詠里庵ぶろぐ

詠里庵

オーボエ

2006-09-22 07:49:03 | 日々のこと(音楽)
という楽器、軽やかである一方、哀愁を帯びた特徴のある音色です。「運命」第一楽章再現部でのレシタティーヴォ。何という効果でしょう。新世界第二楽章では兄弟分のイングリッシュホルンも胸を打ちます。

昔、職場の合奏団でバッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調をやりましたが、そのときのヴァイオリンとオーボエのカッコいいこと。彼らをまぶしく見ながらチェンバロパートを弾いていました。

しかし曲が終わるとオーボエ奏者は汗だくで疲労困憊になっていました。どうもオーボエという楽器は重厚長大と逆の見かけや音(チャルメラに似ていますね)から想像される楽器とは違うようです。ダブルリードを自分で削る普段の手入れも大変ならば、音の出し方も指使いも複雑。クープランの墓のプレリュードなど、聞こえの爽やかさと裏腹に死ぬほど難しい曲ということです。この曲は原曲のピアノの方が楽かもしれません。

オーボエに話を戻すと、ハインツ・ホリガーの吹くベリオのゼクェンツァは鬼気迫るものがありました。オーボエのあらゆるテクニックを駆使したソロの曲で、管一本でこんな表現まで可能なのかと思いました。

(ただし、その新テクニックの中には二つの音つまり和音を同時に出すというのがありましたが、それはあまりオーボエらしい音でもなかったので、その前で止めておいても良かったようにも思いましたが。)
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