怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

狂人を相手にしなくてはならないこともあるドイツ生活?

2019年02月14日 | 健康
「来週火曜日は私の誕生日よ」
こう言われて、彼女に何もお祝いしないのは心苦しい。
多くの成人ドイツ人、在住外国人も自分自身の誕生日会をするのが好きだ。
B子さんも予定するのかな、とちらりとうっとしくなってしまった。B子さんは身体の痛みを止めるために医師から処方された麻薬を常用している。
その麻薬のせいなのか、もともとそういう性格なのか、一緒にいて難しく感じることが多い。
嫌な気分になることはまれなのだが、だんだん落ち込んでくるんだ。
また、かなり強気で物を頼む。これは薬のせいではなく健康なドイツ人もそうだな。
二週間ほど前には、薬が切れたとかで、ウチの近所の医者に処方箋を取りに行けと電話が来た。その医院はあと30分しか開いていない、自分の住まいから遠いので、是非行ってくれ、としつこく頼まれた。
以前、彼女のためにその医者まで処方箋(単なる紙切れ)を取りに行くとき、難儀したのを思い出した。
義母が「近所の人に見られたらどうするんですか」などという突拍子もないことを言い出したんだ。
私が麻薬中毒者と思われることを恐れたらしい・・・おいおい・・・私が持ち帰る処方箋の内容がまたたくまに近所中に広まるって、それは100年くらいまではありうるかもしれないが、今じゃあ私の存在さえこの集落で知られていないのだぞ?
そのように再び説得するのが面倒なので、私はB子さんにきちんと断った。
「今、昼食の準備を手伝っているので無理です」
B子さんとしては、私と私の義両親の昼食のために自分の痛み止め薬が犠牲になるのは不思議でならなかっただろう。
「じゃ、いいわっ」
と、怒ったように急に電話が切れた。
日本だったら、これ以降の人間関係は難しくなるだろうが、ここでは案じなくてよろしい。
私は数日後に彼女を訪問して、この件に関してまったく触れずに親しく語り合うことができたんだ。

その時の訪問では薬物離脱療法の入院先でのできごとを事細かに話して聞かせてくれた。
話の内容の半分はわからなかったのに、ひどく落ち込んでしまった。
同室の20歳代の女性が以下にひどい状態だったかを長々と聞いているうちに、耐えられなくなってきた。
その様子を察したB子さんは言った。
「もう、この話止めたほうがいい?」
B子さんは自分のことばかり考えて、他人の様子を観察していないと思っていた。意外な気遣いにほっとした。
もちろん、すぐに止めてもらった。

彼女に贈った手作りぞうり。

ひどく喜んでくれた。
日本の知人からの頂き物で、私にはサイズが大きすぎた。
無事に利用してもらってなによりだ。

あと数年で還暦のB子さん。
ふとした表情で、以前の若くて健康な頃の美しさを想像できる容貌だ。
適度な運動や手入れで、まだまだどうにでもきれいになれる素地があるのに、病気のせいか、その治療薬のせいなのか、どうにもこうにもだらしがない・・・・

だらしがないといえば、彼女の言い出す私との約束など、ほぼ100パーセント達成されていないな。
去年の今頃は「一緒にロンドンへ行こう」という話だった。「私が交通費を負担します、あちらでは知人宅に宿泊なのでお金はかかりません」という上手い話しだったので、実現しないと思っていたら、やっぱりそうだった。
「りすさんが街に来るときは、逢いましょう」と何度も書いてきているが、一度も達成されたことはない。
理由は「急に具合が悪くなりました」と、本当のことを書いてくれる。
そうさ、彼女の具合の悪さは一生続くだろう。
適当に、B子さんと付き合っていこう。
なぜか本気で彼女が嫌いになれないのはどういうわけだろう、って自分で自分のことが不思議でならない。













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