コンビニからの帰り道。長い上り坂をゆっくり歩いていた。
ら、ややや、小柄で若いじじぃがよろよろと森生を追い抜いていくではないか。
10mくらい間を開けられて考えた。
抜かれたままではじじぃが廃る
森生の方が脚が少し長い。とりあえず歩幅を拡げた。
それでも間が詰まらないので、脚の開閉速度を上げ、ようやく追いつき追い抜いた。
が、一定の間隔をあけ、若よれじじぃはついてくる。
振り返るのは癪なので、そのまま前を睨み、速足で歩いていた。
しかし、足音は付いてくる。
わが猫額亭が見える角で、森生の心臓は喉から飛び出しそうになっていた。
もはや これまで
森生は立ち止まり、垣からはみ出てる庭木を掴み、新芽を観察する素振りをした。
しかし、肩で息をしているのを隠しようがなかった。
小柄なじじぃはよたよたと森生を追い抜き、10m先で立ち止まった。
そしてこっちを振り返り
どうしたの? 大丈夫?
とにやっと笑った。
べ・べ・別に
と答えるのがやっとだった。
その後、あのじじぃに遇ったことがない。
あのあと自宅で倒れたんだろうか。それならいいが、今後、同じ道を歩かないでくれ。
お願いします。
190122