ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

平成三十年度 掃海隊殉職者追悼式 於 金刀比羅神社〜参拝

2018-06-05 | 自衛隊

わたしが掃海隊殉職者追悼式の本番前日に現地に向かったのは、
幹部による本殿参拝とたてつけ、式典のリハーサルを見るためでした。

 

自衛隊で儀式などの会場を設営することを「たてつけ」というのですが、
耳ではよく聞くこの聞く言葉、今タイプしていて

「建て付け」なのか「立て付け」

なのかわからなかったので、ひらがなで記しました。
どなたか正確なところをご存知の方がおられましたら教えてください。

(アップされてすぐ、『立て付け』であるとご指導をいただきました。
ありがとうございます) 

掃海隊殉職者追悼式については、ここですでに一度取り上げました。

元民進党の野党議員が、追悼の辞にかこつけて、明らかにモリカケ問題を
政府に当てこするというゲスな真似をやらかし、その場の顰蹙を買い、
ただでさえゼロに近い支持率をまた減らしていたので、そのお手伝いをするべく
そのことだけにフォーカスしてここで取り上げましたが、本当のところは、
本来の追悼式を取り扱うのに不愉快な話題を混ぜたくなかったのです。

というわけで、追悼式前日の午前中からお話しします。

朝一番の便に乗り、一年ぶりの高松上空にやってきました。

高松自動車道が大きく海岸線に迫っている、ここはさぬき市の
青木海水浴場付近ではないかと思われます。

使用機材はANAの新しい飛行機と聞いていましたが、外に出て見ると
今時ガルウィングではないのがちょっとびっくりでした。
タラップからは機内清掃の人たちが乗り込んでいます。


空港からレンタカーを借り、ナビには金刀比羅神社の参道に面した
資生堂のカフェの位置をセットして出発です。

ところが、そのカフェの名前を入力しようとしてなかなかうまくいかず、
おかしいなと思ってネットで調べたら、(便利な時代です)
「神椿」を「玉椿」と勘違いしていたことが判明しました。

それにハッと気付くと同時に、去年、さらには一昨年も、
「神椿」と「玉椿」を勘違いしたことを思い出しました。

わたしはボケ老人か。

気を取り直してナビの指示通りに車を走らせると、このGPS、
参道と平行に走る、地元民しか通らない超狭い一本道を案内しやがったので、
たどり着くまでの間、向かいから車が来ないかヒヤヒヤ。

おかげでスリル満点のドライブとなりました。

というわけで「神椿」の駐車場に無事車を停め、おなじみの
「えがおみらいばし」を渡っていきます。

この橋、わざわざカフェと駐車場を結ぶためだけに山中に作ったんですよね。

忽然と山中に現れるモダンな建物。
お茶屋や、昔ながらの土産物屋兼飲食店しかないこの近辺で、
そのセンスの良さで鄙には稀な佇まいを見せる建物です。

資生堂と金刀比羅神社の繋がりについては昔このブログでも取り上げました。

聖地にあるせいか、いつ来ても「気」の良さを感じる店内。
追悼式で金刀比羅神社に来る時のわたしの密かな楽しみとなっています。

この日7時の飛行機に乗るために5時起きして以来、
水と紅茶以外何も口にしていなかったので、これが朝ごはんです。

なんとなく白身魚のカツサンドを選んでしまい、

「ビーフカツサンドも食べてみたかったかな」

と軽く後悔するのも、去年と全く同じであることに気がつきました。


実はこの間、自衛官だけが参加して執り行われる、神主が祝詞をあげる
正式な慰霊祭が行われているのをわたしは知っていましたが、

去年現場で感じた、「わたしがここにいてもいいんでしょうか」という場違い感、
ブログに上げるために神事を写真に撮るのは如何なものかという思いから、
今年は見学を遠慮しました。

目にも鮮やかな緑を愛でながら、お茶をお代わりなどして過ごしていると、
掃海隊を撮ることをライフワークとしているカメラマンのミカさんが登場。

二人で挨拶をしていると、横を白い制服の自衛官の団体が通り抜けました。

追悼式を執り行う呉地方総監と掃海隊群司令、そして阪神基地隊から
第42掃海隊司令ら掃海隊員のうち幹部が恒例の食事会を行うのです。

ミカさんに、

「下で食べないか誘われたんですけど、一緒にどうですか」

とお誘いいただいたのですが、そんなとんでもない、と一人で待っていると、
ちょうど観桜会の時に同地方隊に着任された、パリッパリの一尉が、
わざわざ名刺を持ってご挨拶に来てくださいました。

単に見物に来ているだけのわたしなどに、と恐縮いたしました。

例年、この食事会が終了してから、幹部のうち地方総監と群司令は
「海の守り神」でもある金刀比羅の神に内々に参拝を行います。

これは防衛省自衛隊の幹部としてというより、四方の海を護る使命を帯びて
任務を遂行する海の防人としての安全祈願であろうとわたしは解釈しています。

 

何年か前にそういう慣例があることをミカさんに教えていただいてから、
何回か、それを写真に撮る彼女に付き合って本殿まで参拝を兼ねてきていますが、
幹部が参拝に向かう様子を目の当たりにしようとすると、彼らより先に
山頂にある
本殿まで、長い階段を上って到達していなくてはなりません。

下で食事を済ませてきた彼女から、

「まだまだみなさん食事は終わりそうにないです」
(その心は食事にワインが供されているから)

という報告を受けるも、自衛官の脚力というもののすごさを知悉しているので、
わたしたちは彼らがまだ食事をしているうちに石段を上り始めました。

上の旭社を左手に見ながら、賢木門(さかきもん)をくぐります。
この辺りは、石段を上ってきて上がった息をつけるところ。

最後の急な石段を上る手前にある鳥居と手水。
上から陽が射してくる、この光景はいつ見ても神々しいと思います。

これが百度石のある最後の難所、御前四段坂です。
さて、頑張って上るぞー!と気合いを入れて足を踏み出すと・・・

ここであっさり追い抜かれましたorz

日頃鍛えている人たちなので、こんな階段(下から七百八十五段、
神椿からなら二百八十五段)くらいなんでもないんだろうな。

海上自衛隊の白い制服は境内でも人目を引きます。

左側は神札授与所。
制服を着た自衛官が必ず誰か一人はお守りを買い求めています。

その前の玉砂利越しに見えるのは右側に見える本殿への渡り廊下。
南渡殿と言います。

拝殿前にある大きな御神木のクスノキ。
幹の周りは4〜5mありそうです。
高さは25メートルなんだとか。

拝殿ではなんと珍しい、お賽銭の回収作業をしていました。

しばらく待っていると、記帳を行い、祓厄殿でお祓いを受けた
幹部を迎えに、神官が渡り廊下を進んでいくのが見えました。

神官、大変お若くていらっしゃる。

玉砂利のところには、下から登って着たツァーが集合し、
黄色いベストのガイドが本殿などの説明を始めました。

黒い服の女性は最近すっかりスマートになったミカさんです。

神官を先頭に、呉地方総監、掃海隊群司令、地方総監副官、群司令副官らが
渡り廊下を本殿に向かいます。

着任して今年が初めての追悼式参加となる掃海隊群司令は、
久しぶりの掃海隊出身です。

一行が一礼して拝殿脇から本殿に入る姿を確認してから、
わたしたちは
すぐさま追悼式場まで下山することにしました。

絵馬殿の屋根は修理中です。

旭社の拝殿でいつも目を引くマルキン醤油の奉納缶。

式場に到着すると、設営は終わり、慰霊碑前にはすでにテントが立っていました。

そしてすでに現場ではリハーサルのリハーサルらしきことが行われている模様。
青い事業服二人は掃海隊員遺族役、現在行われているのは献花のリハです。

テントの向こうでは儀仗隊が細かくチェックを受けております。

花のリハーサルのために、わざわざ白菊の造花を用意するというこの仕事の細やかさ><

呉地方総監役の女性隊員が、霊名簿の降納を行なっているところです。

国旗掲揚、国旗降納のリハーサルも入念に行われます。

次回、儀仗隊が参加してのリハの様子をお伝えしたいと思います。

 

 

続く。



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3 Comments

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機材繰り (ハーロック三世)
2018-06-05 23:41:38
>使用機材はANAの新しい飛行機と聞いていましたが、外に出て見ると
今時ガルウィングではないのがちょっとびっくりでした。

「機材繰り」ですね。
おそらく画像の飛行機はB737-500です。
従来であればB737-800なのですが、本来の機体が整備に入ったか、ほかの路線で座席の多いものが必要になって引き抜かれてスイッチしたなどの理由だと思います。これはよくあることですね、

特に国内線の飛行機は1日に6-7回ほどフライトしますし、単純往復でない場合が多いので、一旦機材繰りが変わるとしばらく影響が続きます。
返信する
儀仗隊 (Unknown)
2018-06-06 04:23:16
さすがに立付は第二種ですね。この場所に行ったことはないのですが、皆さん、小銃携行で歩いて行かれるのでしょうか。
返信する
皆さま (エリス中尉)
2018-06-07 21:41:47
ハーロック三世さん

「機材繰り」。はー、そんな言葉があるのですか。
わたしはてっきり珍しい従来型の翼を備えた新型機だと思ってしまったのですが、
機材繰りで新しいのが他所に行ってしまった結果これになっていただけだったと。

疑問に思ったことはなんでも書いてみるものですね。勉強になりました。

unknownさん
慰霊碑前の広場にはギリギリまで車を近づけることができるので、
最初はそこから現地に入ってくるので問題ないですが、本番の時には
少し上の駐車場から銃を持ち隊列を組んで石段を降りてきます。
壮観ですし、参拝客は皆目を丸くして驚いて見ていますね。
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