林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

小さな美術館

2007-09-22 | 高麗便り

 

 「小さな美術館」館長である吉岡幾哉先生の個展が、飯能のまるひろ百貨店で開催されている(~9/24)。

森男は吉岡先生の絵をもう20年近く見ているけれど、作風は全く変わらない。
海がお好きなようで、広い海原を背景にして博物画風の鳥や虫や花を配置し、超現実的な細密画はルネ・マグリットに似ている。
大物に似ているし、ずっと変わらないので、申し訳ないが絵の感想は「...........」。

  「悠海景図」 吉岡幾哉

「小さな美術館」は、高麗本郷の清流という集落にある。
巾着田から高麗神社に行く途中を左(西)の谷戸へ入ると間もなく、鮮やかな青色の美術館が目に入る。

美術館といっても、先生の自宅アトリエである。
玄関を入って直ぐの部屋を開放し、時々お仲間の作品展もある。
先生の奥様は切り絵作家であり、この方の作品は素直に楽しめて、こちらの方が実は好きである。

先生は温厚な紳士。奥様は快活で愛想がいい。ご夫妻は温かく迎えてくれて、寛げる気持ちのいい美術館である。
先生の絵を好きになる人も多いはず。

清流は素晴らしい集落だった。
鯉のぼりが泳ぐ初夏や、晩秋の明るく伸びやかな風景は、初めて見た時から亡くした故郷のようだった。

「小さな美術館」

しかし、残念ながらここも急速に俗悪化が始まっている。
そして残念ながら「小さな美術館」も実は目障りである。
鮮やか過ぎる青色が周囲の風景から突出しているのだ。問題にされている楳図かずお邸の赤白模様ほどではないが、やはり里山の景観を壊している。

楳図先生には偉大な実績がある。だが最近は本業の漫画を休業中らしい。
才能が枯渇して、作品の代わりに衣服や住宅で自己主張しているのでなければいいが.....。
衣服なら変わってる、で済ませるが、住宅の外観は公共のもの。その辺を弁えないのは幼児と同じですね。

清流の集落は、日高市の「観光活性化」には大切な場所である。
道路を広げ、駐車場を作り、飲食店などが進出しても差し支えはない。
但し、農村風景を保ち、積極的に演出する方針があれば、の話しである。
今のままではこの懐かしい集落は、どこにもある雑多な住宅街になってしまうだろう。

ご夫妻とも紳士淑女です。
今度ペンキを塗り替えるときには、もっと抑えた色彩にして下さいね。
自己主張は作品でお願いします。

 

美術館の近くに隠れ家風の洋食屋がある。名前は「シェ・ノワ」。
外観は汚いが、店内からの景色はいい。
高麗神社、聖天院、美術館と組み合わせて、周囲をたっぷり歩けば味は最高。
清流で清遊することも高麗の魅力です。

美術館・洋食屋とも、開いているかどうか、事前に確認が必要です。



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