こんにちは。はじめまして。山岳部1.5年の外和田です。
2021夏合宿のブログの更新という大役を仰せつかりました。張り切ってまいります。
追記:UPが遅くなってしまい申し訳ありません!もうブログというか回想ですが、よろしければ目を通してやってください。
今年の夏合宿の参加者は3年1名、2年4名、1年1名の計6名。昨年度は某COVID-19の影響で夏合宿を実施できなかったため、夏合宿経験者は主将のみというなかなかの事態。様々なトラブルに見舞われつつも、何とか14日間の定着、5日間の縦走を完歩することが出来ました。その様子を定着編、南アルプス縦走編、北アルプス縦走編の三回に分けてお伝えします。
【2021夏合宿 定着編】
今年の定着合宿の舞台は剱!ということで、剱の玄関、室堂での様子から書き始めたいところですが、今年はそこに至るまでに2つほど苦労がありましたのでそこから。1つ目はコロナ。夏合宿が近づくにつれ、感染の状況がどんどん悪化。夏合宿が中止になればひと月分の行動食を下界で消費することになるのか、と隊員全員が絶望した直後、学務から許可をいただくことが出来ました。神様仏様学務様。次に悪天。富山への移動中、ニュース番組が気象情報一色になるほどの記録的な大雨に見舞われました。前線をなぞって東に移動し九州を脱したは良いものの、進むことも戻ることも出来なくなり、止む無く広島のカラオケに一泊することに。その後、あらゆるルートを駆使して予定より1日半遅れて室堂に到着しました。
室堂到着初日は雷鳥沢キャンプ場で一泊。先一週間は雨が続くとの予報が出ていたため、カラフルなテントが花畑のように広がる、雷鳥沢らしい景色は見られませんでした。というかテント自体無かったです。全然。
翌日は本拠地の真砂沢までボッカしつつ移動しました。合宿後に諸先輩方に話を聞いたところ、今回は例年に比べ歩荷量が多かったことが判明。パッキングや道具の取捨選択能力に関しては反省が必要ですが、重さの要因の一つに食事があります。今合宿は食事係が大変優秀で、味・レパートリーともに非常に高いクオリティーでした。そのぶん、筆者以外の隊員が歩荷を頑張ってくれました。歩荷力とメシの美味さは比例することを痛感しました。歩荷練習頑張ります。
真砂沢到着後は予想通りの悪天のためになかなか動くことが出来ませんでした。なんとか外に出られたとしても雪訓三昧で、隊にはどんよりとした雰囲気も流れていたりいなかったり。冬合宿を考えると、沢山雪訓が出来たことはありがたかったとも感じます。なかには私が滑り落ちてゆくのを眺めてその日の行動の大半が終わる、といった日もありました。粘り強く待っていてくださった皆さん、ありがとうございました。
一日だけ微妙に動けそうな日があったため、予定を繰り上げて全員で仙人池に向かいました。雪渓が例年に比べ大きく崩れているなどのトラブルもあったものの、連なる山々に抱かれながら気持ちよく歩き、仙人池に到着。仙人池ヒュッテの方が出迎えてくださり、お茶をサービスしてくださいました。秘境らしい景色を存分に堪能し、余裕をもって真砂沢に戻ってきました。のどかで楽しい一日でした。
そんな中、8月21日、ついに剱アタックの判断が!早朝3時、期待と不安を胸に源次郎尾根に向けて出発しました。剱で登攀が出来る喜びを噛みしめながら登っては登り、なんとか無事山頂に到着。QUAC旗と共に写真を撮って下山し、真砂沢に帰還しました。楽しかったです。…明るめにあっさりと5文でまとめてみました。が、その実、今合宿の源次郎尾根は、中々の長丁場。人生最大レベルにクタクタになりました。雲、雨、日没、複数のクラック、某1.5年生(わたしですごめんなさい)の様々な失態、その他諸々の影響で記録的長丁場に。下級生に過度な不安を感じさせず指揮を執りきった主将には頭が下がる思いです。山頂からの景色は格別でした。非常に貴重な経験を積むことが出来ました。合宿の目的の一つ、無事達成です!
剱山頂から帰ってきた後も悪天候は変わらず。本来の予定ではその後Aフェース、Cフェースに行くことになっていましたが、雪渓や天候などの状況を入念に吟味した結果、残念ながら引き上げることに。剱沢まで荷揚げし、休憩されていた剱沢警備派出所の方々と話をしました。来年ここで働かないかとの勧誘を受け、全員ノリノリで名簿に名前を記入していたところ、なんと!CフェースおよびAフェースに行けるかもしれないという情報が!諦めかけていた隊員たちにとってあまりの朗報です。喜びが全身からにじみ出ている隊員もちらほら。元の計画と違う点が多いこと、危険性の高いルートを通る必要があること等を踏まえ、主将を含めた3人でアタックすることになりました。
翌日、Cフェースアタック隊3人は3時前に剱沢キャンプ場を出発。何とか雪渓の右岸にとりつき、登攀開始。4時間ほどで全員無事に登り切ったそうです。懸垂下降の際、支点が頼りないというトラブルがあったため、かなり慎重に動いたとのこと。がれきが目立ったために大変だった、と後に反省で語っていましたが、ちゃんと全員無事に帰ってきてくれました。登攀お疲れさまでした!
余った予備日を使い、Cフェースアタック組は立山連峰に、お留守番組は前日に既に立山連峰に行っていたため、奥大日に向かいました。シンプルに楽しい登山です。我々留守番組は、山域中の全山荘回ってやろうと意気込み、時間の許す限りでありとあらゆる山荘をめぐりました。ほぼスタンプラリーです。曇天だったことが幸いし、両隊とも雷鳥に遭遇。山荘でぜんざいを食べたり、テレビの取材スタッフと雑談したりして、クライミングが出来ない鬱憤を晴らすかのように全力で北アルプスを満喫しました。
そして迎えた最終日。なんと、待ち望んでいた奇跡が!天に広がるは無限の碧空、わが身を包むはやわらかな旭光、四方を統べるはみずみずしいみどり。今合宿で初めて気持ちよく晴れた空にお目にかかることができました!今?!?!室堂の美しい景観を堪能し、今頃になって晴れやがってと大勢の登山客を前に全力で毒づき、みくりが池温泉ですべてを流し切り、隊員全員、元気いっぱいに下界のご飯を平らげ、定着合宿は終了しました。
とにかく悪天に悩まされ続けた今合宿。結局、定着全体を通じて晴れたのは下山日のみで、星空を見ることが出来た日すら2日間のみでした。残念ながら行うことが出来なかった登攀もいくつかあります。2年連中は今からリベンジに燃えています。まあ、悪天のためにあまり登山客がおらず、静かな雰囲気だった点は隊員から高評価、というような怪我の功名もありました。早めに剱沢に移ったおかげで山岳部の合宿とは思えないほど沢山のピークを踏めたこと、雷鳥に会えたことなども予想外の収穫でした。今年も安全に定着合宿を行うことができて良かったです!ご協力いただいた皆々様、本当にありがとうございました。以上、定着合宿の報告でした。
2021年夏合宿(南アルプス縦走編、剱槍縦走編)に続く。
【2021夏合宿 剱槍縦走編】
2021年夏の縦走合宿は、北アルプス隊と南アルプス隊3人ずつに分かれて行いました。我々北アルプス隊は、(書類上)2年2人、(書類上!)1年1人という布陣。室堂を出発し、槍ヶ岳を目指します。
定着最終日、室堂で南隊を見送ったあと、人であふれる雷鳥沢キャンプ場に一泊。到着初日とは打ってかわって活気のある雷鳥沢で翌日以降に向け休息をとりました。中にはうるさくて休めないと感じた人もいたようです。
初日は強い風雨の中で移動を開始しました。一ノ越での道迷いを経て昼前に五色が原山荘に到着しました。この五色が原キャンプ場、居心地がとにかく最高でした!個人的には合宿全体で一番です。のどかで、時間がゆったり流れているような感覚がある、とても素敵な場所でした。到着後にやや天気が回復し、景色を堪能することが出来ました。
翌日は満天の星空を眺めながら出発しました。鳶山で五色が原の向こうから登る朝日を拝んでいたとき、一緒になった女性二人組から翌日の天候が不穏であるとの情報をゲット。スーパー健脚お兄さんがぐいぐい進んでいく様子を眺めながら、“近くて遠い“スゴの小屋に到着しました。当初の予定ではここで行動終了でしたが、この時点でかなり巻いていた為、予定を変更して太郎平キャンプ場まで移動することに決定。…してから北薬師岳までが長かった!道もわかりにくく、今合宿で一番不安な時間でした。無事山頂に到着し、大勢の登山客でにぎわう薬師岳山頂、薬師岳山荘を通過。テントに着いたら二日分の夕食を食べてよし、とのCLの発言を受け、アクセル全開、トップスピードで薬師峠に向かいました。夕食をぺろりと平らげ、就寝しました。
前日の2食作戦が功を奏したのか、三日目は万全のコンディションで雲ノ平に向け出発しました。途中、日本三大急登の一つ、ブナ立尾根を(わたしにしては)テンポよく登り切り、別にアラスカではないアラスカ庭園、標識の折れた奥日本庭園を超えてお洒落な雲ノ平山荘に到着。雲ノ平山荘では絶品台湾風チキンライスを堪能しました。あいにくの天気で景色を楽しむことはできませんでしたが、周りの個人登山客の方々のキャラが濃く、退屈せずに過ごすことが出来ました。水場やトイレはあまりきれいではありませんでしたが、チキンライスが最高だったので満足です。
4日目、三俣キャンプ場がコロナ陽性者発生により休業していることが事前に分かっていた為、当初の予定を変更し双六キャンプ場に向かいました。この日は有名ピーク祭!水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳など、有名どころがびっしり。水晶岳ではうまいこと槍を画角に入れて写真撮影することが出来、翌日の期待もMAXに!はしゃいだためか、いつもよりクタクタになって双六小屋に到着しました。双六小屋では前日から一緒に動いている女性の単独登山客の方に激励をいただきました。スカルパのお姉さん、ありがとうございました!
5日目、いよいよ槍ヶ岳を目指して出発!かなりの悪天で、全員がレインを着ての出発になりました。西鎌尾根はガスでほとんど下が見えず、幸か不幸か懸念していた高度への恐怖は一切感じることなく進みました。体温低下に気を付けながら歩き続け、無事に槍ヶ岳山荘に到着。ここで濡れのために、一人が軽い低体温症に(わたしですごめんなさい)。体調、天候他をよくよく検討した結果、その日は槍ヶ岳山荘キャンプ場で一泊することに決めました。案の定キャンプ場の天気は大荒れで、我々のほかにテントは0。強風のため新品のアライテントが壊れました。天候が回復するという情報もなく、不安な気持ちで嵐の中一晩過ごしました。
そして迎えた(結果的に)最終日、悪天の中ではありましたが、無事三人全員で槍ヶ岳踏破!天気予報からこの日のアタックは半分諦めていましたが、昼頃少しだけ風雨が弱まったタイミングでチャレンジ。さっと登ってさっと降りてきました。あいにくの雲のために、少しずつ小さくなっていく槍ヶ岳を惜しむ、ということはできませんでしたが、槍ヶ岳山荘を出てからはそこまで大荒れというわけでは無く助かりました。横尾山荘での休憩、猿の集団との遭遇などを経てようやくゴール!観光客がひしめくお洒落な上高地で靴下を脱ぎ、縦走終了を宣言しました。その後、先輩方及び来られなかった1年へのお土産を調達し、焼き肉を全力で食べて解散しました。
トラブルはいくつかあったものの、とても楽しい縦走でした!時間もある程度余裕があったので、山荘スタンプもそれなりに集められました。贅沢な時間でした。お二方、ボッカありがとうございました!またいつか、体力積んでからもう一度歩きたいです。以上、北隊からの報告でした。
2021夏合宿のブログの更新という大役を仰せつかりました。張り切ってまいります。
追記:UPが遅くなってしまい申し訳ありません!もうブログというか回想ですが、よろしければ目を通してやってください。
今年の夏合宿の参加者は3年1名、2年4名、1年1名の計6名。昨年度は某COVID-19の影響で夏合宿を実施できなかったため、夏合宿経験者は主将のみというなかなかの事態。様々なトラブルに見舞われつつも、何とか14日間の定着、5日間の縦走を完歩することが出来ました。その様子を定着編、南アルプス縦走編、北アルプス縦走編の三回に分けてお伝えします。
【2021夏合宿 定着編】
今年の定着合宿の舞台は剱!ということで、剱の玄関、室堂での様子から書き始めたいところですが、今年はそこに至るまでに2つほど苦労がありましたのでそこから。1つ目はコロナ。夏合宿が近づくにつれ、感染の状況がどんどん悪化。夏合宿が中止になればひと月分の行動食を下界で消費することになるのか、と隊員全員が絶望した直後、学務から許可をいただくことが出来ました。神様仏様学務様。次に悪天。富山への移動中、ニュース番組が気象情報一色になるほどの記録的な大雨に見舞われました。前線をなぞって東に移動し九州を脱したは良いものの、進むことも戻ることも出来なくなり、止む無く広島のカラオケに一泊することに。その後、あらゆるルートを駆使して予定より1日半遅れて室堂に到着しました。
室堂到着初日は雷鳥沢キャンプ場で一泊。先一週間は雨が続くとの予報が出ていたため、カラフルなテントが花畑のように広がる、雷鳥沢らしい景色は見られませんでした。というかテント自体無かったです。全然。
翌日は本拠地の真砂沢までボッカしつつ移動しました。合宿後に諸先輩方に話を聞いたところ、今回は例年に比べ歩荷量が多かったことが判明。パッキングや道具の取捨選択能力に関しては反省が必要ですが、重さの要因の一つに食事があります。今合宿は食事係が大変優秀で、味・レパートリーともに非常に高いクオリティーでした。そのぶん、筆者以外の隊員が歩荷を頑張ってくれました。歩荷力とメシの美味さは比例することを痛感しました。歩荷練習頑張ります。
真砂沢到着後は予想通りの悪天のためになかなか動くことが出来ませんでした。なんとか外に出られたとしても雪訓三昧で、隊にはどんよりとした雰囲気も流れていたりいなかったり。冬合宿を考えると、沢山雪訓が出来たことはありがたかったとも感じます。なかには私が滑り落ちてゆくのを眺めてその日の行動の大半が終わる、といった日もありました。粘り強く待っていてくださった皆さん、ありがとうございました。
一日だけ微妙に動けそうな日があったため、予定を繰り上げて全員で仙人池に向かいました。雪渓が例年に比べ大きく崩れているなどのトラブルもあったものの、連なる山々に抱かれながら気持ちよく歩き、仙人池に到着。仙人池ヒュッテの方が出迎えてくださり、お茶をサービスしてくださいました。秘境らしい景色を存分に堪能し、余裕をもって真砂沢に戻ってきました。のどかで楽しい一日でした。
そんな中、8月21日、ついに剱アタックの判断が!早朝3時、期待と不安を胸に源次郎尾根に向けて出発しました。剱で登攀が出来る喜びを噛みしめながら登っては登り、なんとか無事山頂に到着。QUAC旗と共に写真を撮って下山し、真砂沢に帰還しました。楽しかったです。…明るめにあっさりと5文でまとめてみました。が、その実、今合宿の源次郎尾根は、中々の長丁場。人生最大レベルにクタクタになりました。雲、雨、日没、複数のクラック、某1.5年生(わたしですごめんなさい)の様々な失態、その他諸々の影響で記録的長丁場に。下級生に過度な不安を感じさせず指揮を執りきった主将には頭が下がる思いです。山頂からの景色は格別でした。非常に貴重な経験を積むことが出来ました。合宿の目的の一つ、無事達成です!
剱山頂から帰ってきた後も悪天候は変わらず。本来の予定ではその後Aフェース、Cフェースに行くことになっていましたが、雪渓や天候などの状況を入念に吟味した結果、残念ながら引き上げることに。剱沢まで荷揚げし、休憩されていた剱沢警備派出所の方々と話をしました。来年ここで働かないかとの勧誘を受け、全員ノリノリで名簿に名前を記入していたところ、なんと!CフェースおよびAフェースに行けるかもしれないという情報が!諦めかけていた隊員たちにとってあまりの朗報です。喜びが全身からにじみ出ている隊員もちらほら。元の計画と違う点が多いこと、危険性の高いルートを通る必要があること等を踏まえ、主将を含めた3人でアタックすることになりました。
翌日、Cフェースアタック隊3人は3時前に剱沢キャンプ場を出発。何とか雪渓の右岸にとりつき、登攀開始。4時間ほどで全員無事に登り切ったそうです。懸垂下降の際、支点が頼りないというトラブルがあったため、かなり慎重に動いたとのこと。がれきが目立ったために大変だった、と後に反省で語っていましたが、ちゃんと全員無事に帰ってきてくれました。登攀お疲れさまでした!
余った予備日を使い、Cフェースアタック組は立山連峰に、お留守番組は前日に既に立山連峰に行っていたため、奥大日に向かいました。シンプルに楽しい登山です。我々留守番組は、山域中の全山荘回ってやろうと意気込み、時間の許す限りでありとあらゆる山荘をめぐりました。ほぼスタンプラリーです。曇天だったことが幸いし、両隊とも雷鳥に遭遇。山荘でぜんざいを食べたり、テレビの取材スタッフと雑談したりして、クライミングが出来ない鬱憤を晴らすかのように全力で北アルプスを満喫しました。
そして迎えた最終日。なんと、待ち望んでいた奇跡が!天に広がるは無限の碧空、わが身を包むはやわらかな旭光、四方を統べるはみずみずしいみどり。今合宿で初めて気持ちよく晴れた空にお目にかかることができました!今?!?!室堂の美しい景観を堪能し、今頃になって晴れやがってと大勢の登山客を前に全力で毒づき、みくりが池温泉ですべてを流し切り、隊員全員、元気いっぱいに下界のご飯を平らげ、定着合宿は終了しました。
とにかく悪天に悩まされ続けた今合宿。結局、定着全体を通じて晴れたのは下山日のみで、星空を見ることが出来た日すら2日間のみでした。残念ながら行うことが出来なかった登攀もいくつかあります。2年連中は今からリベンジに燃えています。まあ、悪天のためにあまり登山客がおらず、静かな雰囲気だった点は隊員から高評価、というような怪我の功名もありました。早めに剱沢に移ったおかげで山岳部の合宿とは思えないほど沢山のピークを踏めたこと、雷鳥に会えたことなども予想外の収穫でした。今年も安全に定着合宿を行うことができて良かったです!ご協力いただいた皆々様、本当にありがとうございました。以上、定着合宿の報告でした。
2021年夏合宿(南アルプス縦走編、剱槍縦走編)に続く。
【2021夏合宿 剱槍縦走編】
2021年夏の縦走合宿は、北アルプス隊と南アルプス隊3人ずつに分かれて行いました。我々北アルプス隊は、(書類上)2年2人、(書類上!)1年1人という布陣。室堂を出発し、槍ヶ岳を目指します。
定着最終日、室堂で南隊を見送ったあと、人であふれる雷鳥沢キャンプ場に一泊。到着初日とは打ってかわって活気のある雷鳥沢で翌日以降に向け休息をとりました。中にはうるさくて休めないと感じた人もいたようです。
初日は強い風雨の中で移動を開始しました。一ノ越での道迷いを経て昼前に五色が原山荘に到着しました。この五色が原キャンプ場、居心地がとにかく最高でした!個人的には合宿全体で一番です。のどかで、時間がゆったり流れているような感覚がある、とても素敵な場所でした。到着後にやや天気が回復し、景色を堪能することが出来ました。
翌日は満天の星空を眺めながら出発しました。鳶山で五色が原の向こうから登る朝日を拝んでいたとき、一緒になった女性二人組から翌日の天候が不穏であるとの情報をゲット。スーパー健脚お兄さんがぐいぐい進んでいく様子を眺めながら、“近くて遠い“スゴの小屋に到着しました。当初の予定ではここで行動終了でしたが、この時点でかなり巻いていた為、予定を変更して太郎平キャンプ場まで移動することに決定。…してから北薬師岳までが長かった!道もわかりにくく、今合宿で一番不安な時間でした。無事山頂に到着し、大勢の登山客でにぎわう薬師岳山頂、薬師岳山荘を通過。テントに着いたら二日分の夕食を食べてよし、とのCLの発言を受け、アクセル全開、トップスピードで薬師峠に向かいました。夕食をぺろりと平らげ、就寝しました。
前日の2食作戦が功を奏したのか、三日目は万全のコンディションで雲ノ平に向け出発しました。途中、日本三大急登の一つ、ブナ立尾根を(わたしにしては)テンポよく登り切り、別にアラスカではないアラスカ庭園、標識の折れた奥日本庭園を超えてお洒落な雲ノ平山荘に到着。雲ノ平山荘では絶品台湾風チキンライスを堪能しました。あいにくの天気で景色を楽しむことはできませんでしたが、周りの個人登山客の方々のキャラが濃く、退屈せずに過ごすことが出来ました。水場やトイレはあまりきれいではありませんでしたが、チキンライスが最高だったので満足です。
4日目、三俣キャンプ場がコロナ陽性者発生により休業していることが事前に分かっていた為、当初の予定を変更し双六キャンプ場に向かいました。この日は有名ピーク祭!水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳など、有名どころがびっしり。水晶岳ではうまいこと槍を画角に入れて写真撮影することが出来、翌日の期待もMAXに!はしゃいだためか、いつもよりクタクタになって双六小屋に到着しました。双六小屋では前日から一緒に動いている女性の単独登山客の方に激励をいただきました。スカルパのお姉さん、ありがとうございました!
5日目、いよいよ槍ヶ岳を目指して出発!かなりの悪天で、全員がレインを着ての出発になりました。西鎌尾根はガスでほとんど下が見えず、幸か不幸か懸念していた高度への恐怖は一切感じることなく進みました。体温低下に気を付けながら歩き続け、無事に槍ヶ岳山荘に到着。ここで濡れのために、一人が軽い低体温症に(わたしですごめんなさい)。体調、天候他をよくよく検討した結果、その日は槍ヶ岳山荘キャンプ場で一泊することに決めました。案の定キャンプ場の天気は大荒れで、我々のほかにテントは0。強風のため新品のアライテントが壊れました。天候が回復するという情報もなく、不安な気持ちで嵐の中一晩過ごしました。
そして迎えた(結果的に)最終日、悪天の中ではありましたが、無事三人全員で槍ヶ岳踏破!天気予報からこの日のアタックは半分諦めていましたが、昼頃少しだけ風雨が弱まったタイミングでチャレンジ。さっと登ってさっと降りてきました。あいにくの雲のために、少しずつ小さくなっていく槍ヶ岳を惜しむ、ということはできませんでしたが、槍ヶ岳山荘を出てからはそこまで大荒れというわけでは無く助かりました。横尾山荘での休憩、猿の集団との遭遇などを経てようやくゴール!観光客がひしめくお洒落な上高地で靴下を脱ぎ、縦走終了を宣言しました。その後、先輩方及び来られなかった1年へのお土産を調達し、焼き肉を全力で食べて解散しました。
トラブルはいくつかあったものの、とても楽しい縦走でした!時間もある程度余裕があったので、山荘スタンプもそれなりに集められました。贅沢な時間でした。お二方、ボッカありがとうございました!またいつか、体力積んでからもう一度歩きたいです。以上、北隊からの報告でした。