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林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

透明人間

2014-11-15 | あらら!

この団地には、透明人間の家族が住んでいる。
行きと帰りでは、フェンスを上る沓の位置と向きが、違っている。

寒くなってきた。
透明ママは、透明なボクを早く迎えに来ないと。

141115


めまい

2014-11-14 | 林住期

ラジオ体操で親しくなったシゲさんが、体操が始まる直前に「めまいがする」と言った。
家まで「付いてくよ」と言った森生を振り切り、シゲさんは一人で帰って行った。

翌日は休み、2日目にシゲさんは出てきた。

  天井がぐるぐる回ってね。でも寝てたら自然に治ったよ。
  医者が嫌いだから、医者に診せるのは死亡診断書を書いてもらうときだけ。

などと重いお言葉だ。
国はシゲさんに感謝状を出さなければいけない。老人はこれでも気を使ってるんだよ。

毎年、高齢者の医療費が増え、国は困っているそうだ。
あれこれ小手先の対策を弄するよりも、確実な対策があるけれど、だれもが沈黙している。

それは、老人がさっさと死んでしまうことだ。そうなれば認知症も徘徊も介護も要らなくなる。
だから長寿を世界に自慢することはもう止めよう。iPS細胞は健康保険を適用せず、金持ちだけに使わせればいい。

小学生には
英会話より因果応報を教え、老人には極楽往生と輪廻転生を説くことだ。

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APECブルー

2014-11-13 | 床屋放談

大気汚染が酷い北京に、この数日、青空が戻っているそうだ。
APECを開催中なので見栄を張って、工場の操業を停止させたり、自動車の運転を制限した効果なので、APECブルーと皮肉っていう。
その手段は内政問題だからどうでもいい。空が澄むのは日本のトク。
APECブルーは熱烈大歓迎だ、どんどんやってくれ。

なにしろ世界第2位の大国だ、大型国際会議は、今後、全て北京や上海で開催すればいい。
ついでに東京オリンピックも、北京に買い取ってもらおうよ。

一時しのぎの破れ鍋閉じ蓋対策でも、続けてやっていれば空気はいつもきれいになる。汚染物質がジェット気流に乗って日本に飛んでこなくなる。
巡り巡ってエボラウィルス的拡大路線や無茶苦茶な海洋進出にブレーキがかけられる。
APECブルーをバカにしないで、みんなで拍手喝采しよう。

ところで、中国は戦勝国として国連の常任理事国であり、拒否権を持つ。それでいて「世界第2の強勢大国」は、国連分担金をいくら払っているのか。
当然、日本以上に払ってるよね。朝日新聞、調べて下さい。

また、中国の原発は安全なのか。怪しいものだ。もし爆発したら間違いなく放射性物質が日本に飛んでくるのだ。
現場の長は直ちに銃殺されるだろうが、近隣諸国への責任や賠償は誤魔化すに決まっている。事故そのものを隠蔽することだって考えられる。
日本の原発反対運動の対象には、中国原発も入れた方がいいと思う。

絵は梅原龍三郎の「雲中天壇」と「北京天安街」。

141113


三四郎相関図

2014-11-12 | うわごと

朝日新聞は漱石のこころに続き、最近は三四郎を載せている。
こころは名作だそうだが、あんなに長い遺書を書く粘り強い先生が、自殺をするなんて不自然だよ。横溝正史の小説みたいな遺書の使い方だ。
本当に名作なにかねぇ。だいいち、尻切れとんぼで終わった感じがする。

しかし三四郎は面白くなりそうだ。特に女性の描写が実に細かく、勉強になりますね。
ただ困ったことは、まだ始まってからさほど経っていないのに、登場人物が頭の中でこんがらかってきたことですね。与次郎? 野々宮君?..........。

もちろん、原稿料ゼロで百年後の朝日新聞を助けている漱石先生が悪いんじゃなく、じじぃの記憶力に問題があるんです。
そこで朝日新聞にお願いがある。

連載は月~金なので、毎週月曜日は三四郎の上にある社説を半分にして、前週金曜までの登場人物中、後々再登場する重要人物の相関図を載せて下さい。
この書生はあの虞美人に好意を寄せている、あの先生とかの坊ちゃんは揉めているとかを、図式で整理して欲しい。
そして肩書きと姓と名まで明記してね。もし猫がいたら「名前はまだない」という風にね。



朝日新聞が、今更無理して日替わりの社説を書くことはない、と思うよ。その理由は失礼だから書きません。        
そんならお前さんの「林住記」はどうなんだ、ですって?

すんません、土日だけにしようかと........

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会って下さる習近平

2014-11-11 | 床屋放談

習近平が安倍晋三にやっと会ってくれたとマスコミは大騒ぎだ。
晋三は少し微笑み、近平は仏頂面。始めから言われっ放しで晋三の負け。別に晋三に味方する気はないが不愉快だ。

そもそも、二人は会って何を話すのか。普段はぺらぺらの晋三坊ちゃまは睨まれてもそもそ、叩き上げ近平はガタガタと言いたい放題だろう。
日本を70年前にどうしても戻したい晋三と、対日強硬姿勢を変えられない国内事情を抱える習近平に、始めから終いまで一致するところはあるまい。
巨大な隣国と別れられないのはやむを得ないが、なるべく相手に依存しないように、侮られないように、対策を講じるしかない。

会う必要があるなら、習近平が会ってくれることを乞い願うより、習近平が会わざるを得ない立場に追い込む方策を何故考えなかったのだろうか。
膠着状態を変えるために、習近平の手斧の前で焦ってちょろちょろしたら、食われてしまうだけ。
それでも会う必要があるのなら、いっそのこと復古主義者・安倍晋三を辞めさせることだ。

こんな下らないことに気を揉んでいるうちに、日本の赤珊瑚は盗み尽くされるだろう。
あれは密漁ではなく、白昼堂々の泥棒ですぞ。何で世界に中国漁船の不法行為と中国当局の怠慢を訴えないのか。
習近平に会いたいために日本政府は遠慮している、という説を数日前に聞いた。

                                                            

共産党独裁体制をひっくり返す。軍事費を環境対策など民政に振り向けさせる。反体制派の活動家や思想家を日本が匿う。
中国国内と世界に向かって情報操作をする。
このくらいのことを考えたらどうか。

141111


開ければ締まる

2014-11-10 | 林住期

外出から帰ってきて、玄関のカギを開けたら扉が開かない。
いまこの時、鍵が掛かったのだ。

この頃、こういうことが多い。
だから出かけるときはたっぷり時間をとって、電気・ガス・戸締りなどを慎重に確認してから外出しないといけない。

ただ、時間があればあったで、「あれっ、カギはどうしたっけかな」と気になり、途中から引き返し、カギを確認する。
こういう場合、大抵、鍵は掛かっている。そして駅に駆け込むことになる。

時間をとり過ぎるのも考えものだ。

141110


裏山に熊が出た

2014-11-09 | 高麗便り

わが団地の裏山・多峯主山(とうのすやま271m)に熊が出たそうだ。
正確には、多峯主山の南麓・飯能市永田地区の住宅地で熊が目撃された、ということです。

飯能市役所は直ちに捕獲作戦を展開したが失敗。
作戦を終了し、多峯主山への立ち入り注意情報を出している。

最近、森生は多峯主山に上らないので危険はないけど、山頂北直下はわが団地。
熊に飯能・日高の境界線はない。

裏山のことだから、日高市役所も広報車で周知しなくては。

インターネットをじじばばは見てない。
防災無線は周囲の山々にこだましてちっとも聞き取れない
からね。

毎朝通っているラジオ体操の会場でも、熊は全く話題にならなかった。
昨日、団地内で起きた80歳のお婆さんの交通事故死が話題だった。

じじばばは世間が狭く、クマったものですね。

この秋、どんぐりは全くの不作であります。
わが猫額亭が接する市道は、例年、雑木山のどんぐりが散らばる。
車が轢いたどんぐりの油で道は汚れるけれど、今年はきれいなものです。

冬眠前の熊さんもクマってるにちがいありません。

なお熊出没情報は、昨日、山の向こうにある飯能市観光案内所で聞きました。
林住記を見た人は、団地中クマなく広報して下さいね。

写真は山の向こうのスーパーや観光案内所に行く寂しい道です。
数年前は団地に熊が出て、熊よけの鈴を買ったけれど失くしてしまった。
西武高麗駅窓口で、また買わなくちゃ。

141109


飯能エコツーリズム

2014-11-07 | 風に吹かれて

この秋も駿河台大学で「駿輝祭」が開催された。
今年は、学生たちが交通整理やごみ拾いに積極的に動き、頼もしかった。

ルー・大柴氏の講演「人生マウンテンありバレーあり」か「飯能エコツーリズムシンポジウム」のどっちを覗くか、さんざん迷った挙句、エコの会場へ。
会場の壁は飯能の奥地で産出する西川材を張り巡らし、焦げ茶色のいい雰囲気である。

基調講演は獨協大学犬井学長。パワーを写しながら丁寧で分かり易かったが、じじぃは前半を眠っていたようで、全然内容を覚えていない。
昼食後のこの時間は講演者にとっては魔の時間だ。学長先生の講演が淀みなく穏やか。耳に心地良かったのが不幸だった。

広い教室に集まった30人ほどの聴衆は全て関係者らしく、やぁやぁどうもどうも。一般人のじじぃには居心地が悪かった。
パネラーも関係者で、これは締まらない仲間内の話に終始した。

質疑応答の時間に指名された人は、飯能の奥地で開催する「お散歩マーケット」の代表責任者だった。
このイベントはエコツーリズム運動が始まる間から行われていて、主催者によると飯能エコツーリズム事務局が「吸収した」そうだ。
このお言葉は成功している先駆者に対して、ちと失礼では、とじじぃは思いましたね。

下はその代表責任者の話です。(聞き違いがあったらごめんなさい)

   ・私はこの土地に生まれ育った人間ではありません。他所からの移住者です。

   ・今年は4軒の空き家のうち1軒が埋まり、来村客に公開する家が1軒増えました。

   ・村内の数軒の家は家を公開しないけれど、それが自然で、無理に全戸が公開することは、むしろ恐ろしいことだ。

   ・どの家も、少なくとも損をしていないはずだ。僅かだけれど収支はプラスのはずで、これが大切なんです。

   ・毎回大勢の来村客があるのは、山間僻地の農家の生活を覗き見する楽しみにちがいない。

   ・来村客の中から、このイベントを手伝ったり、村民と親戚付合いを始めた人がいる。望外の喜びです。

代表責任者は、会が終了すると、やぁやぁどもどもをせずに、さっさと帰ってしまった。
単に音入れをガマンしてただけかもしれないが、恰好いいなぁと思った。エコに関わる人々は偉いけれど、いわく言い難い違和感がある。

    なお、今年の秋の「お散歩マーケット」は11月16日に。
    お天気ならじじぃも行きたいと思っておりますが。

    飯能市観光案内所「夢馬」に置いてあったざら紙のチラシを転載します。
    行く人はよく読んで、マイカーお断わりとか、軽食・飲み物持参など決まりを守って下さいね。
    飯能駅北口発のバスは混み具合により増発されるはずです。
    
  

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女性は社会進出

2014-11-06 | 風に吹かれて

薬香草園にある洒落たレストラン・ヤハラテナは昼飯時を過ぎても満席だった。
順番待ちの間に、広い庭園と、豊富な品揃えのハーブショップをたっぷり見物しても、まだ席は空いていなかった。

食事は3爺揃って「・・・・バルサミコ酢・・・・」にした。
ヨコメシは何が何だか分からないので注文しにくく、お揃いが無難である。赤信号みんなで渡れば怖くない、というではないか。

店で焼いたカンパーニュ(パンのこと)も、大根に乗せたポーク(豚肉のこと)の塊も、その他の横文字も頗る美味い。
パンの耳でソースを拭き取って食したほどである。

ただ、少し注文を付けさせていただければ、お箸があればもっと楽しくお食事が頂けたようです。
特にレタス・キューカンバー・マカロニのサラダだはね。大豆のシチュー(というのかな?)は珈琲ヌプーンで掬ったから、問題はなかった。

それに、紫と黄色のピーマン(?)とレンコン(ロータスか)は薄く細く長く切ってパリパリに乾燥させない方が食し易いよ。

 

客席の9割以上はアラフォー以上の女性だった。
飯能の中心街では滅多に拝めないセレブなマダムたちである。

晋三クンや朝日の記者は、女性の社会進出が遅れてると叫んでるけれど、ここには十二分以上に女性が進出しているぞ。
 一度、飯能へ社会見学に来たまへ。

で、オットたち男性は、どこへ行ったんだぇ?
レトルトうどんを食いながらペット犬と一緒にお留守番だろ。

 

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もみじばふうの街

2014-11-05 | 風に吹かれて

飯能の美杉台団地へ美しく紅葉したもみじばふうの並木を見に行った。
友だちが門前まで車で送迎してくれ、歩く距離はほんの少し。
ちょっとした大名気分である。いつも悪いねぇ。

空は高く、高台の団地は広く、もみじばふうの並木は見事だった。
でもなぁ。



毎日見物している英国は湖水地方の街並みと較べ、ため息が出る。

狭い歩道に列植されたもみじばふうは、数年先には大木に成長する。
その時、枝は伐採され、棒杭のうようにされるだろう。

並木道の両側の住宅・店舗・学校・集合住宅などの外観・外構はてんでんばらばら。
電柱電線が見えないのが救いだ。

この街の住民も、景観と不動産価値とは関係がない、と思っているようだ。

この団地に住み、何かと意見が多いシャモじぃも、

  電柱に看板? ふ~ん......。

と関心がない。

朝日山公園に上った。

素晴らしい丘の上の広場は広く、公園下の造成地も途方もなく広い。

西から南は、武甲山ほか前秩父・奥多摩から丹沢までの山並みが連なる。
東は眼下の美杉台団地。その先は関東平野で、筑波山やスカイツリー。

初日の出で賑わう、というシャモじぃの話は頷ける。

バブルの後も造成工事を進めたUR機構は、公園の西側の用途を変更し工場団地にする。

住宅地として残した区画は不動産会社にまとめて売却したようだ。
不動産会社は文化住宅を敷地一杯に建て、売出し中である。
数十年後は山の上のスラム街になるのではないか。

 

ま、そんなことはどうでもいい。
昼食は並木道にある薬香草園を見物。
「ヤハラテナ」という洒落たレストランで昼食にした。

美杉台団地は飯能駅南口から、長い坂を上がってくる欅並木も美しいです。
  モミジバフウを漢字で書くと「紅葉葉楓」になります。 

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凹む

2014-11-04 | うわごと

 

凹んでおります。
4回続けた「青豆とうふ」。人気が全然無いんでした。

グーブログは毎月200円支払うとアクセス解析を覗くことができる。
朝、昨日のアクセス解析を見て、無残な成績に激しく落ち込んでるんでありますよ。
大体、世間が3連休なのにしこしこやってたんだからね。まぁ、誰からも「そうしてくれ」なんて言われませんでしたけどね。

もともとわが零細ブログ林住記は、何故か土日祝日に弱い。
それに安西水丸さんと和田誠さんネタじゃぁね。人気ものの平野レミさん(和田さんの奥様)を引っ張り出すわけにもゆかなかったしね。

それは分かってるけど、これほどまでに読者のみなみなさまにシカトされるとは................

零細ブログ「林住記」はじじぃのストレス発散、呆け防止のために書いてるのであって、アクセス数なんか気にしない、と決めてはいてもなぁ。
これじゃぁ、冬を迎える前に立ち枯れだわ

「青豆とうふ」の締めくくりとして、安西水丸展の報告をするつもりだったけれど、墜落の恐れがあるので先送りします
もしかしたら止めるかも。
ただ、リクルート銀座ビルの水丸展は11月20日までで、雑司ヶ谷GAギャラリーの水丸展は昨日で終了しました。
今日はとりあえず、それだけをご報告しておきます。

さてと........。
心機一転、ブログなんかはきれいに忘れ、これから友だちの凸凹三人組と美杉台のモミジバフウ並木を見物に行きます。ふんっ。

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青豆とうふ・おまけは春樹

2014-11-03 | 拍手

新調文庫の尻取り随筆集「「青豆とうふ」は村上春樹氏が題名を付けた。いい命名ですね。
で、文庫版のおまけとして春樹氏が命名の経緯を書いている。また、和田・安西・村上さんたちの交友関係にも触れている。
文章はこの本の雰囲気に合わせて、ふんわりとして、可笑しみがあり、平易。二人に少しも引けを取らず、流石ノーベル文学賞候補だわ。

今日の林住記の記事も、ノーベル文学賞候補の名文を丸写しにするつもりだったけど、今日は止めときます。
零細ブログの記事更新に草臥れ、人の褌を締めればラクになるかと、前3本の記事は文庫本から転記しましたが、丸写しって意外に疲れますね。

こう見えて若い頃はじじぃも村上春樹を読んでいたつもり。ランゲルハンス島の午後、雨天炎天、国境の南太陽の西、レキシントンの幽霊ほかを。
ところが今日の記事を書くにあたりウィキを調べたら、雨天炎天以外は全然記憶と違う。読んだと勘違いしてたんだろうか........。
最近の村上本は分厚く、新刊の売り方があざとく、どうにも好きになれなかった。

和田誠さんは故丸谷才一とのコンビが長く、和田さんが挿絵を描き装丁した丸谷才一の随筆本は全部持っている。

水丸さんの絵は千葉県千倉漁港風で気になってはいたけど、村上春樹氏と組んでいたので敬遠してきた。
いま、それをじじぃは後悔している。

何故かと言うと、水丸さんはこの3月、鎌倉の自宅で脳溢血のため急逝したんですね。
あの頃はまだ「青豆とうふ」を持っていなかったので、新聞で訃報を知った時は「ふ~ん、
そう」程度の感想だった。
和田さんと水丸さんは毎年、青山の小さな画廊で二人展を開催している、と村上さんはおまけに書いている。

その後「青豆とうふ」を読み、銀座と千駄ヶ谷で開催されていた「安西水丸展」は間に合ったけれど、二人展はもう永遠に観られない。
青豆とうふばかりでなく、美味いものは何をおいても、一番始めに食すべきだったのであります。

和田誠さんは三谷幸喜さんと組み、朝日の夕刊芸能欄の噂話に、東京山の手風な軽妙素朴な絵を付けている。
しかし三谷さんには自己宣伝臭があり、既に何冊も出版しているけれど、買うつもりはありません。

挿絵は和田誠、安西水丸。

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青豆とうふ・ありがとうのあとがき

2014-11-02 | 拍手

新潮文庫「青豆とうふ」は和田誠と安西水丸の尻取り共著だから、まえがきを和田誠っさんが書けば、当然あとがきは安西水丸さんです。
今日の記事でも、じじぃはごちゃごちゃ書かず、水丸さんの真直ぐなあとがきを忠実に転記します。
二人の随筆をまさか丸写しするわけにはゆかないので、ご自分が買って、読んで下さいね。

  あとがき・安西水丸

  和田誠さんはぼくにとって憧れの人でした。
  過去形で書いていますが、それは和田さんが照れるといけないとおもったからであって、憧れの人であることは今も変わりません。

  大学生の時、和田さんの絵をはじめて目にし、日本にこんな恰好いいイラストレーションを描く人がいるのかと、むしろ落胆に似た感動を覚え
  たことを思い出します。

  落胆と書いたのは、こんな凄い人がいたら、もうぼくなど一生イラストレーターとして出る幕がないのではないかとおもったからです。

  時々、イラストレーター志望の若者たちに、どのようなイラストレーションをいいと考えているかと質問されることがあります。
  「ぼくは和田さんのイラストレーションが好きです。絵は少しも奇をてらっておらず、都会的な線と研ぎすまされた色彩は的確に目的をとらえて
  おり、誰からも愛され、しかも古くならず、常に第一線で仕事をしている」

  これがぼくの答です。

  2001年の10月、和田さんと「NO IDEA」というテーマで二人展を行いました。
  その打ち合わせの時、和田さんがこんなことを口にしたのです。
  「水丸君と、もう一つやりたいことがあるんだけど.........」
  つまりこれが「青豆とうふ」の口火だったのです。

  第一回はぼくが文を書き、和田さんがイラストレーションを描きました。
  今回は和田さん、どんなことを書かれるのか、今回はぼくの文にどんな絵を描いてくれるのか、毎月それは楽しみでした。
  同時にとてもいい勉強でした。

  和田さんのまえがきにもあるとおり「青豆とうふ」のタイトルは村上春樹さんが付けてくれました。
  重複しますが、その時のことを書きます。

  ぼくは渋谷の小料理屋で春樹さんと食事をしました。
  「あのさ、和田誠さんと連載を始めるんだけど、村上さんに何かいいタイトルを」
  ぼくも春樹さんもビールを飲んでいました。
  「そんな、大それたことを」
  春樹さんは即座に言いました。無理強いはいけない。その後、酒も進みました。
  「あのさ、さっきのタイトルのことだけど........」
  春樹さんは豆腐に箸を延ばしたところでした。豆腐は青豆でできていました。
  「それじゃ、青豆とうふ」春樹さんは例の照れくさそうな顔をして言ったのでした。タイトルが決まったわけです。
  村上さんありがとうございます。

  いずれにせよ憧れの和田誠さんとの共著です。喜びは言葉になりません。
  最後になりましたがこの出版にあたり・・・(以下3行割愛)・・・厚くお礼申し上げます。

  今日、青山の街で初蝉の声を聞きました。夏がやってきました。

ね、和田誠さんがまえがきで書いたとおりの安西水丸さんでしょ?
絵と同様にふんわりと、あるいはじわっと、人の心に入ってくる。憧れの和田さんの絵の特徴を上手くとらえている。

で、今日の記事はこれで終わりですが、この本はこれで終わりかと言うとそうではありません。
最後に、「青豆とうふ」と名付けた村上春樹氏の「文庫版のおまけ」があります。
これがまた、ほのぼのとしたいい文章です。
明日は、おまけ、です。

一番上の挿絵は安西水丸さんによる寺山修司と、後ろ姿は少年時代の和田誠さん。
下は和田誠さんによる「理科教室の人体模型」。手前が安西水丸さんで後ろが村上春樹さん。

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青豆とうふ・しりとり目次

2014-11-01 | 拍手

今日もまた、和田誠・安西水丸の「青豆とうふ」を味わい続けます。
内容は二人の随筆ですが、単なる随筆集ではなく、愉快な仕掛けがあるんですね。
つまり、和田誠さんと安西水丸さんとのシリトリ随筆になっている。

話題はハゲで始まり起承転々。転々々々と繋がって最後はハゲで結ぶ。
目次だけですが、まぁともかくご覧くださいね。

  目次

  安西 ハゲの話

  和田 ハゲの話~カツラ~編集長の伝説~取材の話

  安西 取材の話~建築家~フランク・ロイド・ライト

  和田 F・R・ライト~映画の中の建築~ループタイ~アシモフ~カレル・チャペック

  安西 カレル・チャペック~ロボット~理科室の人体模型

  和田 理科室の人体模型~山口百恵~美空ひばり

  安西 美空ひばり~似顔絵~スノードーム~ワールド・トレード・センター

  和田 ワールド・トレード・センター~キング・コング~初めてのNY~お小遣い

  安西 お小遣い~よい子の会~GIキャップとアメリカ兵~英語向きの声~市原悦子

  和田 市原悦子~昔観た舞台~来日したシナトラとビートルズ~寺山修司

  安西 寺山修司~サラリーマン時代の失敗~芸の話

  和田 芸の話~学生時代の歌

  安西 学生時代の歌~予言~占い

  安西 占い~怪奇的体験

  和田 怪奇的体験~白い着物の女~騙された話

  和田 騙された話~得な人柄~ニセモノ

  安西 ニセモノ~京都嫌い~ファン

  和田 ファン~ファンレター~淀川長治~ジェイムス・スチュアート

  安西 ジェイムス・スチュアート~IVYファッション

  和田 IVYファッション~ブルックス・ブラザーズ~マルクス兄弟~
      アルファベット順とアイウエオ順

  安西 アルファベット順とアイウエオ順~カシオペア座~ニックネーム

  和田 ニックネーム~和田違い~粋な計らい

  安西 粋な計らい~食い逃げ~ローマ~映画で観た景色

  和田 映画で観た景色~俳優の歳のとり方~ハゲの話

.........ふぅ。
随筆を読まなくても。結構面白そうでしょ? 
ちっとも面白くない鈍い人は、この本を買って、読んで頭をふんわりして下さいね。
髪の毛がない人も。

明日は安西水丸さんが書いたあとがきです。

始めの挿絵は和田誠さんの、下は安西水丸さんの挿絵です。
ハゲで始まり、ハゲで終わるというわけ。

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