべりを聴くのも家賃と心得てはいるのだけれど、それはなるべく避けたい。

義父の設置した鳥のエサ台。

数週間前に置いたエサがそのままだ。鳥は全くやってこない。一体どうなっているのか?
雪など降っていると、すぐにエサがなくなってしまったものだが。
以前よりグレードアップして、クリスマス仕様にしたのは義父のアイデア。
いつもより熱心にやったのに、まったく鳥の役になっていない。義父を意気消沈させるできごとだろうな。

ここまで書いて気づいた。
書こうとしていたテーマが別だったってことを。

おととい、義父が嘆いていた。
「母は私の子供の頃の教育に全く興味がなかった」
と、言ったんだ。
義父の母親は教育熱心ではなかったのが残念だ、ということなのだろう。
学歴コンプレックスは一生続く。
大学へ行くことの無意味さを説く人々は今も昔も(この「昔」は先進国において戦後しばらくしてから、という昔)いるものだ。
私は単純に、大学へ通える能力と経済力があれば卒業しておいたほうがいい、と義父のように嘆く人々をみるといつも思う。

義父の子供の頃の時代は、世界の多くの家庭で「子供は家庭の労働力、老後の保障」だった。
義母など、小学生時代は家事を済ませてから学校へ行っていたそうだ。家畜の世話だったそうで、真っ黒になった爪を教師に叱られ、今でも恨みに思っているらしい。
「あなたの国は奨学金が充実していたから、西側より良かったはずよ」
と、義母は義父に言った。
ここの昔はギムナジウム進学さえ、交通手段がなかったので寮生活をしなくてはならず、そのための費用を工面できる家庭は少なかったそうな。
それと比較すると、旧東側に育った義父はほとんど無料でさまざまな学校へ行けたらしい。
とはいえ、子供の学力や進学に関しては親の意識に大きく影響していることは私も否定できない。
義父が嘆いている気持ちもわからないでもない。

義両親たちはお互い子供の頃の貧しい生活をときどき思い出しては語り合っている。
私も交えることが多い。負けじと、日本の過去の状況を伝える。
私と義両親とは世代が違うのでその貧乏経験の質は違うけれどね。
日独貧乏話合戦も面白いぞ。












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