◎ジェイド・タブレット-06-47
◎青春期の垂直の道-46
◎非想非非想処定まで
色界の禅定4レベルの説明が終わったので、無色界の禅定です。
9レベルのうち上位の4レベルを説明するが、無色界は、物質を離れた世界であるとは言っても、あくまで人間という個人が体験する個人性を残した定のレベルであることに変わりはない。人間の体験なので、それがどんなに素晴らしい体験であったとしても、いつかは変わり、消えてゆく体験なのだと思う。
(3)無色界
欲望もなく、物質的なものも超えた精神性だけの世界。
(e)空無辺処定:限りない広がりがあるという意識
(f)識無辺処定:あらゆるものが限りない広がりにあるという意識
(g)無所有処定:なにもかもがないという意識
(h)非想非非想処定:なにもかもがないという意識もないという状態
なにもかもがないという意識もないという状態は、何も問題がなく、不安もなく、快適で懐かしく、とても素晴らしい状態であるに違いない。初心の冥想修行者としては、一つの目指すべき境地であることは間違いない。また、おそらく通俗霊能力マスターなら、このレベルに至れば大物霊能力者と呼ばれるようなことになるのではあるまいか。
非想非非想処定とは、最上の天国に相当する状態でもあると思う。
しかし釈迦は、 非想非非想処定に満足することができず、その上の段階を目指した。釈迦の何回も繰り返された転生の中で、なにもかもがないという意識もないという状態ですら、本物ではないことをわきまえていたのだろう。定は定であって、人間性の限界を超えることはないのだ。
冥想十字マップの水平の道では、冥想状態は定と三昧に二分されるが、自分が残っているのが定であって、自分がないのが三昧。従って無色界の禅定を非想非非想処定までの四種類示したが、いずれも定であって三昧ではない。釈迦が納得しなかったのも当然である。