ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

首相訓辞〜平成27年自衛隊観艦式

2015-10-29 | 自衛隊

さて、訓練展示が終わりあとは港に帰るだけ、と最後に書きましたが、
実はこの観艦式にとって、公式には一番重要なイベントが残されていました。

首相訓辞です。

わたしはちなみに前回の観艦式で、時の首相であった野田佳彦が何を言ったのか、
全く、すっかり、欠片も覚えていないどころか、訓辞があった記憶すらないのですが、
多分そのときに乗った「ひゅうが」でもアナウンスされていたはずなのです。

一応確かめるためにわたしは、 買っておきながら今まで一度も見たことがなかった
平成24年度観艦式のDVDを鑑賞してみました。
いやー、これ面白かったっす(笑)

合間に鈴木善幸首相の頃の「昭和の観艦式」、小泉総理のときの「国際観艦式」など、
過去の観艦式映像がその時行われた訓練展示も含めてバッチリ記録されています。
そして観艦式の記憶がまだ新たなうちに見ると、前年度との違いもよく分かる。

例えば、参加艦艇は「はたかぜ型」と「くらま」「あたご」「ちょうかい」以外は
総取っ替えというくらい、特に駆逐艦は同じ艦艇は少ないのですが、
思った通り

「あすか」「ちはや」「てんりゅう」

などの人員を積むのに適している艦艇は連続で参加していたり。

というわけで、野田総理の訓辞を聞いてみたのですが(もちろん一部)、
抜粋してみるとこんな感じです。


今年は海上警備隊発足から60年目の節目である

我が国を取り巻く環境は大変厳しさを増している
(名前は出さず、人工衛星と称するミサイルを撃つ国、領土に問題のある国と指摘)

自衛隊の活躍は世界各地に広がるようになった

皆に言いたいことは三つ
「部隊の力を磨き上げよ」「果敢に行動する勇気」「信頼の絆を深めよ」

震災の時の諸君の働きは素晴らしかった

トモダチ作戦でアメリカにもお世話になったので仲良くしよう

至誠(しせい)に悖(もと)る勿(な)かりしか 
言行に恥づる勿かりしか 
気力に缺(か)くる勿かりしか 
努力に憾(うら)み勿かりしか 
不精に亘(わた)る勿かりしか 

五省の問いかけを胸に、国を守るという崇高な使命を必ずや果たし、
常に国民に寄り添って優しき勇者であり続けてくれると信じる

今こそ国民の高い期待と厚い信頼に応える自衛隊であるために
諸君は一層奮励努力されることを切に望み私の訓示とする


「優しき勇者」・・・・・・。

なんと素晴らしい!わたし感動してしまいました。いや、皮肉でもなんでもなく。
そういえば、海軍五省を訓辞に取り入れたことを受けて、マスゴミが
「中国や韓国が厳しい反応を云々」
とか懸命に煽っていましたっけね。
さすがにどちらもあんまり反応してくれず、空振りだったみたいですが(笑)

しかしマスゴミというのは、時の政府が自民であろうと民主であろうと、
揚げ足をとって
中韓にご注進し、ことを荒立てようとする点においては全くぶれないんですね。
その揺るがぬ姿勢と確かな立ち位置に、ある意味感嘆しちゃう。


さて、それでは今回の観艦式における安倍首相の訓辞はどうであったかなんですが、

それをお話しする前に、航海中の艦上で客に退屈させないよう&理解を深めてもらうため
行われたイベントや武器の展示説明について、先に少しだけ報告しておきます。



まず、先日散々文句をつけた他国(とくにあの国)の登舷礼の際の姿勢ですが、
ここで見本というか基本形というか、我が自衛隊のふっつーうの登舷礼の姿勢を例に挙げておきます。

受閲艦隊旗艦「あたご」が行う登舷礼の、この自衛官たちの姿勢の良さを見るがよい。

我々にとっては当たり前の光景ですが、誰一人として首が動いたり脚を開いたりしてません。



さて、場面変わって、これは「あたご」の防火スーツと装備一式着用デモ。
「むらさめ」では格納庫にこの一式を着ることができるコーナーがあり、
わたしの前で若い女性が、きゃっきゃとこれを身につけて写真を撮っていました。

「今年の年賀状はぜひこの写真で作ってください!」

と隊員さんもノリノリでした。



「あたご」と「ちょうかい」では主砲とシウスの稼働展示がありました。
主砲の横の三人が展示説明係です。
これは「あたご」のMk 45 5インチ砲。



砲塔をこちらに向けたあと、なぜか隊員たちが空の一点を皆で凝視しています。
一般公開のときに「ちはや」「いずも」とドローンが落ちたとかいう話があったので、
とりあえず上空を警戒するようにとお達しがあったのかもしれません。



といっても、砲塔をぐるーっと回し、砲身を上げ下げしただけ。
見ていたみんなが空砲でも撃ってくれるのかと期待していたわけでもないでしょうが、
なんとなく「なーんだ」といったような空気が流れたと思ったのは、気のせいでしょうか。

ところでこの射程は37キロメートルなので、横須賀港から撃ったら、
直線距離で羽田空港に届く感じですかね。凄っ!

 

さあ、ところでこの蓋はなんでしょうか!
(説明を聞いていなかったのでわかりません)



続いてCIWSの展示です。
海上自衛隊が搭載しているのはレイセオン社のファランクスです。

映画「バトルシップ」で、「みょうこう」という設定で実はこの「あたご」が
CGのモデルになっていたのですが、劇中、エイリアンの攻撃に対抗して
まさにこのCIWSが火を噴くというシーンがありましたね。


自衛隊がCIWSを導入するとき、イタリア製のシステムと比較検討されたのですが、
対艦ミサイルを無力化する際の思想として、

「ミサイルの誘導機能を破壊するか、弾頭を直接破壊するか」

という選択肢があり、前者であるファランクスが選ばれたということのようです。

歴史にもしもはありませんが、このときにイタリア製が選ばれていたら、
「バトルシップ」で「みょうこう」がCIWSを撃つシーンはなかったはずです。



「ひゅうが」ではCIWSが海に向かって空砲を撃ち、さらには
「ミサイルくんとCIWSくん」という寸劇までやってくれたものですが、
この3年の間に寸劇の方はともかく、空砲を撃つことも禁止になったのか、
それともCIWSの位置のせい(みんなの頭の上)なのか、こちらも展示といっても
砲塔があっちむいてこっちむいて銃口を上げて下げておしまい。

こちらも「なーんだ」といった雰囲気が漂った気がしました。

「ちょうかい」でも、艦橋ウィングにいるときに実演のお知らせがアナウンスされ、
何人かはそれを見るためにわざわざ下に降りて行きましたが、「あたご」で
実演のなんたるかを見切ったわたしは、毛布を膝にかけて仮眠を取っていました。

人目があったり横になれなかったり乗り物の中だったりする環境では

めったなことでは寝ることのできない無駄に神経質なわたしですが、
さすがに朝5時起きが続いていると、8時間の航海の合間には眠くなります。

訓練展示が終わり、定位置に戻って少し目を閉じたとき、
首相訓辞が始まりました。
とりあえずカメラを動画モードにして音声を録音することにし、
(その間ずっと画面は毛布を映していた)
訓辞の内容を目を閉じたまま一言も聞き逃すまいと耳をすませます。

後日首相訓辞は全文がニュース媒体で公開されていたので、
このとき撮った毛布の画像は全く意味がありませんでしたが、それはともかく、
その内容を、先ほどの野田首相のときのようにまとめてみます。



困難な道を自ら選び自衛隊員となった諸君は、日本の誇りである。


戦後70年間、日本は平和国家としての道を歩んできたが、
それも自衛隊あってこそ実現できたのである。


諸君の先輩たちは心ない多くの批判に晒されてきた。
"自衛隊の存在自体が憲法に違反する"と言ってるやつもいる。
しかし諸君の先輩たちはそんな中でも国を守り続けてきたのである。


相次ぐ自然災害、そこには必ず諸君たちの姿があった。
16年前の8月15日、宮崎県・新田原基地で、F-4に乗り
領空侵犯した国籍不明機を追ってスクランブル発進し、その後殉職した
近者明宏2等空佐と森山将英3等空佐は、

その命を懸けて、自衛隊員としての強い使命感と責任感を私たちに示した。

日本の平和が守られてきたのは、彼らのような自衛官の命を惜しまぬ献身と
日米同盟のおかげである。

"雪中の松柏、いよいよ青々たり"。

雪が降り積もる中でも、青々と葉をつける、凛とした松の木の佇まい。
いかなる困難に直面しても、強い信念をもって立ち向かう人を讃える言葉は
そのまま崇高なる覚悟を持ち、危険を顧みず任務を全うする諸君のことである。

これからも、どんな風雪にもびくともしない松の木のごとく、
いかなる厳しい任務にも耐えてもらいたい。
そして常に、国民のそばにあって、安心と勇気を与える存在であってほしい。

海上自衛隊は間違いなく世界の平和に貢献している。
諸君の派遣活動のおかげで今年海賊による襲撃事案はついにゼロになり、
「いせ」はかつて戦艦「伊勢」が戦った海で災害救助にあたり、
フィリピン国民に心から感謝された。
世界が諸君の力を頼りにし、頼みにしている。

本日の観艦式に外国から来てくれた各国海軍の皆さん、ありがとう。
「ロナルド・レーガン」は東日本大震災のとき、被災地にかけつけてくれた
"トモダチ"であり、今月から横須賀を母港に、再び日本の守りに就いてくれる。
ありがとう、ようこそ日本へ。

日本は積極的平和主義の旗を掲げ進んでいく。
平和は人から与えられるものではなく自らの手で勝ち取るものである。

イギリスの元首相チャーチルは、第二次世界大戦について
"最初は全てが容易であったが、後には事態が一段と困難になり、そして、
この戦争ほど、防止することが容易だった戦争は、かつてなかった"。
といった。


niconico

二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。
そのために、私たちは国際情勢の変化に目を凝らし、必要な自衛の措置とは何かを考え抜く。
そして不断に抑止力を高め、不戦の誓いをより確かなものとしていく。

望むと望まざるとに関わらず、脅威は容易に国境を越えてくる。
もはやどの国も一国のみでは対応できない。
そうした時代になっても、国民の命と平和な暮らしは断固として守り抜く。
そのための法的基盤が、先般成立した平和安全法制である。
積極的な平和外交も今後一層強化する所存である。


私たちの子どもたち、そしてそのまた子どもたちへと、戦争のない、
平和な日本を引き渡すため、諸君にはさらなる任務を果たしてもらいたい。
私は諸君とともに、その先頭に立って全力を尽くす覚悟である。 

隊員の諸君。諸君の前には、これからも荒れ狂う海が待ち構えているに違いない。
しかし、諸君の後ろには、常に諸君を信頼し、諸君を頼りにする日本国民がいる。
私と日本国民は、全国25万人の自衛隊と共にある。

その誇りと自信を胸に、それぞれの持ち場において、自衛隊の果たすべき役割を全うしてほしい。






続く。




 



最新の画像もっと見る

16 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (エリス中尉)
2015-11-10 08:59:07
筆不精三等兵さん、
わたしが造船監さんに説明したかったことを余すことなく書いていただき、
我が意を得たりと思うとともに感謝しております。

わたしが事例として挙げようと思っていたのは、まず、辻元議員の
「首相が出歩くと狙われて危険だから出歩かずに、村山総理のように
SPに気を配って官邸にじっとしてろ。ゴルフなんかするな」
というネチネチとした政策とは無関係な質疑に対し、安倍首相が激した様子で
「日本はあなたの言うような危険な国ではありません。
官邸にじっとしていたらいい総理大臣なんですか?
わたしに必要なことは心身の調整を行いいざという時に判断を過たぬことです」
とビシッといったこと。
社会党党首が、週刊誌のネタを元に「今お認めになっても時効ですが」
と献金問題を追及したときにはっきりと激昂して
「事実無根のことを、時効などと失礼じゃないですか!」と声を荒げたこと。
枝野議員が革マルからの献金を受けていることを首相席から皮肉ったこと。
そして再び辻元清美に「さっさと質問しろ」といったこと。

これらは確かに答弁とその反応だけ取り出せば「稚気」という言い方で
非難するこもできましょうし、まさしく野党とマスコミの論調はそうでした。

しかしわたしに言わせると、問題はそれ以前に首相にそれを言わせたお歴々の
「筋があまりに悪すぎる」ことです。
造船監さんは、「あるべき理想の首相と違う安倍総理」という観点からのみ
首相非難をされているようにお見受けしますが、失礼ながら
国会議事録はお読みになれても、まず大前提として、
「安倍首相にそれを言わせた議員たちの発言に全く問題はなかったのか」
という視点を全くお持ちでないらしいと推察いたします。

それから、安保法案については基本的に賛成である人から、
「それでも安倍首相は拙速過ぎる」
という意見を最近聞きました。
筆不精三等兵さんのご意見は、それらの意見を持つ層に対しても、
大変な説得力を持つ答えになっていると、わたしは感嘆しつつ受け止めました。

安倍首相は、おそらく就任中にこれができるのは自分だけだと、
自分が就任中になさねば、おそらく日本に今後これをする総理は
自民党の中からもでてこないであろうと誰よりも知った上で、
日本にとっての、小さいけれど戦後首相の誰一人として踏み出せなかった一歩を
踏み出したのだとわたしは思っています。

雷蔵さん、
たとえば野田元総理が観艦式の訓示で五省を紐解いたように、
これまでの首相が自衛隊員に向かって「自衛隊員のあるべき姿」「頑張って欲しい」
という訓示をしてきたのに対し、安倍総理は必ず殉職した自衛官について言及し、
国民と首相自身の自衛隊に対する感謝の気持ちを述べることを
最大の主眼にしていると思います。

つまり自衛隊に対して「君たちは今の段階で十分すぎるぐらいよくやっている。
これ以上頑張れなんて言葉は必要ない。
問題はそんな君たちを評価してやれない政治のあり方なのだ」
とむしろ謝罪をしているようにも聞こえるのです。

そして、隊員の家族に対し、皆さんの愛する家族を政治の無策によって
危険にさらしたり況してや命を落とさせるようなことには決してしない、
とむしろ自分の平和維持に繋がる為政への覚悟を述べる論調であることに気づきます。


返信する
ありがとうございました! (雷蔵)
2015-11-06 06:08:11
安倍首相が演説が上手とか下手とか、浅学故、よくわかりませんが、吉田茂の「日陰者」訓示の「どうか耐えてもらいたい」から60年「国民は自衛隊と共にあり」そう言って下さった総理大臣は史上初です。

あの一言は、これだけ自衛隊に対する国民の認知度が高まった今の隊員よりも、むしろ「税金泥棒」と言われて来た時代の隊員に響いたと思います。その一言だけで十分です。ありがとうございました!
返信する
演説下手 (筆無精三等兵)
2015-11-05 18:31:21
安倍首相の演説下手は周知の事実です。
地元の支持者にも「あれで話しさえ上手ければ・・・」という評価ですし。
国会の答弁であれ、会見場での質疑応答であれ、やや途切れがちで内容が反復する傾向があり、雄弁とは決していえません。安心して聞けるという点であれば、辻説法で鍛えている野田前首相の方が上手でしょう。
ただ、造船監さんのいう稚気の発露というのがどういう場面で露呈したのか?
おそらく、ここ一連、というにはやや過去にさかのぼりますが、安全保障法案可決直前の蓮舫議員への野次が一番記憶に新しく周知となっていることでしょうが、あれは首相の稚気の発露と見るよりも野党、主に民主党の誘導が上手だったと言わざるを得ません。通常国会の会期が約1ヶ月後と差迫った時に、民主党からの質問は、議員は違えども「説明不足」「周辺諸国との緊張増大」「平和憲法の放棄」の繰り返しでなんら建設的な議論は進まず、蓮舫議員にいたっては質問というより持論の発表というべきものでした。あれでは安倍首相ならずとも、嫌味の一つも出るのではないでしょうか?(私なら蓮舫さんが出てくる前に叫んでます「お前らいい加減にしろ」と)
時を戻して現在、法案可決後一月半も経っていないのに日本の生命線であるシーレーンのど真ん中で、中国の不法占拠を元とした米中の緊張が高まってきています。法案が可決したばっかりで体制がまったく整っていない日本の代打を米国が買って出てくれています。
法案可決はまさにギリギリのタイミングであったわけですが、今回流れていたら東アジア情勢は来年の今頃、果たして安穏としていられる状態だったでしょうか。
確かに「紛争解決の手段としての戦争放棄」を謳った憲法の解釈変更だけでその根拠とした今回の法案可決は、批判を受けて当然でしょう。とくに真剣に憲法を研究している方々にとっては、改憲を伴わない、憲法を軽んじた暴挙以外の何者でも無いのかも知れません。
しかしそれは、真剣に憲法と向き合ってこなかった我々国民全員の責任であります。煩雑な手続きもありましょう、忙しい日々の生活の中でもう一度憲法について学び直す必要もありますし、何より自分たちがよって立つ根幹について責任を負わなければならないという重圧がのしかかってきます。しかしそれを負わずしてこの先、今までと同じように平穏を享受できるでしょうか?我々国民にその覚悟が無かったばかりに、批判を浴びることも厭わず敢えて拙速な法案成立に踏み切った首相の平和維持に対する強い意志が、私には感じられます。
返信する
訓示の伝統 (造船監)
2015-11-05 09:33:16
エリス中尉殿
まずは、お答えに感謝するものであります。
また、国を憂い、隊に対する世間の眼差し憂う者として、訓示本文には全くケチのつけようなしです。

が、小生が気になりますのは、それこそ総理の国会答弁やその他の挨拶の事例と、全く格調が違う、という点です。
正直、支離滅裂にして稚気発露の多い現総理(議事録等を読むと却って明白)に最高司令官を任せて一朝事有った時大丈夫か、対米外交の距離感の取り方は大丈夫か等々、個人的には心配が尽きないものであります。
返信する
訓示 (アーサー)
2015-11-02 23:27:44
 野田首相の訓示で「五省」を引用されたときは、「あなたの訓示なんか、意味なし」と思いましたが、内容はすばらしいですね。
 安倍首相の訓示は、防衛大学校の卒業式でも殉職された自衛官についてお言葉を述べられています。こういう心遣いが本当に素晴らしく、自衛隊の士気が上がると思います。
 
返信する
堂々のマンネリ (筆無精三等兵)
2015-11-02 13:16:47
雪中の松柏、いよいよ青青たり。

安倍首相のお気に入りのようですね。
「国民の」冷たい視線に曝されながらも、一途に国防の任に当たる自衛官達を見るにつけ、安倍首相の琴線に触れる一節なのでしょう。

この一節、少しググるとこれは中国南宗時代、常に国防の要を説きながらそれを軽んじた丞相に左遷され、遂には亡国を目の当たりにした後祖国を蹂躙した敵にその才を請われながら二君に仕えるを良しとせず、「ハンガーストライキ」で世を去った、謝枋得の辞世の詩の冒頭の一節です。
これは、明治維新のオピニオンリーダーで後の維新志士の礎となった吉田松陰の「講孟割記」にも引用されています。また松陰は国事にに携わる上で最も要となる気構えとして「至誠」を提唱しておりますが、ご存じの通り「海軍五省」の一番に置かれた言葉です(薩摩藩を源流とする海軍がこの言葉を採用しているところが感慨深いです)。

「山口県出身」の首相が、「国を憂い、亡国の憂き目をみた政治家」の「国防とは如何と後世に遺した詩」を「自衛官」への訓辞として引用する。

安心してください、わかってますよ。(安倍首相は)
返信する
皆様 (エリス中尉)
2015-10-31 10:38:20
coralさん、雷蔵さん
薬莢の放り出される穴だったんですね。
主砲の周りの床を仔細に眺めると、よく薬莢の落ちた跡がうっすら残ってます。

鉄火お嬢さん
「あぶくま」は艦位が電波拾い難かったんでしょうか。
「ちょうかい」はまるで本艦で訓示しているのではないかというくらいでした。

野田っちに限らず、菅総理ですら、こういうときの訓示はまともでした。
党是や本人の主義主張とは関係なく、こういうとこにはこう言うもの、
と決まっていて官僚が文章を作成するのですからまあ当然でしょう。
それを読むのすら嫌で、自衛隊の観閲を拒否し欠席した鳩山由紀夫は、
ある意味もっとも過激な宰相だったといえるかもしれません(笑)

昭南島太郎さん
それこそ「歴史を知れ」ですよ。
なぜ日本があのとき戦争に解決を見いだすしかない状況に追い込まれたのか。
資源を輸入に頼るしかない国土を持つ島国が、海路を塞がれたとき、
国はまず経済的にどうなっていくのか。
韓国や中国と仲が悪くなるのと、資源の輸入を物理的に断たれるのでは
どちらが打撃であるのか、少しまともな頭で考えて欲しいと思いますね。

原発ゼロを安全法案の廃止とともに訴えている妙な通販雑誌がありますが、
もし原発ゼロになった場合、あんたとこで扱っている商品のほとんどは
作れなくなるんじゃないのか、といつも思います。
南シナ海の中国非難と米軍のデモンストレーション支持に関しては、
今のところ野党も左派も比較的おとなしいですが、さすがに空気読んでるのかな。

ロビさん
一般公開に行かれたんですね!
むむう、「ちびしま」もいたのか・・。

coralさんのビデオを見ると、薬莢って(特にゴムマットなんぞ敷いていると)
かなり跳ねそうですが、やっぱり・・・落ちるんですよね。海に。
さすがの自衛隊も潜って回収まではしませんか・・。

造船監さん
首相訓示は官僚が本文作成するのが通例となっています。

わたしは第二次安倍内閣組閣以来、すべての自衛隊観閲行事に参加し、
リアルタイムで防衛大学校卒業の訓示も聞いておりますが、
いずれもその内容において、安倍首相が日頃国会の答弁で語るご自身の言葉と
全く齟齬はないと判断しております。

さらに、今回は省略しましたが、歴代の首相が今まで全く触れなかった
「隊員の家族に対するねぎらいと首相自身の不戦の誓い」について
毎回必ず言及していること、「積極的平和主義」の意味を強調していること、
そういったことから、作成は官僚であっても、
その内容はまごうことなく本人の言葉であると判断します。
つまり、

>誰が書いたんだろう
ans.もちろん官僚です

>この文の本意を首相は理解して読んだのだろうか
ans.ご本人の本意ですから理解しているのは当然です

とご質問?にお答えしておきます。
もし疑われるようでしたら、一連の安保審議で野党の質疑に答える
安倍首相の答弁を全てアーカイブで聞いてみてください。
おそらく納得されると思います。
返信する
誰が (造船監)
2015-10-31 02:02:32
マスコミは話にならないが、筋の悪さは政権の問題点。
あと、首相はじめ閣僚、ネオリベ自民党の教養と品格にも難。
この訓示の文章は非常に見事。
・・・誰が書いたんだろう。とても本人とは思えない。
そして、この文の本意を首相は理解して読んだのだろうか。
一抹気になる。
返信する
打痕防止か回収か (ロビ)
2015-10-30 12:41:28
射撃訓練時に護衛艦では砲塔周りにゴムマットは敷かないので空薬莢が落ちた部分はボコボコに成るらしいですね。

一方で砲塔周りにネットを張り排莢した空薬莢が舷側から落ちないようにして、その後ちゃんと回収しているのが流石自衛隊と言うべきでしょうか。

ちなみに観艦式前日に横須賀の艦艇見学時に、むらさめの76ミリ砲を説明していた隊員に、ビデオで見ると結構勢いよく排莢されてるけど勢いついて海に落っこちちゃうことは無いの?と訪ねたところ、それはもちろんあります。不可抗力では仕方無い事です。と丁寧な回答を頂きました。
返信する
訓示 (昭南島太郎)
2015-10-30 11:34:42
赤字の部分、全くその通りだと思います。
ここ数日、南シナ海周辺での米中の動きが気になりますが、日常生活に不可欠な原油などの資源の大部分が日本に届くまでどこを通って輸入されているのか、考えないのですかね。自衛隊や安保法案に反対してシナに媚びる人たちって。。。
自衛隊は国防・災害援助に頼もしい存在ですし、最高指揮官である安部首相ご自身が一番よくわかってらっしゃるのではと思います。
返信する
訓示がね (鉄火お嬢)
2015-10-30 09:46:44
本番は当然「訓示何を言うやら」と耳そばだててましたが、護衛艦あぶくまでは電波か悪かったのかスピーカーの不具合か、ブチ切れの切れぎれにしか聞こえてきませんでした。たぶん甲板ではなく艦内にいればよく聞こえたかも。

そう、今にして思うと野田っち結構良いこと言ってました。ただそれが当時やや冷えた反応しか無かったのが、その頃の民主党政治と野田っちへの評価の悪さゆえ‥‥‥。しかも菅ちゃんといい野田っちといい、観艦式に低気圧を招く男‥‥‥。
返信する
キッチンと軍艦 (エリス中尉)
2015-10-30 08:25:46
揚げ物をするときにホイルを敷くのは日本人で、アメリカ人は
キッチンでは「見栄えが悪い」といってそういうことはまずやりません。
汚れたらミリミリ掃除をすればいい、というのがアメリカ人主婦の考え。
ゴミ箱はもちろん、ゴム手袋やクロスの類でさえ
キッチンに人を入れるときのことを考えて外には決して出さないのが普通です。

キッチンと軍艦で、日米の「見栄え」に対する考え方が正反対なのは面白いです。
返信する
面白いですね! (雷蔵)
2015-10-30 06:26:57
Coralさんの動画を見ました。これは米軍ですが、薬きょうが落ちるところにゴムマットが引いてあります。自衛隊では見栄えが悪いし、まずやりません。

普段の船体の維持では、錆打ちとかタッチアップ塗装は、自衛隊の方が断然ミリミリやります。

米軍は、薬きょうが甲板を傷付けた後の手入れが面倒だから最初からゴムマットなんでしょうか。

揚げ物をやる時、ガスレンジのまわりにホイルを張り付けるみたいな感じですかね。アメリカ人らしい合理性に感心しました。
返信する
砲身の上の蓋 (Coral)
2015-10-29 22:50:31
エリス中尉

>さあ、ところでこの蓋はなんでしょうか!

下記をご覧ください

https://www.youtube.com/watch?v=u9Sl5AiFk7g
返信する
すばらしい… (佳太郎)
2015-10-29 22:25:30
意外に野田首相の演説もよかったのですね。もしもこれが菅や鳩ポッポだったらどうなった事やら…
しかし、安倍首相。素晴らしい。積極的平和主義はこういう物だという事がわかりました。戦争したいから安保法案を通したとか言っている方々に聞かせたいですね。こちらから戦争を仕掛ける事は無いのだと。
しかしマスコミどこかの国からお金もらってるんですかね?有事の際の報道に不安を覚えている私です。
返信する
涙が出ました (雷蔵)
2015-10-29 20:34:42
吉田茂の「日陰者」から60年。国民は自衛隊と共にあり。歴史に残る訓示でした。ありがとうございました。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。