詠里庵ぶろぐ

詠里庵

自作自演を一つ

2005-06-19 22:17:13 | 詠里庵・新着案内
元サイトにアップしました。いやあオープンリールテープデッキが2台とも調子悪く閉口しています。SONYさんTEACさんまだオーバホールやってくれるんでしょうか。でないと死んでしまうテープが大量に。

今回新たに見つけたカセットテープからアップするのはピアノと管弦楽のための「ノスタルジックな小品」。客観データは元サイトを参照してください。ここでは主観的解説をします。聴いておわかりの通り全然現代音楽ではなく、まあ習作です。でも習作とはいってもいくつかのねらいがあります。

この曲は高校生の時にピアノ五重奏の形でほぼ出来上がっていましたが、元サイトのどこかに書いた通り、ショパン的な音楽とは決別し忘れようとしていました。しかし社会人になりたてのころシンセサイザーをやろうと決心しました。シンセサイザーとは、鍵盤付きの発振器+変調器+フィルターみたいなものです。まず電気的で安っぽいシンセサイザーの音は使い方が悪いからであって、工夫すれば生楽器に迫れるのではないかと考え、いくつかの練習のあと手始めにこの曲をピアノと管弦楽の曲として重ね録音演奏することにしました。管弦楽法の本を読む前だったので、総譜は1管編成という変則的編成で仕上げました(そのため管が息継ぎできないようなフレーズもあります)。題名も当時高校生活を懐かしく思い出して「ノスタルジックな小品」としました。この題はちょっと芸がないですね。その後3日間くらい寝食を忘れて集中的に重ね録音を実行しました。

作曲当時(高校の頃です)のねらいとしては、短い動機を繰り返す安易作曲を抜け出すために、ラフマニノフのP協2やアランフェス第2楽章のように息の長い旋律とその展開を経験しておきたかったのです。

聴いておわかりの通り本物のオーケストラにはかないませんが、また楽器の音量バランス(管弦楽法の第一要点は音量バランス)が生でも通じるかはわかりませんが、シンセサイザーでも生楽器にある程度迫れる感触を得、上記一連のねらいは一応達成されたと考えました。

さて分類でいうと[d](2)と[e]の両方にまたがります。分類って何だっけといわれそうなので:

[a] 自分で調律したSchwesterでの録音(1971~75年)
[b] 1人多重録音(1974~75年)(1)非平均律 (2)作・編曲の音実現 (3)ensembleへの憧れ
[c] 某ピアノの会在籍中の録音(1975~76年)
[d] シンセサイザーの重ね録音(1977~1981年)(1)習作(2)生楽器に迫りたい!(3)生楽器にない音を!
[e] 自作・編曲の自演・他演録音(1980~)
[f] その他のソロ・アンサンブルステージ演奏録音(1971~)

ちなみに 既アップの「黒ミサ」は[d](3)です。
黒ミサとともにご感想をお寄せいただければ幸いです。
コメント
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