アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

脳内麻薬-ソーマ・パイロットの言葉-5

2024-10-06 03:02:37 | ダンテス・ダイジの風光

◎情熱があってこそ宇宙が宇宙としてある

 

ドラッグを服用してハイになって、その状態で文章を書いたり、あるいはその状態を描いたものは、アンリ・ミショーやオルダス・ハックスレー、ウィリアム・ジェームズなど捜せば結構出てくるものだが、窮極に届いてそれを描写し得たものは、極く稀れである。『ソーマ・パイロットの言葉』は、その稀れな一例。

 

『ソーマ・パイロットの言葉』の続き。

 

『ソーマ・トリップは

体験ではない

ソーマはドラッグではない

ソーマは

すべてを越えた君自身であり

すべてである君自身であり

ただひとりの君自身である

だから

ソーマ・トリップに

終わりはない

 

おまえが

永遠が好きなら

永遠にいればいい

永遠を終わらせたいのなら

終わらせればいいんだ

 

どこまでも、どこまでも

 

このアシッド

一つぶいくらしたの

横丁のラーメン屋のおやじ

競馬が大好きなんだぜ

おまえの着ている服 イカスな

おれ 今とってもさえてるよ

おまえは どう?

 

限りない虚空さえ

もはやない

 

君のやっているトリップが

何かの作用なぞと思わないでほしい

ドラッグに

トリップを起こす作用はない

 

もう、いいんだ

 

決して

情熱をやめないこと

トリップ・トリックに

ひっかかるなよ

情熱なんか無いなんて

かたいことは言わないでくれ

目的と

それへの情熱こそ

宇宙が宇宙としてある原因だ

 

もっと、もっと、もっと

 

 

本当に確かなものを

求めてみろよ

君は断じて

どこにも行き着かない

 

夢だよ』

(メディテーション/トラベル・ガイド/ダンテス・ダイジから引用)

 

上掲の『『ソーマ・トリップは

体験ではない』は、体験とは言えない体験のこと。バッド・トリップやグッド・トリップは、見ている自分が残っているので、問題にしていない。

 

上掲『ソーマはドラッグではない

ソーマは

すべてを越えた君自身であり

すべてである君自身であり

ただひとりの君自身である

だから

ソーマ・トリップに

終わりはない』は、ソーマがニルヴァーナの展開であって、すべてであるアートマンであって、自分個人であることを示す。

この三つの相を往還するから、終わりはない。

 

※アシッド:LSD

※限りない虚空:梁の武帝が「仏法とはどんなものか?」と達磨大師に問うた。達磨は、「廓然無聖(心が大空のように晴れてわだかまりがなく、からっとして、聖などというものは無い)」と答えた故事が意識されていると思う。

 

上掲『もう、いいんだ

 

決して

情熱をやめないこと』

は、悟りにあっては、もういいが、現象の転変のゲームを続けるには、情熱をやめるわけにはいかないという、逆のことを言っているが、悟りには両方必要なのだ。迷いあっての悟り。

 

本当に確かなものを求めてみて初めて、君は断じてどこにも行き着かないことを知る。

それは、夢だよ。

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