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詠里庵ぶろぐ

詠里庵

113番目の新元素

2012-09-30 08:50:05 | サイエンス
の証拠が理化学研究所の実験によりほぼ確実になったというニュースがありました。
9月25日理研で行われた記者会見の様子が理研のホームページにありますのでご覧ください。23分ほどかかりますが見応えあります。新元素を発見するということは具体的に何を言わなければならないのかがわかりやすく述べられています。

不安定元素なので崩壊するわけですが、崩壊の時間はミリセカンドのオーダーということです。「そんなに短い時間しか存在できないものは元素と言えるのか?」と思うかもしれませんが、原子物理の世界ではものすごく長大な時間です。そもそもミリセカンドの時間遅れは、音にしても映像にしても人間は十分検知できます。原子核からしたらほぼ無限に長いと言えるでしょう。

113番目の元素といえばウンウントリウムという呼び名を思い出す人もいるかもしれません。これはワンワンスリーつまり113です。命名権が与えられるといいですね。
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月面第一歩のアームストロング

2012-08-26 09:12:52 | サイエンス
が8月25日死去とのこと。享年82才。アポロ11号のころ生徒だった私はテレビの実況放送に釘付け。スヴャトスラフ・リヒテル似の西山さんによる同時通訳を食い入るように聴きました。月面に降り立ったニール・アームストロング船長は落ち着いていましたが、動作がコケティッシュなところもありました。彼は当時「車の免許より先にジェット機を操縦した男」と言われていました。
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H-IIBロケット3号機

2012-07-14 09:35:20 | サイエンス
が来週7月21日に種子島宇宙センターで打ち上げられます

さるピアノ仲間はこれに搭載される「こうのとり」3号機に関係しているそうで、「一昨年は世界最初のソーラーセイルIKAROSの展開構造をずっと手伝ってきましたが、概念設計から実現するまで10年位はかかる」のだそうです。一昨年というのは多分「あかつき」のことでしょう。

打ち上げは7月21日(土)11時18分頃、テレビかネットで見ることができるでしょう。ぜひ見てあげてください。

(15日には星出さんのソユーズ打ち上げもありますね)
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今日のNHKニュース

2012-07-04 21:28:25 | サイエンス
は、もちろんヒッグス粒子。計画され、その通りに進んだ発見。とはいうものの大変なご苦労でした。二つの陽子を正面衝突させ、いろいろな素粒子に分裂して四方八方に散乱した軌跡群の中に、ヒッグス粒子が発見されたということです。ラザフォード以来変わらぬ、正面衝突させて分裂させ散乱を見る、というのが素粒子論の王道なんですね。

こういうニュースにはウットリと見入ってしまいます。特にこれは嘘かもしれないと思う必要がなく安心して見ていられます。「では次のニュースです」と突然言われても、頭はすぐにはリセットできません。

ところがその「次のニュース」というのが・・・

野田首相と小沢一郎の正面衝突による民主党の分裂と散乱。

・・・

一挙に興ざめしてしまいました。
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次世代暗号の解読で世界記録

2012-06-19 07:26:59 | サイエンス
というニュース、来るだろうと思ったあなたは正しい。それも「だから量子暗号が必要だと言いたいのでしょう」と思ったあなた、おおむね正しい。ここまで言えばだいたいどんなニュースかわかるでしょう。でもそのうちリンクがなくなると思うので一部引用しましょう。「ペアリング暗号は、“離散対数問題”を安全性の根拠とする公開鍵暗号で、従来の公開鍵暗号では実現困難だった、さまざまな利便性の高い応用が可能な次世代の暗号方式として注目されていた。従来、この桁長の暗号は解読に数十万年かかるとされていたが、今回、新しい攻撃法の適用により148.2日間で解読できる脆弱な暗号であることを3者は実証した。」
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今年は天体ショー

2012-06-08 07:51:08 | サイエンス
の当たり年ということですが、都合や天気もあってそうそう全部リアルタイムで見られません。でも金星の太陽面通過は、昼休みどきということもあって見ることができました。バードウォッチング用の望遠鏡を持って来た人がいて投影していましたが、こんなに大きくハッキリ見えるとは驚き。クリックして拡大して見てください。金星以外の複数の黒点はまさに黒点です。

他のサイトもいくつか。日本の科学衛星ひのでからの画像NASAのページ。地球とほぼ似た大きさの金星が大きな太陽の周りを何十億年、黙々と周回していることが身近に感じられ、なかなかのものです。

最後にちょっと変わりダネ
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まずは米水星探査機

2012-06-05 07:46:25 | サイエンス
メッセンジャーが撮影した水星の南極付近の画像をご覧あれ。

画像処理されたものとはいえ、これ美しくないですか? 現代美術と言われたらそう思ってしまいませんか?

氷に覆われた木星の衛星と同じように、水星の南極付近に電波を強く反射する領域があることが20年以上前電波望遠鏡で観測されたことから、水星の南極に氷があるという仮説が立てられています。そしていまメッセンジャーの観測で、上の画像の紺色の部分が太陽光が届かない部分ということがわかったそうです。つまりこの観測は20年前の仮説と一致する結果ということです。NASAのページでは「決定的証拠ではないにせよ」仮説と一致する結果と書いてあります。

日本のニュース記事では(これもほどなくリンクなくなるのでしょうが)「灼熱の惑星・水星に氷…米探査機の画像で確認」という見出しになっていますね。表現が微妙に断定的になっていますね。記事を出さないよりは出した方がいいのでしょうが・・・
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大学教員はもっとヒマに

2012-05-12 01:32:58 | サイエンス
してあげなければならない、と、とある二つの研究会をハシゴして会った他大学の知人達や科学ジャーナリスト達と意気投合しました。

「何を言っているのだ。大学教員こそ一番自由じゃないか。もっと真面目にやってもらわなければ」という声が聞こえてきそうです。

いや、違います。その研究会でつくづく思ったのですが、世の中、年を重ねても100%研究に打ち込んでいる人がいます。そういう人は、その年でも若い人達に必ず刺激を与え続けている・・・とは限りませんが、逆は真なり(つまり年を重ねても若い人達に刺激を与え続けている人は、だいたい研究管理や研究行政を避けてほぼ100%研究している)と思います。

科学ジャーナリストさんも言います。「最近大学教員の人達はみんな忙殺されている。ウィークデーの日中連絡をとろうとしても会議だの面会中だのでつかまえられない。夜とかウェークエンドしか話せない。昔はこんなことはなかった」といいます。ああやっぱりほかの教員達も同じなんだ、と思いました。

いやほんと、真面目な話、未来が心配になります。研究行政やadministrationの人達は「教員は無限の時間を持っている」と思っているのではないかと思うほど次々といろいろなことを言って来ます。それもいつの間にかメールで。イギリスにいた若い頃「Phys. Rev. Bの厚みが年々加速度的に増している。単純に外挿すると、いずれ図書館に溜まる同誌の増加は光速度を超えてしまう。しかしそれは物理に反しない。最近のPhys. Rev. Bは情報量ゼロだから」という笑い話がありました。この話じゃないけれど、メールが溜まる速度が異常に速くて、あっという間に画面から上に消え去って行く。こんな状況で「送りましたよッ」と言われても辛いなあ。

(なんか似たような話を前に書いたような気もする)
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外村彰さん

2012-05-03 00:29:36 | サイエンス
が2日未明亡くなりました。享年70歳。アハラノフ=ボーム効果の実証実験をはじめとする、自ら開発した電子顕微鏡を用いた数々の実験は、科学者のみならず多くの人を魅了しました。とてつもない成果のみならず氏の科学に対する真摯な有りようは、科学に携わる者をどれだけ勇気づけたかわかりません。
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NASAの太陽巨大紅炎

2012-04-22 18:13:58 | サイエンス
の動画をどうぞ。
こういう画像を見たときすぐ「波長いくらの電磁波で見た画像に色付けしたものかな」と突っ込みます。見ると、304オングストロームと書いてあります。これは真空紫外なので、分厚い大気の下にある地上で見ることはできないはずです。おかしいなと思って調べると、Solar Dynamics Observatory (SDO) で観測したとあります。SDOとは、2010年2月11日に打ち上げられた人工衛星天文台。これなら観測できますね。

 次に疑問に思ったのは、これはリアルタイムのはずはなく早送りした動画に違いないということです。太陽の直径に地球は109個並びます。光速度は1秒に地球7周り半。それを考えると、まあリアルタイムと仮定しても光速度を越してはいないようですが、光速度に近いですね。それはあり得ない。
 さてこの情報が結構見つけにくくて、「よくある質問」のところかなと思って開くと、30個近くある質問の最初が
「Is the world going to end in 2012?」
とあります。残りの質問も推して知るべしですが、一応見たところ、やはりありません。それでもなんとかあちこち探すと、ありました。4時間の動画を縮めたものだそうです。
 それでも嵐なんてものじゃありませんね。地獄ですこれは。でもそれが生命の源なんですね。地球の大きさと比較したければこちらの静止画をどうぞ。
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なかなか仕事がたてこんで

2012-04-07 11:28:55 | サイエンス
久々に一息。こんなとき放送大学の番組を見て息抜きすることがあります。いや大抵は眠くなるものが多いのですが、ときどき見入ってしまうことがあります。いま終わったところですが途上国の開発政策という授業、見入ってしまいました。内容は通常の私の興味とは離れたものなのに。

特に話術が巧みとか面白おかしくしているわけではありません。なぜ魅力的なのかなと思いましたが、多分台本がよく出来ているのだと思います。よどみなく、つっかえることなく、淡々と喋っているだけですが、大変論理的で聴く者を「ほうほう、それで?」と思わせてその事項に突っ込んで行くなど、やはりこれは筋書きの良さなんだなと思いました。自分の授業にも役立てられそうですね。

(その次の授業をいま投稿寸前にやっていますが、ごめんなさい、これは私は見入ってしまうことができません。)

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NASAが月の歴史45億年

2012-04-04 07:38:46 | サイエンス
早送りする動画を発表したそうです。リンクが長く残りそうなNASAのyoutubeはこちら。NASAは見てきたような画像や動画を発表していますが、好奇心をくすぐるエンターテイメントではあります。この動画は月が出来たあとの場面ですが、その前、地球に同規模の惑星が衝突して月が出来たとするフィクション動画がこちらにありました。ProjectVRDの提供だそうです。

いずれの映像も音楽を付けるのは勝手ですが、いい音楽にして欲しいですね。NASAの方がマシな音楽ですね。
それと、NASA作の方は衝突音を入れていますが、これはちょっと・・・宇宙モノの映画でも宇宙でゴーッとかガシャーンとか音が入っていることがよくありますが、音なんかしないはずだろうと思うと興醒めして鑑賞の邪魔になります。2001年宇宙の旅のように、真空中では無音にして、空気が侵入すると突然音が始まるという演出だととてもリアリティがあるのですが。
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「NHK国営化」ジョークを謝罪

2012-04-03 01:11:28 | サイエンス
とは日本のエイプリルフールのひとこまでしたが、彼の地ではThe New York TimesにA Quantum Theory of Mitt Romneyという記事。アメリカの量子情報の研究仲間から教えてもらいました。これを読んだときは吹き出してしまいました。
 いまやっている大統領選の共和党予備選挙候補ロムニー氏が哲学もなく言うことをコロコロ変えるのを皮肉った記事ですが、テレビに映ったロムニー氏の絵を出して、
Fig. 1: The famous “Schrödinger’s candidate” scenario. For as long as Mitt Romney remains in this box, he is both a moderate and a conservative.
と解説。記事によればロムニー氏は史上初のquantum politicianで、二状態のどちらかであるのでもなく、二状態をかわるがわる取るのでなく、「同時に二状態にある」のだそうです。他にもcomplementarity、probability、uncertainty、entanglement、noncausality、dualityなどの言葉の意味を、ロムニー氏の言動を例に説明しています。たとえば観測行為はその結果と無関係ではないと言って
「More precisely, Mitt Romney will feel every possible way about an issue until the moment he is asked about it, at which point the many feelings decohere into the single answer most likely to please the asker.」
など。
 またこの記事を読む副産物として、1960年以降のアメリカ人はほとんど「Etch A Sketch」なるお絵かきおもちゃで遊んだことがある、などということを勉強したりしました。

しばし楽しんだあと・・・しかし、徐々に背筋が寒くなるのを感じました。
それは何か?

こんなジョーク記事、日本ではまだ到底あり得ない。政治家の言動のいいかげんさを皮肉るのに量子力学や量子情報科学の言葉を駆使するなんて。サイエンスに興味を持つ人口比率が欧米と日本で非常な差があるというのは本当なんですね。The New York Timesではどこかの1ページにこんな記事を紙媒体で発行するのを許すんですね。(具体的には A version of this op-ed appeared in print on April 1, 2012, on page SR4 of the New York edition with the headline: A Quantum Theory of Mitt Romney. だそうです。)

NHKとThe New York Timesの差を見せつけられたエイプリルフールでした。
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南方熊楠の足跡を訪ねて

2012-03-20 23:05:54 | サイエンス
というエッセイ詠里庵本家ページにアップしました。
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帰国しました。

2012-03-06 08:03:16 | サイエンス
例によって時差を感じるヒマもない日常に突入。
ところで米国の研究スタッフや留学生は中国の人ばかりだと書きましたが、ある研究室でラボツァーを説明してくれたのは日本人の博士院生でした。しかも我が大学の卒業生。流暢な英語で明晰に説明してくれました。そうやってどんどん自分を広げて行ってください。
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