アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

マントラ禅

2022-11-19 07:25:51 | Overview of the meditation 冥想の全体像
【第五章】冥想の種類
◎単体冥想の評価と方法
3. 単体冥想のいろいろ
(7)マントラ禅

(a)マントラ・ヨーガからマントラ禅へ
あるマントラを、一心不乱に全身全霊で、自分のすべてを捧げるつもりで念ずると、その時に誠意、真心、信頼という信愛(バクティ)が発生し、生体機能を調整する。これがマントラ禅。普通はマントラを専一に唱え続けるのはマントラ・ヨーガに分類されるが、「自分のすべてを捧げるつもりで」行えば、何かが起きるので、そこでマントラ禅に転化する。

なお信愛(バクティ)という言葉は、ラーマクリシュナ本で頻出する用語で、ラーマクリシュナがカーリー女神に全身全霊で帰依することで起こるのが信愛(バクティ)。

なお自分の個人的な金やメリットのために強く念じたり願ったり唱えたりするのはマントラ禅ではない。

(b)マントラの種類
次のものから自分にフィットするものを一つ選ぶ。
①ムー
②何もかもなし
③ニルヴァーナ
④オーム
⑤神 (または)神様(神を念じること)
⑥ラーム
⑦南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
⑧南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)
⑨(読経)=(お経をよむこと)
⑩アーメン
⑪(主の祈り)(キリスト教)
⑫(祝詞)(のりと)
⑬何でも:『Z世代』でも、『サプリ』とか『スマホ』でも何でも自分にフィットするものならOK。ただし、およそ物事の始まりには不思議な力が宿っているものであるから、(徹すれば問題はないのかもしれないが)変なマントラを選ぶと結末がよくないということもある(出口王仁三郎に関連エピソードがある)。

※参考:主の祈り(日本カトリック司教協議会)
天におられるわたしたちの父よ、
み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、
悪からお救いください。

(c)坐法など
ダンテス・ダイジは正座、半跏趺坐にて合掌する他、半眼閉眼どちらでも可とする他に唱え方念じ方まで示している(ニルヴァーナのプロセスとテクニック)。神に全身全霊を投げ込む感じで行うことを特に注意している。

(d) マントラ禅のルート
マントラ禅で行きついた境地としては、真宗の妙好人の歌で、全心身の快適な状態にとどまらず、最終的に究極まで届いた人がいることを知ることができる。

自力が他力にしてもろて いまはあなたと申す念仏
(妙好人 浅原才一)

それを、冥想手法とその結果の不確定性という法則の一つとして考える見方もある。

ダンテス・ダイジは、マントラ禅の例として南無阿弥陀仏の念仏中に、竹富島で自殺した友人の幽霊が自分と一緒に死んでくれと頼んで来たので、躊躇なく家の外にある石造りの便所の換気口に棒を入れ紐をくくり、彼と一緒に首を吊ったことを挙げている。

その間ダンテス・ダイジは、念仏を唱え続け、『あらゆる生命の苦悩と死が南無阿弥陀仏の中を流れ来たり、流れ去っている。』(ニルヴァーナのプロセスとテクニック/ダンテス・ダイジP8から引用)ことを見た。これは、全心身の快適どころではない。すべてが南無阿弥陀仏でできている世界に居たし、そのことは妙好人の歌でもそういう世界に入ることを確認できる。他のマントラでもすべてがそのマントラでできている世界があるのだろうと思う。

妙好人の浅原才一の歌、
『この世界仏の世界でござります
仏の世界に生をうけさせ
ご恩うれしや南無阿弥陀仏
ありがたいな

ご恩を思えばみなご恩
これ才市なにがご恩か
へえご恩がありますよ
この才市もご恩でできました
着物もご恩でできました
食べ物もご恩でできました
足に履くものもご恩でできました
そのほか世界にあるものみなご恩でできました

茶碗や箸までもご恩でできました
敷き物までもご恩でできました
ことごとくみな南無阿弥陀仏でござります
ご恩うれしや南無阿弥陀仏』

※悪いマントラの例:
出口王仁三郎が岐阜に立ち寄った際、自分のことを淫乱商人と名乗って、朝から遊郭橋本屋に上がった。そこで遊女20名の人生相談をしたところよく当たるので、全員その場で入信した。その後も橋本屋から彼に来訪要請があったが行けないので、別の人物をそこの新設教会トップに置いたが、いろいろな事がゴタゴタ続いて結局教会はなくなった。
出口王仁三郎は、教会が最初うまくいったが結局ダメになった原因は、自分が始めに淫乱上人と言った言霊が祟ったのだとしている。
(出典:『神霊座談会 長沢雄楯・出口王仁三郎』(機関誌『昭和青年』『昭和』に昭和6年(1931年)から8年にかけて掲載された、出口王仁三郎を中心とする座談会記事))

言霊もマントラである。
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