ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

艦長操艦〜平成27年自衛隊観艦式

2015-10-30 | 自衛隊

訓練展示も終わり、艦橋ウィングで首相訓辞を聞き終わった後、
わたしは操舵室で残りの作業を見学することにしました。

艦橋といえば(笑)当ブログコメント欄のレギュラーコメンテイターである
雷蔵さん(仮名)が、当日のツィッターを貼って送ってくださったのですが、
雷蔵さん(仮名)はずっと艦橋に張り付いて操舵に集中していたそうです。

リアルタイムで海自OBからの叱咤激励が入り、読んでいるだけでハラハラドキドキ。
ご本人に無断で(無断かよ)一部を抜粋させていただきますと、

木更津を出港したあすかがくろべを追い越す。
あすかは先頭艦で、くろべはその列四番艦。

あすかからくろべに発光信号。「お互いに楽しみましょう」

発光信号でそんなメッセージが送られていたのか・・・・・。
というか、雷蔵さん(仮名)発光信号を横にいて読んだんですね。 

観閲付属部隊あすかを先頭に制形完了。
三番艦とねとの間がやや遠い(くろべが遅れている)頑張れ。航海長!

艦橋はピリピリ。

ピリピリしてる様子もわかっちゃいますか・・。 怖いね。

前の船と開いてしまうのはみっともないので、OBアルファから
「赤黒(速度の微調整)は使わないのか」とか、
現役ブラボーから「(とねの呉)入港時に言っておく」とか、外野までイライラ。


遅れるとそうなるんですね。回頭した時の「しらゆき」艦橋もそうなってたのかな。

観閲開始。陣形は整っているので、艦橋も静か。
艦長は相変わらず居眠り。外野からもコメントなく静か。

相変わらず・・・居眠り・・・・だと? 
というか雷蔵さん(仮名)、観閲の時にも全く外見ておられなかった?

観閲終了。反転。とねが早く回り過ぎ、列の内側へ。
こういう時のフォローには気を遣います。艦長もピリピリ。

OBチャーリー「技量が落ちてるね。他の艦も同じようですがイージス艦はよかったと思います」

雷蔵「航海長はバッチリでしたが、もう一人の人が判断が甘く
艦長がピリピリしていました」

OBデルタ「 お客様を乗せていること、膨らみ過ぎたら戻すのに舵がハードになり、
傾斜がきつくなるので早めに回ってしまうのでしょう。
距離が維持できればいいのですが。後続が大変ですね」

雷蔵「(艦長は)ピシャリと入るまではピリピリしていましたが、
入ったら居眠りしていました。自分が当直士官になったようで気が気ではありませんでした」


入るまで艦長は当直士官の後ろに立っていたそうです。

観艦式には誰を乗せているかわからない。
というか、こういう日は客にOBがてんこ盛りだったりするわけで、
だから操艦についてもこーゆーことを言われるかもしれないってこと(笑)
さぞかし変な緊張をする日なんでしょうねー。

で、 観艦式ともなると、こんな人も乗ってます。

東郷元帥曾孫「淡々とカバー、チームワークは完璧」

東郷元帥曾孫氏がこの日「きりしま」に坐乗されたとのことでした。
ずっと艦橋におられたんでしょうかね。
これは東郷元帥の曾孫からお褒めの言葉いただきました!ってことみたいです。

ちなみに雷蔵さんは、この日艦橋に集中し過ぎて、祝砲やIRフレアや爆弾投下などの
訓練展示はもちろん見られず、気が付けば、ブルーの航跡だけが艦橋から広がっていたそうです。


合掌。


さて、わたしはもちろん、このようなコアな観察はできません。
ただそこにいて一般平民の目でそこに起こっていることを眺めるだけ。



艦橋は暖かいので(笑)、後部の腰掛けに荷物を置いて住人と化している人もいましたが、
立ってずっと眺めている中には、雷蔵さんのような、詳しすぎる方も混じっていたはずです。

わたしの3人向こうには、アメリカ人らしい白人のおじさんがいて、
最後まで天井についているバーにつかまったまま、ずっと作業を見ていました。
おそらく日本語での海事用語は全く理解できないはずですが(わたしたちにも時々分からないのに)、
それでも長時間眺めていたところを見ると、おそらく元船乗りでしょう。

まず艦橋にこの日初めてちゃんと入り、モニターの「WELCOME」に和みます。
あとは耳をダンボにして、そこで交わされる言葉をチェック。

「両舷前
進ゲンソウ〜」


うっ、いきなり謎の言葉が!
「両舷前
進減速」じゃないの?

それとも海軍はなんでも「セサ」(先任参謀)とか「ネザ」(燃料在庫量)
とかちょりざとかとよととか言葉を短く言うという、あれ?
最後の「く」くらい言えよ、と思うんですが、そういうことじゃないのかな。


「マーク減速」「マーク減速」


号令はかならず二回繰り返します。
その間、前方で艦橋に張り付いている航海長が刻々と状況を報告します。

「こんごうまで4600」「了解」「40度」

「70度まで回る」「もどーせー」


「とりかじにあて」

「あて」は「当てよ」という命令形ですよね。
ただの「とりかじ」とはまたちょっと違うみたい。

「70度よーそろ」

でたー!「ヨーソロ」いただきました。

「今変進点で1分の遅れです。黒かけていきます」

「黒10」「黒10」ブーッ!「変速黒10」

でたでた。「黒」が。
先ほど、OBアルファのツィッターに「赤黒は使わないのか」とありましたが、
「黒10」は原速として定められた回転数から10回転だけ増すということ。

1分遅れているから少し回転数上げて追いつきましょうってことですね。

なんで「赤黒」なのかというと、それが海軍時代からそうと決まっているからです。

その間も、あちらこちらから状況を知らせるため入ってくる無線に対応し、
例えばプレジャーボートが進路に近づいてきたことなども確認します。
そして何度となく双眼鏡を目に当ててそれを視認します。



この双眼鏡の当て方というのも人によって微妙に違いました。
ある幹部は目に当てるとき、双眼鏡を持つ人差し指を顔に当てるように持ち、
見ていると、かならず毎回同じ持ち方をしていました。
おそらく自分の一番ぴったりくる構え方というのが決まっていて、
それが個性となっているのに違いありません。

さて、いよいよ「ちょうかい」は入港
準備にかかります。

「分かれ。入港準備。右横付け用意」

全艦にアナウンスがかかります。



この窓際の二人は艦橋にいたアナウンス担当で、次々と入ってくる指令、
たとえばラッパ展示などが行われるという参加客に向けたお知らせ、

そして航路で通り過ぎる史跡の説明や、観艦式の歴史や故事はもちろん、
艦内での注意事項に至るまで、事細かに放送を行うのが仕事です。

とくに入港作業は作業員以外は甲板から退避しなくてはいけないので、その旨注意があります。

このとき、どういうわけか雷蔵さんの乗っていた「くろべ」との間に交信がありました。
「くろべ」に対して「06お願いします」と言っていたと思いますが、
「くろべ」は横浜入港のはずなので、 もしかしたら艦隊の列から離れて行ったのでしょうか。

そのうち「領地まで(この字でいいの?)5マイル」という声がかかり、
すぐさまそれが全艦にアナウンスされ、さらに一般客に向けて

「木更津港まであと10kmのところまで帰ってきました」

と丁寧な説明があります。
そこで「黒15」の指示がありましたが、これがホームスピードというやつかな。

ちなみにだいぶ前から、艦橋の前部からは人払がされ、ロープが後ろに貼られて
隊指令の椅子には近づけないようになっていました。
ちなみに、隊指令の椅子は写真撮影用に解放されていましたが、シートのカバーは
黄色ではなく、一般来客用にか、白だったのが印象的でした。

この間も東京マーチスからの無線が何度となく入ってきます。
そのとき、

「ハイ、木更津航路を出た」 

すぐさまこれは全艦アナウンスされたのですが、「航路を出た」、つまり
港に入ったということだと考えればいいのでしょうか。

そして「変進点」に来た瞬間、「とーりかーじ」が入ります。



あと3キロ、というところで前方に見えてきたのが曳船。
朝に支援してもらった「くくる丸」と、「ちくら丸」 というのが待っています。
「あすか」はすでに岸壁に付け、防眩物もちゃんと設置済みです。
もしかしたらもう下艦も始まっているのかもしれません。


そのとき艦橋では「110度よーそろー!」の声が。
さらにそれからしばらくして「赤黒!」ときたのですが、これは「赤でも黒でもない」、
つまり全進プラスマイナスゼロの状態になったということかな。
(想像ばかりですみません)

さて、そして最後の最後に、来ました。

「艦長操艦!」



雷蔵さんのツィッターによると、艦長が後ろで立ち上がってピリピリ、ということがあったそうですが、
艦長ってずっと自ら操艦するわけではなく、こういう最後の最後に、あたかも
すべてのセッティングを弟子が行ったあと、シャッターを切るだけの大物カメラマンのように、
要所をピシッとシメるために出てくる役目なんだなと思いました。

たとえば海峡などの難所でいざというときに操艦を行うのは艦長ですし、
着岸直前の低速のときは風に「持ってかれる」ことなどもあり、難しいので、
これも必ず艦長が操艦を行うのではないかと思われます。

そういえば難所で「つっ掛けて」昇進できなかった艦長がいたという話も聞いたことがあるなあ。


「艦長操艦」

の声がかかった瞬間、わたしはおそらく外から見たら目にお星様が入った状態で
これを逃すまいとあわてて動画をセットしたのですが、まず艦長が交代のときに何を言ったか
(「もらいます」とか?)聞こえなかったのと、この写真(動画キャプチャ)のように、
艦長はしょっちゅう左目をつぶってジャイロを見ているものの、あまりいろいろ言いません。
むしろ周りの人の声が大きいので、せいぜい

「とーりかーじ」「70度」「もどーせ」「キュウテンマルマル知らせ」「ヒトヒトテンマルマル」

みたいな言葉がときどき聞こえてきただけでした。
おまけに、前にしょっちゅう人が立ちふさがっていて、あまり見えなかったの(T_T)




ちなみに「ヒトヒトテンナナマル」のときに見えていた艦橋の窓からの景色。
水中作業員のゴムボートもちゃんと待機しています。

「両舷前進搬送」(この字であってますか?)

「キュウテンゴマル、まもなくキュウテンマルマル」

ということは、速度が落ちていってるってことですね。
このときであとちょうど1キロというところです。

「両舷前進微速」(どう聞いても”びそう”と聞こえる)

「ナナテンマルマル」

 「両舷前進最微速」

「ヨンテンヨンマル」

「両舷前進最微速赤フタジュウ」

最微速からさらに20落とすということですね。

「ヨーソロ78度」

「赤黒なし」・・・・「赤10!」



そのときちょうど曳船が押し始めました。
朝と同じ「きみつ丸」がお仕事しています。


不思議なことに、この辺りになると、すべての指示は航海長が行っており、
艦長はジャイロの前からいなくなっていました。



いつの間に・・・・?



平成27年自衛隊観艦式シリーズ、最終回に続く!
 



 





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9 Comments

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操舵 (佳太郎)
2015-10-30 22:55:44
やはり最後は艦長がやるのですね。
操舵がうまくない艦長っているのでしょうかね?
今の護衛艦以上に大きい戦艦などの操舵は大変だったでしょうね。井上提督は赤煉瓦ながら、比叡をぴたりと停泊させたようですけど。
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恥ずかしい! (雷蔵)
2015-10-31 06:25:38
艦橋の雰囲気を分かって頂けたらと思ってお送りしたのですが、まさか、本文に登場するとは思っていませんでした。

艦長は運航に関する全責任を負います。観艦式のように多くの人に見られるイベントでは、出港から入港までの間、食事とトイレ以外は艦橋を降りないのが普通です。

その他の乗員は交代ですが、艦長の代わりはいないので、艦橋には椅子があり、出入港以外は座っていて、細かく指示を出さないでいい場面では、うつらうつらしていることもあります。

運航上、最も重要な配置は、実際に操艦する当直士官です。艦長が納得出来るレベルなら、艦長は横にいても安心出来ますが、技量が足りない場合、艦長は気が抜けません。乗せて頂いた「くろべ」では、当直士官は二直で、航海長は安心でしたが、もうお一人はまだ経験が少ないようで、この方が当直士官の時には、艦長は操艦の一挙手一投足をミリミリ見ているのが、後ろから見ているだけで感じられました。

船はクルマと違って、急には止まれません。そのため、自分の旋回径内に危険な他船を入れないように操艦します。道路と違って車線がないので、どういう体勢ならどちらが避けるというルールが決まっています。そのため、常に周囲の船の動静に注意し、どの船は近付くあるいは遠ざかるというのを頭の中でシミュレーションし、近付く船に対して、自分はどうするというインテンションを持っている必要があります。

艦長は、各当直士官がこのレベルにあるかどうかを見極め、達していれば安心して任せますが、そうでないとそこまで引き上げるための指導をします。指導と言っても、当直士官が自分から正しい指示を出せるようにならないと一人前にはなれないので、当直士官の判断(インテンション)を問い質すだけで、手取り足取り教える訳ではありません。

艦長がうつらうつらしているということは、当直士官は艦長が求めるレベルに達しているということになります。うるさい人は黙ってくれていた方がありがたいですよね。

十分なレベルに達している当直士官でも、陣形が変わる際には、艦長はミリミリ見ます。観艦式の場合、観閲部隊や受閲部隊でそれぞれ単縦陣(縦列)を組みますが、横浜、横須賀、木更津とバラバラに出て来て、追い越し不可の浦賀水道航路を出て、三崎沖までの間(30分以内)で列を組むので、ここでは艦長はピリピリします。

スムーズに列を組めないと、観艦式全体のスケジュールに影響します。木更津を出た「あすか」は「くろべ」の列の先頭艦でしたが「くろべ」の方が先を走っていたので「あすか」が追い越して行ったのですが「くろべ」の前を走る「とね」との間がちょっと開いてしまい、距離を詰めるところで「赤黒」の出番となりました。

編隊航行の場合、基準速力は決まっていて、各艦で勝手に変更出来ません。遅い方から言うと、最微速(3ノット)微速(6ノット)半速(9ノット)原速(12ノット)強速(15ノット)第一戦速(18ノット)第二戦速(21ノット)第三戦速(24ノット)と3ノット刻みですが、各艦は決まった速力で走らねばなりません。これしか使えないと、前の船との間を詰めたり開いたり出来ないので「赤」(回転数をマイナス)や「黒」(プラス)を使って、わずかに増減速して調整します。

クルマと違って、パッとは効かずジワッと効き出し、効いて来たと思ったら惰性が強いので、早めにかけて、早めに払わないとなかなかピシャッと入りません。自分がピシャッと入らないと、後ろの船にも迷惑を掛けます。

見ていると「くろべ」の前の「とね」がちょっとフラフラしていましたが「くろべ」も若い方の当直士官はちょっと判断が遅い感じで、後ろにいた「こんごう」と「きりしま」に影響がありそうでしたが、如何せん「こんごう」「きりしま」ともそれを見越した操艦?で、常にピシッと入っていたので、曾孫氏に「淡々とカバー。完璧なチームワーク」とお褒めの言葉を頂いたのだと思います。

当直士官は誰もが通る道で、すべからくこの洗礼を受けます。実況中継するだけで、在りし日の自分が目に浮かび、艦長にやられた頃が蘇ります。あれが、二人共難なくこなせる当直士官だったら、安心して?観閲やブルーインパルスを眺めていたと思うのですが、傍から助けて上げたくなるような人だったので、ついつい艦橋入り浸りで頭の中が一日当直士官になってしまいました。
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「あすか」の後ろの自動車運搬船 (お節介船屋)
2015-10-31 09:37:13
舷側に「EUKOR」と書いてありますので、韓国のEUKORカーキャリアーと言う海運会社の自動車運搬船です。
数年前の資料ですが、日本郵船、大阪商船三井船舶に次いで、名前のとおり、自動車運搬の荷扱い量が日本では3位です。
ヨーロッパの海運会社の傘下でBMWの車の輸送を実施しているようですが、これだけでは3位は無理と思いますので、国内の国産車の輸出にも携わっていると思います。

エリス中尉
この船、自衛艦に敬礼したでしょうか?
商船は軍艦と出会った場合、国際慣習として、船尾の国旗を旗竿の半分まで降ろし、軍艦が同じく艦尾の軍艦旗を旗竿の半分まで降ろし、また挙げ終わる答礼まで待って、挙げて、敬礼を終わるのが普通です。
自衛艦は軍艦でないと判断するのかな?
失敬する船も多いですが。

海難した場合お互いに助け合うのが今まででしたが、近年救助依頼を聞いても助けに行かない船が多く、IMOが注意喚起が実施されたと聞いています。
海の男も近年、モラルが廃れつつあるようで国際慣習なんて守らないようで残念です。

ただ「世界の艦船」で池田良穂大阪府立大教授が書かれた、今年7月31日起きた「さんふらあ だいせつ」火災事故の記事で救援依頼後15分で「北王丸」「シルバークイーン」が駆けつけ、さらに「すずらん」「ひまわり7」「清和丸」等続々駆けつけ、日本人船員のシーマンシップを褒めておられます。
前述したとおり、日本人船員は外航船には少なく、日本の商船会社の持ち船もほとんど外国人、教育はされていると思いますが、シ-マンシップは取って付けれるものでないとも思います。
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雷蔵さん (エリス中尉)
2015-10-31 11:55:42
なるほど・・。
今回わたしは初めて腰を据えて?艦橋での作業を見学したばかりだったので、
雷蔵さんのライブな外部からのコメント付き報告がドンピシャでツボにはまりました。
3年前は艦橋に上がることすら考えもつかなかったことを思うと、
確実に自分が経験値を上げたことが実感され嬉しいです。
「ちょうかい」の艦橋にずっといた人は、ほとんどOBだったのではないかと思えてきました。

今回目の当たりにした作業で一番腑に落ちたのはやはり「赤黒」でしたね。
本当に細かく、しょっちゅう赤や黒が登場し、
操艦というのはデリケートな調整によって「ピシャリ」となるのだと知りました。
今回の一番の収穫が艦橋見学であったと前回エントリの最後に書いたわけ、
おわかりいただけたでしょうか。

曾孫氏のお言葉についてもやっと状況がわかりました。
本当に観艦式は怖いですね(自衛官的に)
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元船長 (昭南島太郎)
2015-10-31 23:59:09
双眼鏡で古い記憶が蘇って来たのですが、豪国で嫁のガーディアンをしていた豪人(英人とデンマーク人アンデルセンの子孫の混血なんですが)は元ロシア船の船長でその時使っていたと言う双眼鏡が必ず彼のシドニー、マンリーのアパートの居間にあり、よく私もそれでシドニー湾を行き交うフェリーを見てました。
彼は双眼鏡でフェリーを眺めては操船について色々ブツブツ独り言のように論評してました。嫁と彼とシドニー湾にいる時たまたま偶然にQEU+2161の入港に出くわしたことがあります。タグボートで接岸される一部始終を彼の興奮したOZ英語で解説受けたことがあります。

すみません。個人的な昔話でした。実際、艦橋ではピリピリ緊張感漂う出入港なのですね。
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独壇場 (筆無精三等兵)
2015-11-02 11:57:50
雷蔵さんのコメントが、それだけで一つのエントリが出来る程に(笑)。
でも、やっぱり「中の人」の話は面白いです。

あと僭越ながら、艦橋で聞こえた「りょうち云々」というのは、もしかしたら「錨地(びょうち)」ではなかろうか?と具申いたします。
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艦橋の雰囲気 (アーサー)
2015-11-02 23:46:36
 地方での体験航海の時は、艦橋に入れない時もありますが、艦橋の雰囲気が好きで、ウィングか、艦橋の後方でいつも見学しています。
 以前、多用途支援艦の体験航海で、接岸直前に田舎のヨットがふらふらと近づいてきて、体験航海のため、アナウンスしてから、気笛を鳴らして警告していました。かなり近くまで接近していたので、艦長はかなり頭に来たようで、
接岸後、「あの舟に注意をしておけ!」と言っておられました。
 艦は、停止距離も長いので、操艦する苦労を垣間見た感じでした。
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言い回し (wivern)
2016-08-09 23:15:29
言い回しはカッコつけと、聞き取りやすさですね。中の人間としてはあの言い回しが普通なわけです。
半速は「はんそー」もしくは「はんそう」、強速は「きょうそー」もしくは「きょうそう」ですし、戦速は「第○せんそー」もしくは以下略・・・ですし。戻せも癖が強いひとは「んもどーぉ、せっ」とかですし(笑)

「両舷前進げんそー」 は、減速ではなく、原速ですね。最微速=3kt、微速=6kt、半速=9kt、原速=12kt以下略・・・と決まってます。

減速黒10、も原速黒10。というわけで。
ブーッというブザーは操縦室からの「仰せの回転翼角に制定したで~」というお知らせですね。

あて、というのは当て舵、回頭惰力(慣性)を打ち消すために、反対舵をすこし入れることを言います。

航路というのは、特に航行に関する規則が決められた海の道です。港とは関係なく、港界というのが別に定められてます。

艦長操艦の前の「赤黒!」は状況からして[艦長](よろしくない行き脚だな・・・)「オイ今赤黒どうなっとんねんワレ!」(操艦者に対して)って意味ですね。
で、「もうええわワイが操艦する」で艦長操艦となるわけですな(笑)
返信する
お詳しい。 (エリス中尉)
2016-08-15 09:16:22
wivernさん、お詳しいですねえ。
掛け声はおそらく帝国海軍時代からの慣習なんだろうなと思っていましたが、
「げんそく」「きょうそく」など無声子音で終わる言葉は
「音を伸ばして聞き取りやすくする」という意図で昔は「げんそーーーーーーーく」とやっていたのでしょうか。

この言い方も各自なりのこだわりや癖があるのだとしたら面白いですね。

原速の速度、よくわかりました。ありがとう存じます。(以下略)の以下は

強速→15kt
第一戦速→18kt
第二戦速→21kt
第三戦速→24kt
第四戦速→27kt
最大戦速→30kt以上

だそうで・・・ノットでは我々にはピンと来ませんが、
最大戦速の30ノットとは55.56km/hということでした。

それにしてもこのときの「赤黒」にそんな意味があったとは・・・
これだけでそれだけのことがわかってしまうんですねえ。
どんな世界にもそういう「同業者にしかわからないこと」があるのものですが。


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