林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

等々力渓谷と自由が丘

2006-11-15 | 風に吹かれて

夥しい車が轟々と疾走する環八から急坂を下りると、等々力渓谷だった。
今までの轟音が嘘のような、静かな別天地、というより渓谷だ。
紅葉前の木々は亭々と聳え、渓流の水は澄んでいる。

川底はコンクリで固めているようだが、古色を帯びて気にならない。
川岸は石で堤を築いているが、コンクリではないから、まずまずだ。
両側の高い崖下からは水が涌いている。

渓谷の細道は、どこもかしこも高嶺者だ。
名前の由来になった「轟く滝」は、二本の筧から水が落ちて、「轟く」も「滝」も大袈裟だな。



滝壷にあたるところに白衣の中年男女が水行中だった。
何か思い詰めた表情で、水に打たれていたが、衆人環視の中でよくやるよ。
この崖の上が[等々力不動尊]だった。
広くはないが、怪しげな雰囲気のある霊場らしい古寺だった。
境内は銀杏が一杯落ちて、菊花展の芳香を上回っていた。
寺には誰もいなかった。

上流に戻って、赤いゴルフ橋から日常生活に戻って、昼食にしようとしたが、雰囲気の良さそうな店は高嶺者で満席だ。
しかも、値段が1,000円を超えている。
等々力駅から、自由が丘へ行った。

お洒落な街自由が丘は、ごちゃごちゃと狭い路地の街だ。
それでも飯能の商店街よりずっとオシャレな感じだ。

深川偏屈さんが19年前に行った事のある蕎麦の[砂場]を探したが、栄枯盛衰は世の習い、見つからなかったのは、潰れてしまったのだろう。
宮本三郎記念美術館前まで、彷徨ったが見つからず、記念美術館を覗く元気も無く、踏切脇の明るく小洒落たベーグル屋にやむを得ずに入った。

偏屈三人組は明らかに場違いの闖入者だった。
華やかな女性客の中の鼠色3点。

流行のベークルを二つにカットし、生ハムとスライスオニオンとケチャップを挟み、レタスのサラダが付く定食の名前は忘れた。
不思議な味の黄色の濃いポータージュに、コーヒーゼリーが申し訳無さそうに皿に載って、ちまちまと鸚鵡の餌のような綺麗な定食だ。



腹が減って卒倒しそうな三人組にも、大変美味しく頂けました。
お勘定は995円。ドリンクのラテカフェを入れてだから、蕎麦より安いかも知れない。
消化が悪いらしく、腹持ちも良かった。

店の名前は、JUNOESQE BAGEL CAFE 自由が丘店。
読み方、意味を綺麗な店員さんに尋ねたが、電車が轟音を上げて通ったので、聞き漏らしてしまった。
難聴と思われたくないし、注文の際メニューの名前をしつこく聞き直していたのでね。
雰囲気壊して御免なさいよ。

電車の線路沿いに九品仏駅に向かった。


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