後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

オスもいればメスもいる

2007年11月12日 | Weblog
問題:乳牛はオスもメスも乳を出す
○をつける人がたまにはいらっしゃる

では、最近食べた牛肉はオスだったのかメスだったのか
スーパーに並んでいる豚肉は、オスなのかメスなのか
焼き鳥屋で食べる鶏肉はどうなのか

そんなことを考えて買ったり食べたりする人は
ほとんど皆無であろう

ところが「食肉」を考える上では重要な要素である
もちろん食味が多少なりとも違うが
それよりも「畜産」という「業」を理解しなければ
肉について「美味しい」とか「まずい」とか言っているだけになる

比内地鶏や薩摩地鶏などの偽装で出てきた
「廃鶏」とは給餌に見合う経済的産卵を終えた鶏のこと
従って、全てメスである。
「親鳥」という定義は2種類ある。
廃鶏を指す場合もあるが
雛を生むための育雛場の鶏を指すことがある。
この場合も圧倒的にメスだが、オスもいる。
ブロイラーは、オス・メス半々だ。
ただし最近は孵化後53日程度で食べるので
まだ性ホルモンの影響が少ないので
あまり肉質では分からない

国産牛と銘打っている場合の大半はオスである
乳用のホルスタイン種のオスは乳を出さない
従って単に「国産牛」とある場合はオスが多い
去勢するので、業界では「ヌキ」と称する

「廃牛」…給餌に対して乳量が経済的に見合わない牛は
「飼い直し」と称して短期間に肉牛に仕立て上げる
最近は高カロリー飼料で多量に乳を出させるため
早めに廃牛(メス)が出る
牛の場合は人工授精が普通なので
交配過程のオスが出回る可能性は小さい

豚の場合は、肉にはオスもメスもほぼ同じ確率
人工授精もあるが、多くは系統を自家飼育している
日本では、LWDが圧倒的である。
Lはランドレースだが、オスは不要
Wは大ヨークだが、メスは不要
Dはデュロックだが、メスは不要
また交配過程で出てくるLWのオスも不要
これらの交配過程で”不要”な豚はどこへ?

オスとメスの世界は畜産でも複雑である

さて写真は「止めオス」に使われる
D(デュロック)の純粋種のメスである
アメリカで系統選抜された品種
臭いも無く、色も普通
食べればそれなりに美味
ほんの少しだけ甘みに欠ける程度
純粋種を、それと認識して食べる機会は少ない
Y(中ヨーク)純粋種なら高級和牛並みの価格になる




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