林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

あの手この手

2008-01-19 | 床屋放談

  (1/12朝日夕刊より)

 日本の対北朝鮮問題は膠着状態だが、どうも置いてけぼりになりそうだ。
何もかも米中が決め、請求書だけ日本に回してくる可能性が高い。
政府は例によって、事態の推移を慎重に見極め適切な対応をする、のだろう。

アメリカと北朝鮮の初の文化交流はニューヨーク・フィルのピョンヤン公演になるそうだ。

この公演の資金はベネチア在住の日本人富豪チェスキーナ・永江洋子さん(75)が提供している。
洋子さんは以前から世界各地の管弦楽団や有望な音楽家への支援を続けているが、政治的思惑が絡む今回の公演を支援するのは異例とのこと。

米朝関係が改善し、拉致問題の置き去りを懸念する日本国内の評判が気になったが、

   関係を友好的な方向に持っていき、
   そこから問題を話し合うという方法もあるのではないか。
   私は「音楽が好き」の一心。音楽を聴くと楽しい。
   それが何かの糸口になってくれれば。

と考え、敢えて支援することにした、と言う。

洋子さんは熊本出身の元ハーピスト。留学中に出会い結婚した夫のレンツォ・チェスキーナ氏の遺産をもとに、ご自分が評価する多くの音楽家への支援を続け、今売れっ子の指揮者ワレリー・ゲルギエフもその一人というから大したものだ。

拉致被害者家族の方々が強硬なのは当然だと思う。経済制裁を続けろ、と言うのは止むを得ないと思う。
だが経済制裁はいくら日本が徹底しても、殆ど効果が無いことはもう分かってきたことではないだろうか。
そろそろ篭絡懐柔策も考える時期である。
経済制裁一本槍では、古い話だが、乃木大将の旅順港攻めのような気がする。

どうも、洋子さんの方が、外務省の高級官僚よりも柔軟なようである。
外交にはあの手この手が必要なのではあるまいか。

それにしても、日本女性の行動力は凄いものだと思う。
この方に外務大臣をお願いしましょ。

▲洋子さんの後ろは、所蔵する14世紀の宗教画で、重要文化財の由。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿