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新春企画・令和元年度 参加自衛隊行事

2020-01-05 | 自衛隊

平成30年4月30日、偶然わたしの誕生日をもって平成は終わり、
次の日から元号は令和と代わりました。

元号が発表されたとき、わたしは家族と車で移動中でしたが、
滅多につけないラジオに切替えて、その瞬間を待っていました。
そして、

「令和」

の発表。

「れいわ」「令和かあ」「令和ねえ」

と全員がまるで吟味するように口に乗せて繰り返したものです。
おそらくリアルタイムで発表の瞬間を見ていた人たちのほとんどが
同じように口にしてその響きを確かめたのではなかったでしょうか。

最初は聴きなれず見慣れない「令和」は、新しい服がなじむように
自分たちの生活のそこかしこに関わってくるようになると、
最初のちょっとした違和感などどこかにいってしまいました。

そういえば、「平成」のときも、ほとんど今回と同じような経過で
年号はしっくりと馴染んでいったような記憶があります。

 

さて、今日は元号が令和に替わってから参加した自衛隊行事についてです。

練習艦隊旗艦「かしま」艦上レセプション 5月12日

この年度の練習艦隊行事には、3月の卒業式、神戸の寄港をお出迎えし、
大阪の壮行会に参加、さらに神戸での艦上レセプションにお呼びいただき、
ほとんど追っかけといってもいい密着参加をさせていただきました。

 

練習艦隊は帝国海軍時代から江田島を「ロングサイン」で送られて出港後、
国内巡航を何ヶ月か行い、その最後に横須賀から出国していくのが倣いです。

レセプションのテーブルには、さっそく鶴亀をあしらった
「令和」の文字入りスイカカーヴィングが登場。

「かしま」の給養が腕を奮うレセプション料理も、心なしか
横須賀が一番豪華で品数も多いような気がします。

今年は神戸でも横須賀でも、隣に接舷した「いなづま」を解放して
会場を二隻に分けて行われていました。
招待人数がどちらも多かったということなのでしょう。

「かしま」艦上で挨拶を行う練習艦隊司令梶元海将補。
後ろの暖簾は「いなづま」からもってきたものと思われます。

会場を二手に分けることで、ご覧のように余裕ができました。
「かしま」だけではBGMを演奏するバンドも入れられません。
甲板に余裕があって、この決定は参加者にとって大変ありがたかったです。

艦上レセプション中の一種の「アトラクション」となっている
(乗員にとっては日常ですが)自衛艦旗降下は、今回
「いなづま」の方で見学しました。

練習艦隊出国行事 令和元年5月21日

練習艦隊が遠洋航海に出航する日、横須賀は大変な雨でした。
出国のための行事は体育館で行われることに。

レインコートを着ていてもこれは大変そう・・・。

梶元司令の手記によると、1週間前から当日を中心として
前後1日は悪天候が気象予報によって予想されていたため、
毎日その予報ができれば前にずれることを願っていたそうですが、
それもかなわず、どんぴしゃりで当日に当たってしまったのとか。

出航していく「いなづま」。
これは船乗り的に「暴風雨」というべき天候だったそうです。

気の毒だったのは練習艦隊の出航の間ずっと舷側に立っていた
横須賀港定係自衛艦の乗員の皆さんでした。

彼らですら顔を伏せてしまうくらいの雨が遠慮会釈なく吹き付けています。

 

 

そして「かしま」も出航となりました。
この日の房総沖は波高5mにも達し、艦隊は高波高域とともに
当面東進することを余儀なくされたということです。

出航直後からハードモードに見舞われた練習艦隊。
航海に不慣れな実習幹部たちにとって初めての「洗礼」です。
4.5mから5mの高波高域は出港後まる4日続きました。

このため練習艦隊司令は、出航直後から下艦を申し出る者がいるかもしれない、
と懸念していた、と書いておられます。

(何年に一度かはそういうことをいう人がいるというなのことでしょうか)

幸い、今回は全員が無事にその困難を乗り越えました。
大変そうな人(寝たきり状態になってしまっている人)には、

「ベッドに横になっているときにでも次第に体が揺れに順応し、
慣海性が涵養されていく」

といって安心感を与えたということです。

それにしても「慣海性」という言葉は初めて目にしました。
船乗りの世界ではポピュラーな言葉なんでしょうか。

 

掃海隊殉職者追悼式 にともなう
「うらが」艦上レセプション 5月27日

毎年5月の海軍記念日(27日)前後の週末、高松の金刀比羅宮で
戦後機雷掃海に従事し殉職した掃海隊員の追悼式が行われます。

ここ何年か、追悼式とその前日に高松港で行われる
掃海母艦のレセプションにご招待いただき出席してきました。

この季節、高松港に浮かぶ掃海母艦の甲板で行われるレセプションは
大変風情のあるものです。

甲板からは瀬戸内の島々の間に沈む夕日を眺めることができます。
こんな艦上レセプションは高松でしか体験できません。

広い掃海母艦で日課の自衛艦旗降下が行われるときも、
他のレセプションと違い(笑)おじさんが幹部と旗の間に
強引に割り込んでくるようなことは決してありません。

この日の「うらが」艦上で目撃した謎の飾りもの。

 

掃海隊殉職者追悼式 5月25日

機雷掃海活動で殉職した自衛官の慰霊碑は、
金刀比羅宮の参道途中の森を切り取ったような小さな広場にあります。

ここに、殉職隊員の遺族の方々をお呼びし、追悼式を行うのですが、
年々参加する遺族の数は減っていっているようです。

昔は遺族の方々のあと来賓が先に献花を行っていたこともありますが、
ここ何年かは掃海隊部隊をはじめとする「自衛官ファースト」です。

阪神基地隊サマーフェスタ 6月1日

阪神基地隊のサマーフェスタ。
たまに他の基地から護衛艦が多数来場していることもありますが、
このときはここを定係港としている掃海艇が展示されていました。

冬は餅つき、夏は鏡割りをアトラクションにしている阪神基地隊。
当時の阪基司令深谷一佐(中央)始め政治家の先生方が着用している法被は
阪神基地隊公式アイドルという噂のコウベリーズのお嬢さん方が着せかけたもの。

カレーだけでもたしか三種類出品されていて、食べ比べができました。
ミニカレーフェスタといった感じです。

観艦式前フリート・ウィーク

東京オリンピックの資材置き場に陸自の朝霞駐屯地が使われる、
という事情のため、順番が変えられて令和元年となった観艦式。

観艦式のために集結してくる全国の各海自基地からの艦船が
横須賀にその艦檣を並べる様子は壮観です。

観艦式そのものよりも、この風情を楽しむファンも多いのではないでしょうか。
「フリートウィーク」というのは、ニューヨークにアメリカ海軍の艦隊が終結し、
街中にネイビーが溢れるその時期をいうのですが、日本のフリートウィークも
お好きな方々にはなんとも心ときめく期間です。

わたしは今回観艦式ぎりぎりに帰国したため、これらの光景を
一切見ることがありませんでしたが、いつも写真をお借りしている
Kさんが、横須賀に日参して写真をいっぱい撮って送ってくれました。

しかし、わたしがまだアメリカにいる時から、観艦式本番前後は
おそらく台風になるだろうという心配の声が上がっており、
参加予定者と地本勤務の自衛官の必死の祈りもむなしく、
予定されていた三日間に台風が直撃。
令和最初の自衛隊記念日行事は中止となってしまったのです。

観艦式中止にともなう艦艇公開

観艦式に予定されていた日、横須賀基地ではいくつかの艦艇が
観艦式のチケットを持っている人たちに公開されました。

当日旗艦に予定されていた「いずも」にも、本来乗れなかった人たちが
乗艦することができたということもできます。

観艦式で訓練展示を行ってから帰港するまで、艦内では
乗員が工夫を凝らしたイベントを行うのが常ですが、
「いずも」甲板では消防士が張り切ってポーズを取ってくれていました。

イージス艦の豪華そろい踏みが見られるのもこんな機会ならでは。

ずらりと艨艟の檣が並ぶ様子は圧巻です。

今回は中国人民海軍の軍艦も招待されていましたが、中止が決まった途端
あっという間に帰国してしまったそうです。
シンガポール海軍やインド海軍などは、のんびりと滞在しており、
内部の公開こそしませんが、乗員が甲板に出てきている様子を見せてくれました。

シンガポール海軍のRSS「フォーミダブル」甲板にて。

練習艦隊帰国行事 10月24日

約半年前横須賀基地から見送った練習艦隊が帰ってきました。
行きは暴風雨でしたが、この日はかろうじて曇り。

この二日前、即位礼正殿の儀が行われ、国民は降り続く雨が
即位礼の直前に止み、虹が現れるという奇跡を見たばかりでした。

梶元司令の手記によると、今年の実習幹部は途中骨折して
手術のためグアムから帰国した一人をのぞき、大きな事故も
トラブルもなく無事全員が実習を終えることができました。

また、ラバウルやパラオなど、戦跡を訪れ、慰霊を行うとともに
先人たちの果てしない努力、苦労、そして覚悟を学んだということです。

自衛隊記念日 殉職隊員追悼式 10月25日

呉地方総監部で行われる殉職自衛官の追悼式にも、
ここ何年か列席させていただいています。

自衛隊記念日式典 10月26日

呉教育隊の体育館で行われる自衛隊記念日式典とその後の
昼食会?に参加しました。

その前に起こった千葉の台風被害に配慮して、祝賀会という言葉を使わず、
乾杯も行われませんでしたが、来賓はお構いなしに、スピーチのとき
おめでとうございます、と言ってしまっていました。

第一術科学校 オータムフェスタ 10月27日

呉に二泊三日で滞在し、その三日目に江田島のオータムフェスタに行きました。

自衛隊記念日の最大のイベントは、幹部候補生らで行う行進です。
術科学校校長は、あとから

「今年の行進は上手くいったでしょう」

とご満足のご様子でした。

このときは来賓としてご招待をいただいたので、
これらの分列行進を指揮台のある正面から観覧させていただきました。

懇親会のあと、皆が花火の開始を待っているところで
自衛艦旗降下が行われました。

花火を待つためにグラウンドで寛ぐ位人々。
かつてここで幹部候補生として訓練を受けていた人が見ると
「とんでもない」光景だそうです(笑)

江田内の海上に舟を浮かべて打ち上げる花火。
秋の花火は風情といいコンディションといい最高です。

潜水艦「とうりゅう」命名・進水式と祝賀会
11月16日

川崎重工業での新型潜水艦「とうりゅう」の命名進水式に出席しました。
山村海幕長が支鋼切断の儀式を行いましたが、あとでうかがったところ
「心臓がバクバクするほど」緊張されたということです。

「とうりゅう」はリチウムイオン電池を搭載しており、従来型より
長時間の潜水が可能となっています。

自衛隊音楽まつり 

先日ご報告をようやく終えたばかりの音楽まつり。
当日になって急にチケットが舞い込んできた予行演習を含めると、
三日間の公演に全て参加することができました。

ご手配をいただいた関係者の皆様には、心からお礼を申し上げるとともに
当ブログ掲載を持ってご報告に変えさせていただきたいと存じます。

実はもう一件、たいへん重要な自衛隊イベントに参加しているのですが、
それはそのうち機会を見てご報告をすることにいたしましょう。
(間違えて途中でアップしてしまったので読まれた方もおられるかも)

というわけで昨年一年中に参加した自衛隊行事のご報告を終わります。

今年もそのような機会をいただければ、万難を排してでも参加し、
粉骨砕身見学を行いここでお伝えしていきたいと思っておりますので、

そのときにはどうかよろしくお付き合いください。

 

 


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3 Comments

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みなさま (エリス中尉)
2020-01-06 10:53:37
unknownさん
unknownさんのころはそうだったのだと思いますが、今はいろいろとあるようで、
血の雨は決して降らないようです。
梶元司令が「慣海性を涵養」を説いて安心させたというのも掛け値なしでしょう。
しかし「慣海性を涵養」という言葉、なかなかいいですね。
当ブログの昨年度流行語大賞(個人の部)にしたいくらいです。

coralさん
あけましておめでとうございます。
あんな語呂合わせに真面目に反応していただき恐縮です<(_ _)>
褒められることは目標にしていませんが、しいて目標を挙げるなら
自衛隊関係の記事については、関係者の皆様にとってただただ
「迷惑にならないように」細心の注意を払うこと、これに尽きます。
どこまで踏み込んでいいのか、どう描けば読者の皆さんに正しく伝わるか、
いくつかの失敗も踏まえてこれからも精進していくつもりです。
「そしてブロガー」ですか。検討しておきます。
ですが、大尉昇進の件はどうかな。
「エリス大尉」=エリスだいい・・・。
おっしゃる通り、中尉の方が響きがいいと思うんですよね。

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謹賀新年 (Coral)
2020-01-05 21:06:08
エリス中尉
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
シリーズ最初の記事に >褒められもせず と書かれていますが、私も
褒めたコメントをした記憶がなく申し訳なく思います。ですが、東奔西走、数多の写真に微に入り細に入りの記事にはいつも感心して拝読していることをお伝えしておきます。
ところで、ブログ開設10年ですか。自己紹介欄に、無期限休業中の音楽家とありますが、”そしてブロガー”とか追加されてはいかがでしょう?
ついでに、10年間自衛隊の広報に相当寄与してきたと思いますが、その貢献を評価してそろそろ1階級くらい昇進してもよさそうですが、その筋から推薦とかないのでしょうか?・・・2尉ではなく中尉だと無理ですかね(笑)
もっとも仮に大尉(だいい)よりは中尉の方が響きがいいですが。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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慣海性 (Unknown)
2020-01-05 16:02:31
>ベッドに横になっているときにでも次第に体が揺れに順応し、慣海性が涵養されて行く。

中尉のブログは影響力大なので、こう言っているのだろうと思いますが、昔だったら、当直や訓練の時に起きられないとか言おうものなら、血の雨が降りました。これぞ慣海性の涵養です(笑)
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