◎説明不能の部分-いまや文明は終わった
ダンテス・ダイジの老子狂言から。
以下の部分は、全体として彼の歴史観を端的に示した数少ない部分である。ダンテス・ダイジは、この文明を中有タイプの文明と評価している。天国でもなく地獄でもなく不分明だが、天国と地獄の結婚の先へも行けない、と。
『○
感情とそれからにじみ出す想像力は、欲望として以外にありえぬ個生命—人間にとって実に巨大な力を与えていた。
アトランティス文明の黄金時代は、人類の感情・想像・記憶を司るアストラル・パワーの開花の時だといってよい。
自我意識、合理的理性が未だ発達していないアトランティス人種は、合理的科学法則とはまったく異質の多くの夢を実現することができた。しかし、人類の進化は、そこでとどまることをゆるさない。あらゆる個生命は、欲念を原動力として流動転変せざるを得ないからである。欲念相続には、完全満足なる到達点はあり得ないことは言うまでもないだろう。
欲望は欲望を滅尽させるために欲望としてある。欲望は、充足と苦悩というゲームの作り手なのだ。』
(ダンテス・ダイジの老子狂言から引用)
アトランティスは3期あり、その黄金時代は、神の宮アメンティにトオス以下神人がおわしまして、神政一致の政治をとっていた。アトランティスは、最初から黄金時代であったわけでもなく、また最終盤は、黄金の輝きを失った我欲の時代となり、全島沈没の憂き目を見ることになった。それをいち早く、予感した人々は、エジプト、ギリシア、中米、北欧、日本などに避難していった。
感情人の時代だったアトランティスは、感情・想像・記憶を司るアストラル・パワーを十全に活用し、自我意識、合理的理性が発達していないにもかかわらず、文明都市を作り上げた。最後にはピラミッドを建設し、そこに文明の精華を封印したなどと言われるのは、現代科学からみても驚異と言えよう。
だが、欲望のゲーム、喜怒哀楽のゲームは常に満足と苦悩の間を往復し、決して終わることがないがゆえにそのゲームは既に終わっている。
ここは、アトランティス時代限定ではなく、現代も同様の部分。