昨日の夕食のときの私と妻の会話。
「うちは昔から外食をしなかったね」と私。
「……」妻。
「息子たちも外で食べたいといわなかったね」と私。
「だって、うちはそのころお金がなかったんだもの」と妻。
「……」私。
「外になんて食べに行けなかったのよ」と嘲るように小さく嗤う妻。
「今、外食に行かないのは……?」
「外食に行けるお金なんて、ないじゃない」
何バカなこといってんの、とでもいいたそうな妻。
あれ?妻はよく、次のようにいっていた。
「外で食べるより、安い食材を買って家で作って食べた方が美味しく食べられるよ。
私は料理を作ることが好きなんだ」
あれは本音じゃなかったんだ。
つまり私の収入が少なかったから、外食に行かずに家で食べていたということなんだ。
私は、なんておめでたい男なのだろう。
高卒の私は68歳まで働いてきたが(それ以降はシルバー人材センターの仕事)、
多くは転職した会社が不景気になったり倒産して、25回以上転職をしてきた。
ギター製造、薬品製造、大学生協での販売員、デパート販売員、広告の営業、時計加工の下請け、
印刷会社、工場の製造員、工場の資材購買部、工場の生産管理、出荷担当、障害者支援NPO法人、
警備員、文化施設管理、マンション管理人などの仕事をしてきた。
文句なしに私の収入は少なかった。
妻と双子の息子と私の4人家族、生活するのは大変でした。
それでもなんとか息子たちを大学に行かせ卒業させた。
やはり外食には行けないよな。
妻は、外食が嫌いなわけじゃなかったんだ。
こんな貧しいわが家の家計のやりくりをしてくれた妻に感謝です。
現在、私と妻は無職です。
でも、春になったら仕事をしようと考えています。
ネットの求人情報を見ると、70代でもマンション管理人などを求人している。
妻は、大学や会社の清掃人の求人を探している。
少しでも収入を得て、旅行でもしたいです。
その前に外食をしたいですね。