林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

曼珠沙華づくし

2010-09-28 | 歌の翼に

幼少の頃、祖父(祖父ですよ)が「♪赤い花なら曼珠沙華、おらんだ屋敷に雨が降る~」と口ずさんでいた。

「曼珠沙華」、というと、「濡れて泣いてるじゃがたらお春」を想ひ出すおじいさんが、まだご健在なんですねぇ。
人間文化財のような方で、戸籍謄本が気になります。

今日は雨。猫額亭も雨ダス。大して降ってはいないけれど、高麗の里では「里芋お秋」です。

大沢悠里さんが、じゃがたらお春は「長崎物語」だ、と教えてくれ、元祖渡辺はま子の唄を聴かせてくれた。
元祖はネット動画には無く、「蘇州夜曲」や「夜来香」や「モンテンルパの夜」ばっかりでガッカリ。

でも「長崎物語」は多くの歌手が歌っている。
始めに長崎観光を兼ねて、カラオケ「長崎物語」をどうぞ。
そして次、必見です。

                ・●●●●「長崎物語」
                  主役は、おお、あの小百合さま! 他、名優続々。

                ・森 昌子 「長崎物語
                  巧い。しかし、なんせ18歳の歌。シッポリしてない。

                ・都はるみ 「長崎物語
                  別の歌ですが、これは実にいい! 男ごころをそそります。

歌は、やはり演歌系が心を打ちますねぇ。
「曼珠沙華」と書いて「まんじゅしゃか」としている歌もある。

                ・山口百恵「曼珠沙華
                   う~む、静止画で惜しい。でも いいオンナだなぁ。

                ・藤あや子「曼珠沙華
                   負けず劣らず。しかもあでやか!

                ・宇崎竜童「曼珠沙華
                   自作自演。鬚面が出なくて良かった。

......「じゃがたらお春」を覚えてる「肥り気味じいさん」。間違えてませんでした。先輩は、もはや人間国宝です。

何を書いてたっけ? ........ ああ、そうそう、曼珠沙華だ。しかもただの曼珠沙華じゃないよ。

不肖森生は、えへん、北原白秋の詩に山田耕筰が曲を付けた「曼珠沙華」が大好きです。
白秋は「ひがんばな」と読ませている。見かけと響きを大切にしていて、流石、白秋。

柳川の方言を取り入れた詩とこの曲は、不気味である。童謡とするむきもあるが、明るく楽しい歌ではない。
GONSYAN(良家の娘)は、出戻かふしだらの果てか、数え年七つの子に死なれたようだ。

死んだ子の墓参り姿は凄愴として彼岸花に似つかわしい。
山田耕筰は歌手に、凄みと暗さを、と注文を付けた由。

                「曼珠沙華」   

                GONSYAN GONSYAN 何処へゆく
                赤い お墓の曼珠沙華
                曼珠沙華
                今日も手折りに来たわいな

                GONSYAN GONSYAN 何本か
                地には七本 血のやうに
                血のやうに
                ちょうど あの児の年の数

                GONSYAN GONSYAN 気をつけな
                ひとつ摘んでも 日は真昼
                日は真昼
                ひとつあとから またひらく

                GONSYAN GONSYAN 何故泣くろ
                何時まで取っても 曼珠沙華
                曼珠沙華
                恐や赫しや まだ七つ

Youtubeを探しても、白秋・山田の「曼珠沙華」はあまり載っていない。

                ・鮫島有美子「曼珠沙華
                   流石。でもご立派で、聴かせて頂いてどうもすいません、です。

                ・川口  京子「曼珠沙華
                   シックリするが、まだ何かが足りなく、卓袱料理じゃない。

実はテノール歌手・奥田良三の古いLPレコードを持っている。
奥田の歌は同時代に活躍した藤原義江と共に、調子っ外れのところがある。
だが、奥田の「曼珠沙華」は狂おしく、却ってそこがいい。

奥田も藤原も既に忘れられているようだ。
下は慣れない方の動画だが、歌い方が奥田に似ている。
フルオーケストラ伴奏の奥田より巧く、捨て難い。

               那須湯元金田山荘で収録した「曼珠沙華

●お詫びとお願い
「必見」と書きながら、吉永小百合さまが主演、佐藤慶助演「長崎物語」を紛失しました。
丸山芸者と明治の軍人姿に扮し、レトロな雰囲気に満ちてました。
動画検索で偶然発見、記事に貼り付けようとしたら行方不明。
Youtubeって一期一会なんでしょうか。
小百合さま出演の「長崎物語」を発見した方は、教えて下さいませ。
手配写真は、まさしくこれです▼画像検索で見つけました。

しつこくてすみません。
この歌に就いては過去記事があります。「曼珠沙華」です。クリックすると下に現われます。
ネタが無い日は、何度でも別の記事に仕立てます

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
雨です (小肥り)
2010-09-28 11:44:16
北原白秋の「曼珠沙華」は初めて聞きました。これにはちょっとした思いがありまして・・・
岩波新書「日本語」新版(上)金田一春彦著120ページ「作曲家の苦心」に山田耕筰が「地には七本血のように・・・」に旋律をつける苦労話が出てきます。「地」と「血」のアクセントのことを書いてるのですがボクは意味が解からなかった。聞いてみて・・・わかったのかな、どうだろう。
正調「長崎物語」は渡辺はま子嬢でいいのですよね。
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赤とんぼ (森生)
2010-09-28 12:24:24
小肥りさま
またまた呼び出して すいません

山田耕筰はアクセントに煩く 團伊玖磨が閉口し「赤とんぼ」の「ア」から「カ」に下がるのは 先生の主義とは違うのではないか と指摘しました

先生答えて曰く 正調江戸言葉では曲のとおり「ア」が上になる と

これは確か日本橋育ちの小林信彦氏が 山田説は正しいと裏付けてました
因みに團伊玖磨は九州男子系です

そこへ行くと 湘南育ちサザンオールスターズの桑田クンの作曲は滅茶苦茶ですね
中田喜直も 旋律は抜群だが日本語の扱いがダメ と苦言を呈しておりました

小百合さま主演の「長崎物語」の歌はハマ子嬢のようにハリがないけれど うらぶれていて良かったです

小百合さまの映像が素晴らしく 来年の秋までには探し出しておきますね
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