終わった人

2018年08月10日 | 健康・病気

「終わった人」(内館牧子著 講談社文庫)読みました。
岩手の県立高校から東大法学部に入り、卒業して大手銀行に就職、
その後過酷な銀行の出世街道を田代壮介は順調に上がっていくが、
あと一歩で役員という49歳のときに、銀行の子会社に出向させられた。
その会社で壮介は、63歳で定年退職した。
これから時間があるから妻の千草に、「のんびり温泉でも行こう」と誘う。
千草は43歳のときにヘアメイクの専門学校に行き国家試験をパスした。
目黒の小さな美容院で働いているから「1泊じゃないと行けない」という。
壮介は、もてあます時間をスポーツジムに行ったり、
カルチャースクールに入ったり、ハローワークで仕事を探したりする。
カルチャースクールの受付をしている女性に淡い恋心も抱いたりする。
いろいろ悪戦苦闘しているうちに、スポーツジムで知り合った
IT企業を経営している鈴木から、会社の顧問になってくれと請われる。
そして物語は進んで行く。
どのようなストーリーなのかと楽しみながら読みすすめていたが、
意外な展開になりいろいろ考えさせられた。

この主人公は、東大-メガバンクという華やかな半生を生きてきた。
私は、高校を出て日の当たらない小さな会社を転々としてきた。
定年退職ということもなく、まともな退職金もないままに66歳になった。
私はこれまでの生き方をいろいろ反省しています。
しかし、若いときに戻ってやり直したいとは考えない。
このまま静かに老後を過ごしたいと思います。

コメント
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