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詠里庵

折り曲げられる時計

2005-06-17 06:16:18 | 日々のこと(一般)
なるものが開発されました。「世界初の折り曲げられる時計、電子ペーパー技術採用で実現」と謳ったページはニュースなのですぐ消えると思いますが、紙に描いた数字の時計のように見えます。でも私が期待したのは長針短針の時計。ま、数字表示ができるならこれもやろうと思えばすぐできそうです。なぜ長針短針の時計がいいかって? ダリの世界を実現したいからですよ。机のへりから半分ダランと垂れ下がった時計がきちんと時を刻んでいたら面白いなと思うわけです。

ところで「折り曲げられる」メリットを持つ他の重要なものがあります。25年ほど昔光ファイバーなるものがまだ研究段階でしかなかったとき、光を使った通信なんて、鏡を組み合わせ、水道管みたいにまっすぐあるいは90度に固定された導波管みたいなものしか考えられませんでした。それが普通の電線と同じように曲げてもそれに沿って光が伝わるわけです。光ファイバーの開発に携わっていた私を含む研究者達は「折り曲げられる」ことのすごさを研究室で感じていました。この大きな特長となる性質を、報告書や特許ではそれなりのオフィシャルな用語で表さなければなりません。どんな言葉かご存じですか? 「可撓性」と言います。読み方は「かとうせい」。なんじゃそりゃ? べつに「折り曲げられる光のケーブル」でいいじゃないか。それを「可撓性を有する導波型光伝送路」とか書くわけです。ま、公式文書ですからそれなりの品格を保たなければね。CMコピーだったら「可撓性を有する平面型時計を開発!」では受けませんね。
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