長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

生ける伝説!! 岡山のプリキュアさん「キュアまこぴー」を見よ!! ~本文~

2023年10月22日 11時22分28秒 | アニメらへん
≪知る人ぞ知る伝説のプリキュア「キュアまこぴー」に関する詳細は、こちら!≫

 え~、それで本題なんですけれどもね。

 前置きはほんとに省略しちゃうんですが、まず日本の中国地方に実在するプリキュアさんの話をする前に、その前提として2004年から続く東映アニメーション、そしてテレビ朝日「ニチアサ枠」の伝統シリーズである「プリキュアシリーズ」に関する極私的なつれづれをば、ほんとにちょっとだけ。
 今さらプリキュアシリーズの説明など、我が『長岡京エイリアン』を訪れるようなもの好きな方々には不要かと思われるのですが、今年2023年はシリーズにとって特に重要なアニバーサリーイヤーに設定されているようで、今年の2月から放送されているシリーズ第20作『ひろがるスカイ!プリキュア』は「シリーズ20周年記念作品」という金看板がついており、来月9月に公開される予定の映画もまた、歴代シリーズの人気プリキュアたちが大挙して登場する『プリキュアオールスターズ』シリーズの最新作となるようです。ものすごい活況!
 ただ個人的には、2004年放送開始のシリーズの「20周年記念作品」が2023年放送開始の作品というのが、ちょっと釈然としないものがあるのですが……振り返るとプリキュアシリーズの10周年記念作品が、ふつうに2014年放送の『ハピネスチャージプリキュア!』だっただけに、なおさら気になるんですよね。なにをかさほどに急ぐことやは、ある!?
 わたくしの推測では、このプリキュアシリーズの不思議なカウントルールの変更は、おそらく同じように今年2023年が「放送開始10周年」というアニバーサリーイヤーとなる『キッチン戦隊クックルン』シリーズをつぶしにかかるための奇策かと思われるのですが……真相はよくわかりません。同じ変身ヒロイン同士、仲良くしてくだされ! 3代目クックルン、万歳!!

 また、男性である私とプリキュアシリーズとの関係の遍歴をかいつまんで語らせていただきますと(ほんと、個人ブログでしかできない愉悦……)、はっきり言いまして私が本格的に興味を持ち始めたのは、恥ずかしながらもシリーズ開始からだいぶ時間が経過した2014年の『ハピネスチャージプリキュア!』からでして、それも生活上の必要があってなんとなく勉強してみた、みたいなビジネスライクな始まり方だったのです。
 それからまぁ10年くらい時が経ちまして、さすがにシリーズ全話を毎週チェックするような時間的余裕も持ち合わせておらず、特に日曜日の朝なんかグースカ寝てるに決まってるみたいな生活サイクルにもなっていましたので、過去作品も併せて全体的になんとな~く知ってると言えるくらいの知識は持ったかな、みたいなゆるさにとどまっている状態です。
 我が『長岡京エイリアン』でも、劇場版作品の諸作をレビューする「準備だけはできている」という状態の記事がゴロゴロ塩漬けになっているていたらくなのですが、これはやっぱり、アニメ作品として非常に質の高いテーマ性が込められている意欲作が多いからなんですよね。芸能人ゲストの声優起用という「悪癖」はありながらも、基本的には実力のあるプロの声優さんがたが一堂に会するシリーズですし。
 いやほんと、これらの劇場版作品群のレビューは、いつか必ずやります! 需要があるかどうかは度外視ですが……待っておられるなんていう奇特な方、もしもいらっしゃったら、ほんとすんません!!

 まぁそんなこんなで、もはや日本人であったら聞いたことがない人はいないのではないかという一大ブランドとなったプリキュアシリーズなのですが、親御さんが安心してお子さんに見せられる子供向けアニメという性質上、守るべきルールはガッチリありながらも、例えば今年の『ひろがるスカイ!プリキュア』においては「イメージカラーが青のプリキュアが主人公」、「シングル家庭で育ったプリキュアの登場」といったように、社会情勢の変化に応じた史上初の試みがアグレッシブに取り入れられており、その中でも特に話題性が高いのが、「史上初のレギュラー男性プリキュア」というトピックなのではないでしょうか。

 女児向けのアニメ番組なのに、男のプリキュア!? 唐突に効くとビックリしてしまうような話ではあるのですが、さすがは20年の歴史を擁するシリーズといいますか、今年の男性プリキュア=キュアウイングの誕生に至るまで、シリーズでは徳川家康に匹敵する忍耐強さで製作スタッフ陣がこつこつと前提土壌を醸成してきたあゆみがありました。
 すなはち、「男性のプリキュア支援者(『フレッシュプリキュア!』など)」、「妄想の中で語られた男性プリキュアの可能性(『ハートキャッチプリキュア!』)」、「プリキュア好きが高じてプリキュアを名乗った男性芸能人(『スマイルプリキュア!』)」、「プリキュアの超能力のみを科学的分析で搭載したスーツを着装した男性(『ドキドキ!プリキュア』)」、「女性プリキュアに変身する男性悪役(『ハピネスチャージプリキュア!』)」、「きわめてプリキュアに近い超能力を有した男性(『キラキラ☆プリキュアアラモード』)」、「特例的に一度だけプリキュアになった男性(『HUGっとプリキュア!』)」、「もはや老若男女分け隔ての無い人類プリキュア補完計画(同じく『HUGっとプリキュア!』)」、そして昨年の「プリキュアとレギュラー出演的頻度で共闘する男性ヒーロー(『デリシャスパーティ♡プリキュア』)ときて、満を持しての今年のレギュラー男性プリキュアと……これまさに、石橋たたきまくりの慎重の上に慎重を期した隠忍自重の歴史!!
 しかも、よくよく観てみれば今年の男性プリキュアだって、「人類ホモサピエンスの男性プリキュア」じゃありませんからね。鳥類! 鳥類のオスのプリキュアですから。禽獣史上初のプリキュア(いわゆる禽プリ)としては画期的なのかも知れませんが、ここが完全無欠なゴールではないということで、来年以降も、「男とプリキュア」という大問題は継続して審議されてゆくことでしょう。深いな~!!

 ここでちょっとただし書きを入れておきますが、シリーズ20周年記念企画の一環として現在、シリーズ史上初の「オリジナル演劇作品」として、『 Dancing☆Star プリキュア』(2023年10・11月 東京・大阪で上演予定)というタイトルがアナウンスされており、そこに登場する新プリキュア5名が全員、人間の男子高校生らしいという驚天動地の新情報が入っております。でも、これ……いや、大いにがんばっていただきたいところなのですが、公式のお達しとはいえ、はいそうですかとすんなり受け入れる気にならないんだなぁ~、わたし! なんか釈然としないというか、プリキュアとして認識できないというか……私が男だからなのか、作品をホイホイ見に行けない地方在住だからなのか、『テニミュ』みたいなイケメンステージ文化に全く疎いからなのか。まずまず、今は静観しましょう。彼らがアニメの世界に、ゲスト扱いでも何でもいいから入ってきたら、認める!!

 でもまぁ、20年という歳月を費やしても、鳥のオスがプリキュアになれるのがやっとってんですから、人間の男性がレギュラー出演クラスのプリキュアになるのって、そんなに難しいことなんだなぁ。宇宙人とか精神体とかもののけ(人魚)だってプリキュアになれるのに! どんだけ高い未踏峰なのでありましょうか。

 されど、されど。

 日本の中国地方に、ひとり、公式プリキュアシリーズがこれほどまでに過酷なハードルと想定していた「男性」という壁を、キュアウイングをさかのぼること実に13年前、あっという間に軽々と乗り越えて変身を遂げたプリキュアが、すでにいたのだ!! 男性……? いや、性別はプリキュアです!!

 まず、これだけは声を大にして言わなければならないのですが、キュアまこぴーさんは化粧はしっかりしていても、「着ぐるみ」を着ているわけでは絶対にありません。ほぼ素顔でプリキュアに変身しているのです。
 これ、ほんとにものすごい難行ですよ……しかも、「旅の恥はかき捨て」的に、自分の実生活に関係の無い遠方に出かけて変身しているわけじゃないんです。がっつり自分が居住して仕事をしている生活圏内でほぼ定期的に変身しているんですよ!
 とてつもないことです。当然、変身を13年続けているその体力も尋常ではないのですが、まずその行動の原動力として、「自らの行いにいっさいやましい部分が無い」、つまりは何も隠す必要が無いという精神の硬度が、もう人を超えてダイヤモンド級ですよね。生きながら神話になりつつあるお方なのじゃ……
 このようなお方を、最近ちょっとニュースになりかけた性犯罪者と一緒にしちゃあ、いけませんよね。これこそが、仮装と変身の違いなんですよ。「何も隠さずにすべてをなげうつこと」こそが、真のプリキュアに変身できるようになる最低条件なのです。そういう意味で、プリキュアの変身は、昭和の仮面ライダーの変身とは微妙に違うニュアンスがあるんですよね。プリキュアはどっちかというと、人類のために命をささげる行為が認められて変身できるようになるウルトラシリーズのほうに近い自己犠牲の精神があると思います。昭和ライダーは、行き過ぎた科学の犠牲になって変身する身体になってしまったという哀しみもあるし。

 変身し続けるキュアまこぴーさんは言わずもがななんですが、周囲の倉敷市および岡山県の皆さんの中にも、その活躍を認めたり、むしろ応援したりする方が多いということにも驚きます。これが、10年以上続けるという時の重みのなせる業なんですかね……ふつうの一般市民だったら、プリキュアの応援なんかしてられずに、ほうほうのていで悪者から避難するのがやっとですよ。岡山の皆さんは応援どころか、激烈なバトルのすぐ近くで海水浴とかスキーに興じてられるんだもんね。さすがは桃太郎の故郷ですわ。

 完全に余談なのですが、私、千葉県で独り暮らしをしていた時に、松戸市の大きな公園で開催された市民フェスティバルに運営ボランティアで参加したことがあるんですよ。その時に、当時の最新プリキュアチームのコスプレをした4~5人の集まりを見かけたのですが、遠巻きに見て笑う人はいても、直接声をかけたり一緒に写真を撮ってもらおうとしたりする猛者な親子連れは、まずいなかったですよ。ご本人たちの振る舞いや意図に関わらず、やっぱりこういったコスプレ扮装って、コミケやハロウィンといったそうとう強力な「場の空気」というか、参加者全員の「そういう人たちがいてもおかしくないところ」という意識共有がちゃんとできていないと、明らかな異質感というか、「やばい人がいる……」みたいな張り詰めた緊張が走るもんなんだと思います。決して悪いことをしてるわけでもないのに、ほぼ瞬間的に「見ちゃいけないもの」に指定してしまう脳みそが確実にあるんですよね。例えが適切でないことを承知の上で言いますが、電車の中に一風変わった人がいる時って、車内の他の人達って一言も話したり目を合わせていなくても、「あの人、見ちゃだめ……」みたいな警戒アラームが気づいた全員の脳内に発信されるじゃないですか。ことの重大性が全然違いますが、コスプレしてる人って、周囲に与える影響の種類がそれに通じるところはあると思うんですよ。やっぱり見る人が無意識に身構えてしまう危険性を感じてしまうというか。こういう感覚におちいると、私達人類も今でこそ霊長類だとかなんとかデカい口をたたいてはいますが、その DNAにはいにしえのご先祖ネズミさまの危険察知本能が残っているのだなぁ、としみじみ実感いたします。インパラとかシマウマみたい。
 ともかく言いたいのは、そこが休日のイベント会場であろうと、コスプレをされている方に近づいたり話しかけたりするのは、そうとうな勇気が必要になる抵抗が発生してしまう、ということなのです。ましてや、その方が人々の認知と親しみを集めうる日常的な風景になるなど、とてもとても……
 ところが、なんとその集団意識のハードルを乗り越え、その地のゆるキャラに近い存在になりおおせているコスプレイヤー……いやいや、プリキュアがいるというのです。それこそが、かのキュアまこぴーさん、その人なのだというのですよ!!

 要するにキュアまこぴーさんは、一般市民のみなさんに浸透しているヘンな格好の人への警戒感を、休日の変身出動の愚直なまでの繰り返しと回数の積み重ねによって、「でも、けっこうよく来る人よ。」だったり「昔からいるよなぁ。」という認識を加えることで少しずつ無効化しちゃってるんですよね。この、「なにやってんだあいつ……」という冷たい視線を受けながらも、いつか来る共存共栄の日のため耐えて耐えて耐え抜く姿って、もはや聖人としか言いようのない域に達していると思います。行基上人みたいな無心無欲の草の根活動ですよね。一体なんのためにやってるんだろうって……そりゃあんた、岡山の平和を守るために決まってますよ!
 まさに雨だれ石を穿つといいますか、さざ波が海岸の巌を削っていくかのような、見返りをいっさい求めない努力の日々。この、岡山県民の心の ATフィールドをクイックルワイパーで拭い去ってゆくかのような行の日々こそが、キュアまこぴーさんの偉業の本質なのではないでしょうか。これもう、ヒロインっていうか修験者や修行僧の世界よ……

 余談ですが、そういえば岡山県倉敷市って、毎年秋に「金田一耕助1000人コスプレ大行進」みたいなイベントも自治体主催でやってらっしゃいますよね。コスプレに寛容な土地柄なのか? ちなみに、こっちのイベントは2009年から始まってるらしいですよ。なんか、2010年から始まったキュアまこぴーさんの活動と妙に歩調が合っているような……よもや両者には、なんらかの相関関係があるとでもいうのか!? きぃちがいじゃがしかたがない!!

 ここで、キュアまこぴーさんの2010~21年、計49話にいたる変身と孤独な闘いの悠久の歴史を振り返ってみたいと思います。2023年の10月時点で、2021年のキュアアース回以降、待望の最新第50話はいまだ発表されていないのですが、ご自身が全くお変わりなく元気に休日変身を続けておられるご様子は、キュアまこぴーさんの SNS日記でもうかがえます。どうやら今年の夏はキュアバタフライに変身する機会が多かったようですね。そうくると思ったよ~!
 さらに、実はつい先月の9月24日には、キュアアースとラテ様が登場する『とりあえずプリキュアに変身してアレを守ってきた』という最新エピソードが更新されているのですが、こちらは当時話題となっていた大手中古車販売業者の保険金不正請求問題をネタにした、写真画像にして7枚で終わる4コママンガ的ショートストーリーになっていますので、我が『長岡京エイリアン』としましては、こちらは話数カウントに入れないことにさせていただきます。記念すべき第50話は、いつになるかナ~!?

 先ほど、「キュアまこぴーさんが今年変身するならキュアバタフライだろう」と申しましたが、実は、キュアまこぴーさんが変身するプリキュアには、ファンならすぐにピンとくる法則性のようなものがあります。
 前回の資料編でもまとめたように、キュアまこぴーさんが『とりプリ』シリーズで変身した主人公プリキュアは、第1シーズン(全14話)の共通主人公であるキュアパッションから最新第49話のキュアアースにいたるまで21名いるわけですが、ここで、彼女たちの特徴に応じた内訳を分析してみましょう(特徴の重複は便宜上省略しています)。

〇へその出ている衣装のプリキュア …… キュアベリー、キュアメロディ、キュアサンシャイン、キュアマーメイド、キュアエール
〇 TV版の主人公プリキュア    …… キュアピーチ、キュアブロッサム、キュアハッピー、キュアハート、キュアラブリー、キュアミラクル
〇光堕ちしたプリキュア      …… キュアパッション、キュアビート
〇黄色の衣装のプリキュア     …… キュアパイン、キュアハニー
〇紫色の衣装のプリキュア     …… キュアソード、キュアアース
〇その他             …… キュアアクア(青)、キュアリズム(白)、キュアショコラ(赤)、キュアミルキー(緑)

 かなりざっくりとした分け方で恐縮なのですが、こうして見ると、キュアまこぴーさんが変身に選ぶプリキュアの条件がほの見えてくるのではないでしょうか。やっぱへそだね~!!
 すなはち、シリーズ草創期は当時すでに放送されていた『フレッシュプリキュア!』(2009年)のキュアパッションを中心にエピソードを作り(2010~11年)、その後は漸次リアルタイムで放送されていたプリキュアシリーズの主人公を主軸に置いたエピソードを制作する発展期に入っていきます(『ハートキャッチプリキュア!』~『魔法つかいプリキュア!』の2011~16年)。そして、それ以降は一般的に最も人気のある主人公プリキュアにこだわらず、ご自身の変身したいプリキュアをシリーズ作品ごとに選んでいく円熟期(2017年~)を迎えて現在に至るわけですね。なるほど、そうすると『とりプリ』は3期に分けることができるわけか! 歴史の厚みを感じます。

 これはファンにとっては周知の事実なのですが、キュアまこぴーさんは単にプリキュア愛がちょっぴり度を越しているというだけにとどまらず、『アイカツ!』や『ポケモン』といったアニメの他作品への造詣も深く、世界のボードゲームや昭和末~平成初期のパソコンゲームにも尋常ならざる情熱を注ぐ多彩な趣味人としても知られています。あと、地域の子どもの交通安全と自動車運転の法規順守にも、地元の警察署で表彰されるほどの意識の高さを見せておられますね。とにかく、社会人として模範的常識を徹頭徹尾身に着けた岡山紳士であるというわけです。
 そんなキュアまこぴーさんですから、おそらく『とりプリ』シリーズの発足当初は、当時放送終了したばかりの『フレプリ』を元にした写真投稿作品を作ってみようという程の発想で、ちょちょっと始めてみたのかもしれません。それがここまで続くとは……

 それにしても、キュアまこぴーさんが『フレプリ』の中でも、なぜに主人公のキュアピーチでなく、まずキュアパッションに変身したのかという疑問には興味があります。キュアパッションと言えば、最初はそれなりに人気もあった悪の組織の女幹部イースが、キュアピーチの不動明王のごとき愛にあふれた鉄拳によって正義の道に目覚め、いったん死亡してから転生してプリキュアの追加戦士になったという、正史プリキュア史上でも特筆すべき経歴をたどった「光堕ち」の草分け的キャラクターです。この紆余曲折の人物を最初の変身に選んだというあたり、キュアまこぴーさん自身にも、そうとうに山あり谷ありな前半生があったのではないでしょうか。そう考えてみると、キュアパッションの人となりを語る上で欠かせない口癖「精一杯がんばるわ!」にも、現在に至るまでのキュアまこぴーさんの行動原理に通じるものがあるような気がしてきます。変身すること自体は少なくなっても、キュアまこぴーさんの原点は、やっぱりキュアパッションなんですね。

 実は私にとってもキュアパッションというキャラクターは、今や80名近い大所帯になってしまったプリキュアオールスターズたちの中でもちょっと特別な存在でして、最初に申したように私自身は本格的にプリキュアシリーズへの興味を持つようになったのは『ハピネスチャージプリキュア!』からなのですが、当時私にプリキュアシリーズの面白さを教えてくれた恩人が大好きだったのがキュアパッションという縁があったのでした。その人、ことあるごとに「ぱぁ~っしょん! ぱぁ~っしょん!」って連呼してたもんね。時期的に見て、おそらくその人は『フレプリ』本放送よりもオールスターズ映画を観てキュアパッションのことが好きになったようなのですが、それにしても『フレプリ』放送終了から5年経過してもなおその人気ですから。やっぱりキュアパッションって、別格の人気キャラクターだったんですね。千葉のプリキュア師匠のあの人、元気にしてるかなぁ。

 話を本筋に戻しますが、『とりプリ』のキュアパッション編はそれほどの思い入れを持って約1年間連載されたシリーズではありましたが、いかんせんそれは『フレプリ』の放送終了後から始まった作品でありますし、それだけならば、単なるファンによる同人作品として楽しまれていたのみだったのかもしれません。しかし、そこからキュアまこぴーさんは当時放送されていたリアルタイムのプリキュアシリーズに寄り添う形で次々と変身対象を変えていき、その闘いの日々の中に「岡山の名所の四季を織り込んでいく」というオリジナリティを創出せしめたことによって、実在する日本の土地を舞台にするといってもせいぜい横浜みなとみらいどまりだった正史プリキュアシリーズとは全く別の宇宙を生み出すことに成功したわけだったのです。春は倉敷市の玉島の森公園、夏は沙美海岸、秋は玉野市おもちゃ王国、冬は鏡野町の恩原高原スキー場……キュアまこぴーさんに、闘いのない平穏の日々は訪れないのか!?

 どの地での闘いも非常に味わい深い『とりプリ』シリーズなのですが、その中でも特に私が推したいベストバウトは、やはり第2部第19話『雪上の大決戦!キュアサンシャインの孤独な戦い』(2015年2月)になります。これはすごいですよ……
 雪山よ? 一面の銀世界よ!? それなのに、よりにもよってなぜキュアサンシャインに変身すんの!? キュアサンシャインって、へそ出しはもちろんのこと、なみいるプリキュアオールスターズの中でも特に露出度が高いことで有名なんですよ!? 凍死もいとわぬ気か!?
 ましてやキュアサンシャインって、当時から見ても5年も前に放送終了した『ハートキャッチプリキュア!』のキャラクターですからね。2015年に変身する必然性が無いのに……なぜ?
 時期的に見ても、そこは行楽地と言えども厳寒の冬の雪山であることを考慮して、布の多いキュアエースあたりを変身対象に選ぶのが人の常かと思います。しかしそこを曲げて、最も困難なキュアサンシャインの道を選ぶこと。この狂気、この心意気!! これこそが、キュアまこぴーさんをキュアまこぴーさんたらしめる情熱の源泉と言いますか……変身ヒロインの業というものなのでありましょう。

 へそ、ですかね……やっぱ。
 正史プリキュアシリーズとの伴走に加えて岡山固有のプリキュアというオンリーワンな立ち位置を手にした『とりプリ』シリーズですが、確固たる地位を手にしたのちは、特に最新プリキュアシリーズの人気キャラクターにあやかろうとはせず、主に「へそが出ているかどうか」を基準にして変身対象を選んでいきます。『とりプリ』シリーズの投稿が停まっている現在でも、キュアサマーにキュアバタフライと、へそ出しへのこだわりは徹底したものがあります。あとは、キュアアースとかキュアスパイシーとか、奥ゆかしい性格のプリキュアがお好きですよね。
 いや、とにかくキュアまこぴーさんの変身にかける情熱と、それを支える肉体管理、スタイル保持の努力は並々ならぬものがありますよ。私の解釈に間違いがなければ、失礼ながらキュアまこぴーさんはご年齢、50歳を超えておられますよね。それであのへそ周りの細さと開脚の見事さ、そしてお肌のきれいさよ!? 大人も大人、オトナプリキュアを正史よりもとっくに昔からやっておられるワケよ!!
 今月10月から放送を開始して非常に好評なアニメ『キボウノチカラ オトナプリキュア`23』に出てくる彼女達だって、2006~07年のプリキュア活躍時に13~15歳だったわけですから、大人といってもせいぜいアラサーじゃないですか。キュアまこぴーさんはアラフィフなんだぜ!? 人生のレベルがまるで違います。

 こんな感じでくっちゃべっている内に、例によってこの記事の文章も1万字を超えましたので、ここらへんでお開きとしたいのですが、ともかくキュアまこぴーさんの魅力を語るには、これだけでは全く足りません。まずはともかく、ネット上への写真投稿というきわめて不安定な保存状態にある『とりプリ』シリーズを、消えないうちにちゃんと楽しんでいただくこと! そして、これはかくいう私も達成できてはいないのですが、聖地岡山に赴いてキュアまこぴーさんのご活躍を肉眼で確認すること。これに尽きると思います。精悍無比なキュアまこぴーさんだって、普段は一般人として日々、プリキュアのぬいぐるみとステッカーにいろどられたスズキ・ワゴンR で出勤する人間であります。それはもちろん、いつまでもお元気に変身し続けてはいただきたいのですが、人生にいつまでも変わらなく保証されたものなんて、ひとっつもありませんからね……だからこそ人生はすばらしいんですが。

 キュアまこぴーさんの SNS日記をのぞき見させていただくと、どうやら最近、キュアまこぴーさんはプリキュアに変身する上で非常に大切な存在であったある方とのつらい別れを経験してしまっておられるようです。人間、元気だからこそプリキュアに変身もできるわけでね。
 なので今年、映画『プリキュアオールスターズF 』や TVの『オトナプリキュア』といった記念作品を観るだに、キュアまこぴーさんは「あの人も観ることができていたら、どんなに喜んだことか……」という感慨を得ておられるようです。こういった心の痛みを乗り越えて、キュアまこぴーさんは明日からも、岡山の平和と子ども達の未来を守るために立ち上がり、変身していかれるのでしょう。ぷいきゅあ、がんばれー!!

 いちファンとして待望の第50話を気長に待ちつつ、自分自身も岡山の地におもむいて、キュアまこぴーさんのご活躍を応援しに行くチャンスを虎視眈々と狙いたいと思います。金田一耕助コスプレイベントもあるしね!

 昔はよく行ってる時期あったんだけどなー、岡山! ほんと、いい所ですよね。
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